漂う遺志

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ある人の
遺志
が、

今ここ
目の前に
ある。

実在と
して。

私はそれを
手に取り、

少し重いな


思いながらも
じっと
見つめている。

観つめて
いる。

その人の
遺志だが、

実は
その人自身も
誰かから
この遺志を
受け取り
生きてきたんだな、

ということが
わかる。

遺志は
人から人へと
移っていく。

ただ、
誰もに
というわけでは
ない。

その遺志の
本質を
受け止められる
人。

いやそれ以前に
ここにその
遺志が
実在していることに

気づかねば
ならない。

この世の中
には
様々な遺志が
漂っている。

そのほとんどは
浮遊した
ままだ。

皆、
寂しそうだ。

私は今、
じっと
見つめている
この
遺志を

受け継ごう
かと

意志を
固めたところだ。

つづく

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