2017年 11月 の投稿一覧

自力でできることを、サポートしてはならない

新規事業プロジェクトチームの

縮小が正式決定しました。

(→前回記事)

 

そして間もなく・・・。

 

私は木村さんに呼ばれました。

 

「一つお願いしたいことが

あるのです。」

 

「なんですか?」

 

「もう一歩深く、

私達をサポートいただけませんか?」

 

「もう一歩深く、ですか?」

 

「はい。

ここまでは、私や弓江をサポートして

いただきましたが、

これからは、私のチームそのものを

サポートしていただきたいのです。」

 

「そう思われた理由を

教えていただけますか?」

 

「私はこのプロジェクトを必ず

目標達成させたいのです。

しかし残念ながら、メンバーは半分に

縮小することになりました。

しかし私は残されたメンバーが

ポテンシャルをしっかりと発揮できれば

必ず達成できると思っています。

そのためのサポートをお願いしたいのです。」

 

私は木村さんの中に、

わずかですが、淀みを感じました。

 

「今、木村さんがおっしゃったのは、

確かに木村さんの望んでいることだ思いますが、

それは私がいなくても、

自力でできるのではありませんか?

もしくは、これまでと同じように

木村さんのみへのサポートでも

可能ではありませんか?」

 

少し木村さんの目が揺れました。

 

「木村さん、

真本音でお答えください。

新規事業プロジェクトは、

木村さんの自力で目標達成は難しいですか?」

 

直観的に木村さんは答えました。

 

「弓江とも協力しながら行けば、

大丈夫だと思います。」

 

今度は、スッキリ伝わってきました。

 

「ですよね。

では、私に対するご要望が、

他にあるのでは?」

 

木村さんはじっと私の目を

見つめてきました。

 

こういう時の木村さんは、

間違いなく真本音度合いが

高まっています。

 

フッと、心地よい風が

吹いた気がしました。

 

「あっそうか。

たけうちさんにご要望があります。」

 

「何です?」

 

彼はニッコリと笑いました。

 

「新規事業プロジェクトは、

メンバーが半分になったことにより、

私は生産性が何倍にも上がると確信しています。

そして、少なくとも当初の目標の

1.5倍以上の売上・利益は達成できるはずです。

でもそのためには、

全員がもっと加速的に成長する必要があります。

私も含めて。

たけうちさんの言われている脱皮は、

これから始まるんだと思います。

全員が、一人一人が、きちんと脱皮しなければ

このチームの脱皮は完成しません。

たけうちさん、至急、我々の脱皮を

サポートしてください。

一刻も早く、脱皮した我々として、

私は、1.5倍の数値を達成します。

それが、我社の未来にとってとても大事だと

思いますし、

私の人生にも、皆の人生にも大事な

転換点です。」

 

要約すると、そのような内容を

彼は呟くように私に伝えました。

 

その一言一言が、

私の胸に沁み渡りました。

 

「いいでしょう。

そういうことでしたら、やりましょう。

平井さんはご存知ですか?」

 

「はい、平井からはすでに

たけうちさんがもう一歩深く関わることについては

了解を取っています。」

 

「では、今からすぐに

二人で平井さんのところに行きましょう。」

 

私は木村さんと共に、

すぐに平井さんにお会いしました。

 

そしてその場で、

今、木村さんが宣言されたことを

そのまま木村さんの口から

平井さんに伝えてもらいました。

 

平井さんは真剣な表情で、

「わかった。任せるよ。」

と言われました。

 

「たけうちさん、お願いします。」

と平井さんは神妙な顔で言われましたが、

私は彼が今にも

笑い出しそうなのを必死でこらえているのが

よくわかり、

私も、つい笑い出しそうになりました。

 

つづく

 

人は、未来とも調和する判断ができる

木村さんと弓江さんの二人コーチングから

約1ヶ月経ったある日。

(→前回記事)

 

私は、平井さんに

「ご相談があります」

と呼ばれました。

 

平井さんは言われました。

 

「実は、

新規事業プロジェクトチームの

大幅縮小を考えています。」

 

「えっ?」

と私は驚きました。

 

「どうしても、

新規事業プロジェクトの主要メンバーを

もとの部署に戻す必要が生じました。」

 

話を聴けば、

何か問題が起きたということではなく、

これまでの既存事業の業績が

予想以上に伸びている、とのこと。

 

お客様のご要望にお応えするために、

どうしても人員の補強をしたい、

そのために、新規事業プロジェクトを

大幅縮小することは可能か?

というご相談でした。

 

ただし、平井さんとしては、

新規事業プロジェクトも成功させたい、

という気持ちも強く、

プロジェクトの人数を半分に減らしても

プロジェクトを続行することは可能だろうか?

そして、人員半分でも、

プロジェクトの当初の計画(目標)を

達成することは可能だろうか?

ということについて、私の見立てを聴きたい

ということでした。

 

「木村さんにはこのお話はされたのですか?」

 

「はい、もちろんしました。」

 

「彼はなんと?」

 

「実は驚いているのですが、

大丈夫です、と。

当初の目標も計画も変えずに行きます、と。

そう言うのです。

だから、逆に心配になりまして。

実際のところどうなのか?と

たけうちさんにお訊きしよう思ったのです。」

 

なるほど、そういうことか。

 

「弓江さんもご存知ですか?」

 

「はい。

弓江も木村とまったく同じことを

申しました。

正直、私は少しびっくりしています。」

 

「ちなみに、

実際には、どのメンバーをプロジェクトから

外すのですか?」

 

そのメンバーを聴いて、

私は合点がいきました。

 

この時、私は初めて、

1ヶ月前に、木村さんと弓江さんの二人が

なぜチームのペア編成を組み替えたのか?の

真の意味を知りました。

 

あの時の編成の組み替えが、

ここで生きてきたのです。

 

実は、あの二人コーチングの後、

木村さんは早速、ペアの組み替えを

しました。

 

すると、当初、不調和を起こすのではないか

と予測していたペアが

想定外の調和を見せ、みるみるチームの

調和性も上がりました。

 

チームメンバーも

「非常に仕事がやりやすくなった」と

喜び、チーム全体の活気は明らかに

高まりました。

 

しかもたった1ヶ月ですが、

その中で若手社員が急成長し始めました。

これまでどちらかと言えば、

先輩社員についていくだけ、という人が

主体的に動くようになったのです。

 

木村さんが懸念されていた

「真剣な人とそうでない人の差が開いている」

という問題。

その「真剣でない」と思われていた人達が

主体的になったのです。

 

ペアを組み替えただけで、どうしてこうなるのか?と

「まるで魔法を見ているようです」

と木村さんも弓江さんもおっしゃっていました。

 

でもそれは紛れもなく、

二人で決めた編成だったのです。

 

直観で決めた編成です。

 

ただ、私には

こうなることは何となく予測がついていました。

 

なぜなら、「相性」とは

反応本音レベルの相性と

真本音レベルの相性が

あるからです。

 

二人コーチングの場で、

木村さんと弓江さんが発想したペアは、

思考レベルではNGだったのですが、

それは二人が、

反応本音レベルでの相性を見ていたから

でした。

直観レベルでOKと思えるということは、

恐らく、真本音レベルでの相性が

良いのだろうな、と

私は予測していました。

 

そして、本当に

そうだったのです。

 

真本音レベルの相性の度合いのことを

私は

『調和性』

と呼んでおり、

二人が新たに編成し直したペアは

その調和性に富んでいました。

 

そして、

真本音レベルでの発想は、

その後の「想定外の現実」に対しても

調和をしていきます。

 

平井さんの話によると、

新規事業プロジェクトチームからは

主要メンバーが抜けるということ。

ということは、これまで「真剣でなかった」

若手社員中心のチームになるということです。

 

しかし、この1ヶ月の若手社員の成長ぶりを

見ていますと、

確かに、木村さんが「大丈夫です」というのも

私は理解できました。

 

1ヶ月前の二人コーチングによる

新たなペア編成が成されていなければ、

この事態に対応することは

難しかったでしょう。

 

私は平井さんに申しました。

 

「私も、木村さんと弓江さんの意見と

同じです。

彼らはきっと、やりますよ。」

 

それを聴いた平井さんの表情を

私は忘れることができません。

 

本当に嬉しそうな彼のお顔を拝見して、

ますます、

「これはいけるな」と

私は確信しました。

 

そしてその後、

新規事業プロジェクトは、

若手中心のチームとして本当に

目標達成を遂げることになります。

 

つづく

 

悩まない人は、自由になれない

私は、

「自由になる」

とは、

「直観に素直になる」

ということだと思っています。

 

もちろん、

「思考」を否定しているわけでは

ありません。

 

しかし「思考」とは

「直観力」を高めるための

一つの手段である、

と思っています。

 

何も「思考」しない人からは

「直観」は生まれません。

 

なぜなら私達の真本音は

「試行錯誤」を非常に

重要視しているからです。

 

結果のみならず、

結果に至るまでの過程(プロセス)の

一歩一歩を大切にしています。

 

ただ単に望む結果を出すのではなく、

その道のりの中で得られるものこそを

大切にしています。

 

そこで必要なのが、

「思考」すること。

言葉を換えれば、

「悩む」こと。

そして、

「迷う」ことです。

 

悩むべきことに

100%しっかりと悩み、

迷うべきことに、

100%しっかりと迷い、

考えるべきことを

100%しっかりと考えることで、

初めて、本当の「直観」は

働くようになります。

 

そしてそこで得られた

「経験」は、

次の似たような傾向の「経験」や

応用的な「経験」において

力を発揮するようになります。

つまりは、

「悩まなくても一瞬で決断ができる」

状態となるのです。

 

私が企業現場でいつも実感するのは、

本来悩むべきことから

逃げている人が実に多い、

という事実です。

 

悩みから逃げるからこそ、

直観が働かなくなります。

そしていつまで経っても

その悩みを解決できない、という

悪循環に陥ります。

 

人生が、仕事が、

ストップしてしまうのです。

 

それは、

進化のストップ、ということでもあります。

 

冒頭の言葉に戻りますと、

「自由になる」とは

「直観に素直になる」ということ。

そのためには、

悩みや迷いから逃げないことです。

 

きちんと「直観」の働く状態に

自分を持っていくということです。

 

さて。

 

木村さん、弓江さんの二人コーチングの

場面に戻ります。

 

二人が「直観的」に決めた

チーム員のペアの組み合わせは、

思考レベルで考えると、

とても納得のいくものではありませんでした。

(→前回記事)

 

「直観」ではOK。

「思考」ではNG。

 

こうした場合、

私はコーチとしてあえて

「断定」することにしています。

 

一般的に、コーチは

クライアントの意見を尊重して、

自分からは答えは言ってはならない

というのが原則だそうです。

しかし、私は時と場合で、

思いっきり結論を言いますし、

断定もします。

時には、「指示」に近いこともします。

 

クライアントが

「直観」か「思考」かで迷った場合、

多くの場合、私は断定します。

 

「ここは直観で行ってください」

と。

 

有無を言わせない空気感を

出します。わざと。

 

それでも抵抗するようなら、逆に

直観に従うことは

やめた方がよいでしょう。

 

しかし、木村さんと弓江さんは

私のその断定を聴いて、

とてもホッとした表情をされました。

 

「わかりました。

これでやってみます」と

木村さんは言いました。

 

そこに、理由や理屈はありません。

それを探してもしょうがない、

という場面です。

 

それをまた木村さんと弓江さんは

直観的に悟ったようです。

 

今から思えば、

この時の二人コーチングが

本当に運命の分かれ道でした。

 

つづく

 

思考を信じる? 直観を信じる?

「直観」というのは

本当に馬鹿になりません。

 

ちなみに、私は

「直感」と「直観」

を区別しています。

 

「直感」とは、広い意味でのひらめきです。

浅いひらめきから深いひらめきまで

すべてを含んでいます。

ですので、単なる思いつきレベルのひらめき

も含みます。

要するに、反応本音レベルのひらめきも

含みます。

 

それに対して「直観」とは、

真本音レベルのひらめきです。

それは思いつきレベルのものではなく、

「こうすればいいんだ!」という確信に

満ちています。

 

真本音度合いが高まるということは、

単純に、

この「直観力」が高まるということでも

あります。

 

ただ、どれだけ「直観」が出たとしても

自らその発想を捨ててしまう人も

多いです。

 

どうしても、これまでの経験則や

一般常識に捕らわれた

「思考的」「理論的」な発想の方を

優先してしまうのです。

 

「思考」ではなく「直観」に素直に

動いてみる。

 

それを私はお勧めします。

 

ただし、あくまでもそれは

真本音度合いが高まっている人に

対してのみ言えることです。

 

真本音度合いが低い状態では、

単なる思いつきレベルの「直感」が出やすく、

それに素直になることで

酷い目に遭うこともあるでしょう。

 

クライアントさんのその発想が、

「直感」か「直観」か?

その区別がつくのも、

コーチの必要な力の一つです。

 

「富士山が噴火する」イメージを

共有した木村さんと弓江さん。

 

二人がそのイメージを大切にしながら

直観的に発想した

チーム員のペア分けを、

私はまさしく「直観」であると

感じ取りました。

 

ところが、そのペアの組み合わせは、

通常では考えられないものと

なったのです。

(→前回記事)

 

まず第一に、

「バランスが悪いですねぇ」

と木村さん。

 

各ペアによって能力の差が著しく、

明らかに活躍できるペアと、

そうでないペアが

明確にわかるそうです。

 

能力の偏りが激しい、ということです。

 

そして第二に、

「明らかに相性の悪いペアがあります」

と弓江さん。

 

どう見ても、その二人が上手くいくはずがない

というペアがあるそうです。

 

さらに第三に、

「チームリーダーである私との

調和性の低そうなペアもあります」

と木村さん。

 

以上のような悪い印象が出てくる場合、

本当はやめておいた方が良いでしょう。

しかしその一方で、

「どうしてもこの組み合わせが

ベストである」

という確信に満ちたような感覚も

二人の中にはあり続けました。

 

「思考」ではNO。

「直観」ではYES。

 

・・・という状態です。

 

こういった場合、

どうすれば良いか?

 

私の答えは明確です。

 

先ほど書きました通り、

「直観」に従うのです。

 

つづく

 

あえて思考ゼロのまま、発想を進めてみる

木村さんと弓江さんの

二人コーチング。

脱皮時の原理原則に則り、

新規事業プロジェクトチームのペアの組み合わせを

改めて考え直そう、ということになりました。

 

では、どのような基準で

ペアを組み直すか?

 

その私の問いに対して、木村さんは

「ペアをどう変えようか?と考えようとすると、

富士山が噴火しているイメージばかりが

頭の中に出てくるんです。」

・・・と答えました。

 

そのイメージは恐らく、

木村さんの真本音発想がカタチとなって

現れたもの。

であれば、それを

大切にすべきだと私は直観しました。

(→前回記事)

 

「でも、イメージは鮮明ですが、

意味がよくわからないのです。」

 

「じゃあ面白いので、

意味がわからないままで

ペアを組み直してみましょうか。」

 

「そんなことができるんですか?」

 

私はその木村さんの質問には

直接答えず、逆に弓江さんに

訊きました。

 

「弓江さんは、

木村さんのそのイメージ、

共感できますか?」

 

「はい。

私も意味はよくわからないのですが、

すごく共感できます。」

 

「では、弓江さんの心の中で

富士山が噴火しているイメージを

描くことはできます?」

 

「はい。

さっきからもうイメージが

私の中で出来上がっています。」

 

「では、お二人とも

そのイメージをしっかりと今、

心の中に浮かべてみてください。」

 

二人がそうしているのを

私は二人同時に観察しました。

 

これは私の「感覚」になってしまうのですが、

二人同時に観察すると、

二人がまるで「一つ」のように

深い絆で繋がっているような

そんな「感覚」を覚えました。

 

「ありがとうございます。

これは大丈夫ですね。

では、そのイメージを使いながら

ペアの組み合わせを発想してみましょうか。」

 

ここで私は付箋を用意していただき、

一枚一枚の付箋に、一人ずつ

新規事業プロジェクトメンバーの名前を

書き込んでもらいました。

 

「ではまずは弓江さんから

いきましょうか。

弓江さん、先ほどの富士山の噴火のイメージを

しっかりとしながら、

この付箋を使って直観で

二人一組のペアを作ってください。」

 

最初、弓江さんは「えぇ〜?」と

戸惑っていましたが、

ふと、「あっ、なんかわかりました!」と

言いながら、

あっという間に付箋を並べ替え、

ペアを決めてしまいました。

1分もかかりませんでした。

 

「では、木村さん、

富士山の噴火のイメージをしながら、

今、弓江さんに作っていただいたペアを

ご覧ください。

どこか、違和感のあるペアはありますか?」

 

「・・・あぁ、ないですね。

これでOKだと思えます。」

 

と木村さんは言いながらも、

 

「いや、でも、・・・これ、本当に

良いのでしょうか?」

 

・・・と戸惑いの表情。

 

弓江さん自身も

やはり戸惑いの表情。

 

そこには、普通で考えれば

あり得ない組み合わせが

並んでいたからです。

 

つづく

 

これまでの最善が、これからも最善とは限らない

人やチームが脱皮する時に

大切にすべき原理原則の3つ目は、

 

『物事を深く考えない。

表面上のことだけに目を向ける』

 

・・・ということでした。

(→前回記事)

 

私は弓江さんに問いました。

 

「その原理原則を大切にすると、

これから新規事業プロジェクトが脱皮を

きちんと完了するために、

何が必要だと思いますか?

表面上のことで良いですよ。」

 

う〜ん、と弓江さんは考え込みました。

すると、木村さんが口を挟みました。

 

「そういうことで言えば、

さっき弓江が言っていた、

ペアが良くない、

ペアを変えるべき、

ということのような気がします。」

 

「あぁ、なるほど!」

 

もともと、新規事業プロジェクトチームが

脱皮をしようとしていることに

気づけたきっかけは、

「ペアを変えるべきではないか」

という検討課題が出されたからでした。

(→【一つになることで、すべてがどんどん晴れ渡っていく】)

 

新規事業プロジェクトチームは

基本的には二人一組で活動をするそうです。

そのペアの組み合わせが良くないと

弓江さんが直観的に指摘しました。

 

しかし、二人ともこれまでは

今のペアの組み合わせが最善であると

思っていたのです。

しかしこの二人コーチングの場で考えると、

今のペアに違和感ばかりが出る、

ということでした。

 

私はその二人の話を聴いて、

なるほど、今のこのプロジェクトチームは

脱皮をしようとしているのだ、

これまで最善だと思っていたことが、

最善ではなくなるんだ、

だから、脱皮のために必要な変化を

ここで起こさなければならないんだ、

ということに気づいたのでした。

 

そうするとやはり、

「ペアの組み合わせを変える」

というのは、

脱皮のためにも必要なことのように

思えます。

 

「では、一度、

ペアの組み方を発想してみましょうか。」

 

「はい、まずは。

それをしないと次の発想が出ない気が

します。」

 

「これまでのペアというのは、

・お互いの能力が補完できること

・相性がいいこと

を基準にして組んでいたのでしたね?」

 

「はい。」

 

「では、これからの基準はどうします?」

 

しばらく木村さんは

無言でいました。

そして私に何とも言えない不思議な

目を向けてきました。

 

「たけうちさん、・・・

ちょっとわけがわからないのですが・・・。」

 

「どうしました?」

 

「ペアをどう変えようか?と考えようとすると、

富士山が噴火しているイメージばかりが

頭の中に出てくるんです。」

 

それを聴いて、

弓江さんの目が、

キラッと楽しそうに輝きました。

 

その二人の様子を見て、

あぁこれは「実在」だな、と私は思いました。

 

「木村さん、いい傾向ですね。

それは単なるイメージではなく、

木村さんの真本音発想がカタチになった

ものですよ、きっと。

私の言うところの、実在、というやつです。

だいぶ、発想が柔らかくなりましたね。」

 

木村さんは少し

照れ臭そうに笑いながら言いました。

 

「でも、イメージは鮮明ですが、

意味がよくわからないのです。」

 

「じゃあ面白いので、

意味がわからないままで

ペアを組み直してみましょうか。」

 

「そんなことができるんですか?」

 

つづく

 

刹那的に生きることがベストの時もある

人や組織が「脱皮」をする時、

平常時とは真逆の原理原則が

働くことがあります。

 

その一つが、

『不安定をどんどん自分に与え、

しかも無茶をするとよい』

ということでした。

(→前回記事)

 

さらに、原理原則をご紹介しましょう。

 

それは、

 

『未来のことは考えない。

刹那的になるとよい。』

 

ということです。

 

脱皮時に、未来のことを発想をしても、

真本音の発想は、

一つも出てきません。

 

一つも、です。

 

たとえその時に「これは良いアイデアだ」と

思ったとしても、

脱皮を終えた後で振り返れば、

ほぼ間違いなく、

「どうでもいいこと」に思えてきます。

 

脱皮の時というのは、

私達は、脱皮そのものに対して

必死になります。

それ以外のことには、

エネルギーをかけないようになります。

ある意味の、省エネです。

 

特に、未来の発想に関してのエネルギーは

ほぼ、ゼロになります。

 

そんな状態での発想は、

それこそ悪い意味での刹那的な発想に

過ぎなくなります。

 

むしろ私は、

脱皮時における未来発想は、

すべて「捨てるべき発想です」と

断言してしまうことも多いです。

 

ですので、そういったことはやめて、

「今この場をこなすこと」

のみを考えればよいのです。

 

前回、私は

「脱皮時こそ、自由発想しよう」

ということを書かせていただきましたが、

その自由発想とはあくまでも、

「今、どうするか?」

ということに関する自由発想である

ということになります。

 

要するに、

「今」

に集中するのですね。

「今のみ」

に集中するのです。

 

これが、脱皮時における原理原則の

二つ目です。

 

さて、

原理原則の3つ目をご紹介します。

 

これについては、

木村さんと弓江さんの二人コーチングの場面に

戻りましょう。

 

私はお二人に脱皮についての解説を

しました。

その上で、次のように問いました。

 

「この二人コーチングの真の目的は、

これから脱皮を迎えようとしている

新規事業プロジェクトチームに対して、

何ができるか?

何をしてはならないか?

を発想することだとわかりました。

そんな視点で、

お二人から何かアイデアはありますか?」

 

二人はじーっと考えていましたが、

弓江さんが口を開きました。

 

「せっかくですので、

私は脱皮をするならとことん脱皮をした方が

よいと思うのです。

ですので、新規事業プロジェクトの理念とか

方向性とか、改めてゼロベースで考え直すというのも

面白いと思います。」

 

これは非常に素晴らしい意見ですが、

実は、

「ゼロベースで考え直す」

というのは、平常時にこそすべきことだと

私は思っています。

 

私は、本当のリーダーとは、

常に、あらゆることをゼロベースで発想し直す人である

と思っています。

ゼロベースからの発想は

非常に意義深いものが多いです。

しかしそれは

平常時にこそ、毎日続けることです。

 

では、脱皮時はどうでしょう?

 

脱皮時の原理原則の3つ目は、

 

『物事を深く考えない。

表面上のことだけに目を向ける』

 

ということなのです。

 

つづく

 

地に足をつけようとしてはならない時がある

人も組織も

『脱皮』

をする時があります。

 

そして脱皮の段階においては

平常時とは真逆の選択をしなければ

ならないことがあります。

 

平常時の原理原則が

まったく役に立たなくなるのです。

 

例えば、

「自分にどんどん不安定を与える」

ことが大事になります。

(→前回記事)

 

さらに、次のことも

大事です。

それは、

 

「無茶をする」

 

ということです。

 

平常時においては、地に足のついた選択と行動が

大切です。

 

しかし、脱皮をしている間は、

地に足をつけようとしても、

その、「地」そのものがありません。

それはまるで、

空中に浮かんでいるかのようです。

 

足元がないので、

いつでも「落ちる恐怖」に苛まれます。

そこで多くの人は、

バタバタと足を空回りさせ、

悪あがきをします。

 

しかし「地」そのものがないので

どうしようもありません。

 

ですので、脱皮の時は、

地に足をつけること自体を

あきらめます。

 

空中に漂うままにします。

落ちる恐怖や、実際に落ちる感覚もありますが、

そこは、あきらめてしまうのです。

 

そして、

どうせ地面がないのですから、

無茶をしてしまうのです。

 

こんな時こそ、

自由発想です。

 

ただし。

 

わざと「無茶をしよう」と考えることも

厳禁です。

「無茶をしよう」という意図そのものが、

すでに自分に「無茶」という枠を

はめるからです。

 

ただただ純粋な、

自由発想をします。

 

どうせ、何をしても怖いのだから、

怖さは変わらないのだから、

思い切って心を自由にするのです。

 

すると、

本当にとんでもない発想が

出ることがあります。

 

とんでもない発想が出た場合には

そこに、

立ち向かっていくのです。

 

それを実行に移そうとするのです。

 

大丈夫です。

 

脱皮とは、

私達の真本音の意図に

基づいています。

 

行動に移そうとして、

もしそれが本当に行動できたとすれば、

それは、真本音の行動です。

 

行動に移そうとして、

もしそこで体が止まってしまうのであれば、

それは、私達自身の真本音が

止めている、ということになります。

 

ですので、本当に危険なことは

行動に移すことができません。

 

何をどうしても不安定なまま。

・・・という状況の中だからこそ、

私達は、

「開き直る」

ということができます。

 

開き直った人は

強いです。

 

開き直ることで、

これまで体験したことがないくらいに

真本音度合いを高めることが

できるのです。

 

脱皮とは、

そういった自己革新のチャンスである

とも言えます。

 

『不安定をどんどん自分に与え、

しかも無茶をする』

 

それが、脱皮時における

原理原則の一つです。

 

脱皮時に

きちんとそれができる人は、

脱皮そのものの頻度も

上がっていきます。

 

すると、人生が加速します。

 

私たちは、

脱皮そのものに楽しさを

見出すこともできるようになるのです。

 

それが、

人間の凄さであると

私は思います。

 

つづく

 

不安定や絶望感があるからこそ、脱皮できる

人の成長も、組織の成長も、

比例直線的ではなく、

階段状に上がっていきまます。

(→前回記事)

 

階段の段差を登るということは、

これまでの自分(もしくは組織)とは

まったく異なるステージに上がる

ということです。

 

これまで見えていなかったものが

見えるようになり、

これまでできなかったことが

できるようになります。

これまで、考えもしなかったことを

考えるようになり、

これまで、実行に移さなかったことを

どんどん実行するようになります。

 

これを私は

 

『脱皮』

 

と呼んでいます。

 

人に『脱皮』があるように

組織にも『脱皮』があります。

 

段差を越える時、

つまり、脱皮の時は、

平常時とは真逆な原理原則が

必要となります。

 

その一つが、

「自分にどんどん不安定を与える」

ということです。

 

脱皮の時は、

平常時では考えられないくらいに

不安定になります。

 

個人の場合は、

心が非常に不安定になり、

不安や恐怖や絶望や、

・・・様々な濃い反応本音達が自分を

襲います。

 

これまで順調に成長してきた人も

そんな自分を体感することで、

自分は以前の自分に、・・・いや、

以前よりもさらに弱い自分に

なってしまったのではないか、と

自己不信に陥ります。

 

組織も同じです。

 

脱皮の段階にある組織には

ほぼ間違いなく、不調和が

連続して起こります。

 

これまで体験したことのないような

望まない現実が次々に

起こります。

 

もうこの組織はダメではないか、と

絶望感が湧いてきます。

 

そんな時に私はいつも

強調します。

 

「今は、思いっきり不安定でいてください。

絶望したままでいてください」

と。

 

「その不安定さに対策を打たないでください。

絶望のままでいてください」

と。

 

そのままでいると、

その不安定さと絶望感は

どんどん増殖します。

 

不安定と絶望感に

自分が飲み込まれそうになります。

 

でも、飲み込まれれば良いのです。

抗わずに、そのままでいるのです。

 

すると、

その不安定さと絶望感を完全に

「味わい尽くす」ことで、

これまでの自分からは想像もできないような

自分が(組織が)

何かをベリっと破いて、

現れるのです。

 

それは突然、

訪れます。

 

脱皮が成された瞬間です。

 

私は、

コーチの役割とは、

こういった脱皮を貫徹するために

見守り続けることだと思っています。

 

脱皮の最中、

コーチは何も手を出しません。

 

脱皮とは、

その人本人にしかできないことだからです。

ここで、

他人が干渉するとその瞬間に

脱皮は失敗に終わります。

 

脱皮が上手くいかないと、

その人(組織)は、

殻の中に閉じこもったままになります。

しかし、

体は大きくなっていますから、

その殻が窮屈でしょうがなく、

これまでの自分として生きることそのものに

苦痛を感じ続けます。

 

つまり、

これまで通りの自分(組織)でいること自体が

苦痛となるのです。

 

恐らく、

企業がきちんとそういった脱皮を

繰り返せば、

その企業は、永続的に発展し続けるでしょう。

 

その脱皮を放棄してしまうので、

企業は衰退していきます。

 

木村さんと弓江さんの

新規事業プロジェクトチームは、

最初の脱皮に取り掛かろうと

していたのです。

 

その脱皮をきちんと貫徹するために

この二人コーチングの場が

必然的に設定されたということです。

 

これが、今回の二人コーチングの

真の意味であると

明確にわかったのです。

 

つづく

 

試行錯誤のない「順調」はない

「物事が順調に進む」

とは、私は

「順調に試行錯誤ができている状態」

であると考えています。

 

試行錯誤には、

・意味のある試行錯誤と

・無意味な試行錯誤

があります。

 

無意味な試行錯誤とは、ほとんどの場合

その人が自己満足で繰り返している

試行錯誤です。

それを繰り返したところで、

何の進化も発展もありません。

 

進化発展があったと、

本人が自己満足するだけです。

 

逆に言えば、

物事の進化と発展のためには、必ず

意味のある試行錯誤が

存在しています。

 

よく、

「真本音で進めば物事がスムーズに進む」

と、私は書かせていただいていますが、

その真の意味は、

「意味のある試行錯誤を続けることができる」

ということです。

 

つまり、結果だけでなく

そこに至るまでの過程(プロセス)も

私達の真本音は大事にしているということです。

 

そういった意味で、

木村さんと弓江さんの新規事業プロジェクトは

意味のある試行錯誤を続けた

と言えます。

 

それを私は確信したのです。

ですから、

 

「新規事業プロジェクトは

ここまで順調だったということです。

実は、何の問題もなかったのです。

そして、ここまで順調だったからこそ、

この場があるのです。」

 

・・・と申しました。

(→前回記事)

 

特に木村さんは、失敗もありましたが、

順調にここまで進んできたということです。

その失敗こそが、必要な試行錯誤だった

ということです。

 

まぁ、そういう「失敗」は

「失敗」とは言いませんが。

 

そして・・・。

 

新規事業プロジェクトは順調にきたからこそ、

壁にぶち当たったのです。

 

順調に来なければ決して遭遇しない

壁まで来たのです。

 

その壁を、一言で表現すれば、

 

『脱皮の壁』

 

となります。

 

人も組織も、

比例直線的には成長(進化)しません。

 

人や組織の成長(進化)とは、

階段状に進みます。

つまり、

緩やかな勾配で進み、

ある時に、階段をステップアップするための

段差にぶち当たります。

 

段差にぶち当たったら、

それを乗り越えなければなりません。

しかし、

それを乗り越えることができれば、

1ランク、ステージがアップします。

 

これまでの延長線上にはない、

新たな次元と視界と能力が

開けます。

 

この段差にたどり着くためには、

しっかりと意味のある試行錯誤を

繰り返さなければなりません。

 

これをちゃんとして来たので、

新規事業プロジェクトは今、

「段差」の下にいるのです。

 

そして、これから「段差」を乗り越えるのですが、

「段差」とは非常に怖いものです。

怖いが故に、人も組織も

この時点では、非常に不安定になるのです。

 

今、新規事業プロジェクトチームは

その不安定さが出始めている状態なのです。

 

以上のことを、

私は木村さんと弓江さんに

ご説明しました。

 

木村さんが言われました。

 

「では、その不安定さを

なくすための方策が必要なのですね?」

 

「いえ、逆なんです。

こういう時は、もっともっと不安定さを

自らに与えた方が良いのです。」

 

つづく

 

完全に意図を手放せば、素晴らしい展開が待っている

私はいつも、かなり綿密に

コーチングの準備をします。

 

今回のコーチングは、何の目的のために

何をすればよいか?

 

私は、どのような問いを投げ、

どのようなメッセージをプレゼントするか?

 

Aさんのコーチングがある前の日に、

私は以上のことを頭だけで考えるのではなく、

実際にシミュレーションします。

 

まるで目の前にAさんがいるかのようにして

前の日にAさんのコーチングを自分の中で

完了させてしまうのです。

 

それはイメージトレーニングに近いものが

あるかもしれませんが、

実はこれは、イメージトレーニングとは

本質的には異なります。

私はそれを、『実在コミュニケーション』と

呼んでいますが、

これについてはいずれ詳しく書かせていただくことに

なると思います。

 

なぜ、これほどまでに綿密な準備を

するのか?

 

その理由はたった一つです。

 

私の中から、すべての意図を手放すため

です。

 

これだけ綿密な準備をして行なったことを

私は、実際のAさんのコーチング時には

すべて手放します。

 

実は、準備をしっかりすればするほど、

簡単に、そして完全に、

手放すことができるのです。

 

意図を手放すために

準備するのです。

 

すると、実際のコーチングの場は

必ずと言ってよいほど、

私の意図を超えた、想像を超えた

素晴らしい展開になります。

 

意図を手放すということは、

完全に自由な状態になります。

 

私は、何物にも捕らわれない

完全に自由な状態として

クライアントさんと向き合うのです。

 

ですから、様々なことをキャッチしたり

クライアントさんと「一つ」になることも

できます。

 

これは私だけが持っている能力ではなく、

すべての人が私と同じようにすれば

同じ能力を発揮することができるでしょう。

 

木村さんと弓江さんの二人コーチングは、

そういった意味で、

完全に私の想定外の展開になっています。

しかしそれはつまり、

私が望んでいた展開です。

(→前回記事)

 

コーチングは、想定外になってこそ

コーチングです。

 

コーチの意図の範疇でのやりとりは、

コーチングとは言いません。

 

自分の意図の範疇でコーチングする人のことを

コーチとは言いません。

 

想定外の展開の中でようやく私は、

今回の木村さんと弓江さんの二人コーチングの

本当の目的に気づくことができました。

 

すべての雲が晴れた

感覚でした。

 

で、またもや思ったのです。

ここからが、この二人コーチングの

本番の始まりだ、と。

 

私はお二人に申しました。

 

「このままでは、新規事業プロジェクトが

成功しない、と3人ともが思っている

真の理由がわかりましたよ。」

 

「何ですか?」

弓江さんと木村さんの目が輝きました。

 

「新規事業プロジェクトは

ここまで順調だったということです。

実は、何の問題もなかったのです。

そして、ここまで順調だったからこそ、

この場があるのです。」

 

「・・・???」

 

つづく

 

一つになることで、すべてがどんどん晴れ渡っていく

木村さんと弓江さんの二人コーチング。

このままでは新規事業プロジェクトはダメになる、

という二人の危機感が

実は、根底にあることが明らかになりました。

そして、それを打開するためには、

根本的改革よりも、もっと簡単な何かを変えることが

重要である、

ということがわかりました。

(→前回記事)

 

「で、その方策は、

そろそろ弓江さんの中から

出てきそうですよ。」

 

「えぇ? 私からですか?」

 

私達は「一つ」になっていました。

そうなるともう、次に誰から発想が出るか?が

手に取るようにわかるのです。

 

私は弓江さんから、

「答えがわかりました」という空気感を

受け取っていました。

だから弓江さんに振ったのです。

 

「弓江さん、まずは表面的なことでよいです。

新規事業プロジェクトチームに関して、

何に違和感がありますか?」

 

「そういうことでしたら、

さっき木村リーダーが言われたことが

とてもしっくりきます。

つまり、真剣な人とそうでない人の差が

出始めているということです。」

 

「それは、弓江さんも感じるのですね。」

 

「はい、感じます。

さきほど木村リーダーがそう言われて

その通りだ、と思ったんです。」

 

「ではなぜ、真剣な人とそうでない人の差が

広がっているのでしょうか?

木村リーダーのリーダーシップに問題あり、

ということではなく、もっと表面的な問題は

ありませんか?」

 

しばらく弓江さんはじっと考えていました。

そして、ハッと頭を上げました。

 

「ペアが良くないです。」

 

弓江さんの説明によると、

新規事業プロジェクトは多くの場合、

二人ずつのペアを組んで

仕事に取り組んでいるようです。

 

その組み合わせが良くない、と

弓江さんは言っているわけです。

 

「今のペアは木村さんが

お考えになったのですか?」

 

「はい、そうです。」

 

「どのような視点から考えられたのですか?」

 

「2点から考えました。

一つは、能力面でお互いに補完し合えるかどうか?

ということ。

もう一つは、お互いに気が合いそうかどうか?

ということです。

私は、ベストの組み合わせだと思っていたのですが・・・。」

 

すると弓江さんが言いました。

「確かに私も、いい組み合わせだなと

思っていました。

でも、今ふと、違和感が出たんです。

なぜでしょうか。」

 

私は問いました。

「木村さん、今ここで改めてペアの組み方について

考えると、どんな感覚がします?」

 

「不思議なことに、

私も違和感しか出てきません。

なんででしょう?

理由がわかりません。」

 

この一言で私は

合点がいきました。

 

すべての意味がわかった気が

したのです。

そして、今回のこの二人コーチングの

真の意味もわかりました。

 

ようやく私の心の中が

スッキリと晴れ渡りました。

 

「なるほど、そういうことなんですね!」

 

と、今度は私が叫びました。

 

二人はキョトンとしました。

 

つづく

 

自分の反省点をとても嬉しそうに喋るようになる

「弓江さん、

これまでの木村さんは、リーダーとして

何をし続けてきたと思いますか?」

 

この私の問いかけに、弓江さんは

 

「あぁそうか。

木村リーダーは必死に、

火消しをし続けていたのですね。

大火事にならないように。」

 

と答えました。

(→前回記事)

 

それを聴いた瞬間に、

「なるほど!!」

と木村さんは叫んだのです。

 

弓江さんがびっくりして

木村さんを見つめます。

 

木村さんは、目を爛々とさせ

私を見つめました。

そして言いました。

 

「たけうちさん、

私は何かとんでもない勘違いを

していたようです。」

 

「どういうことですか?」

 

「私はチームのメンバーに成長してほしいと

心から思っています。」

 

「はい。」

 

「そのために、私なりに考えて

あらゆることをしてきました。

もちろん、間違ったこともしちゃいました。

良かったこともありました。

しかし、成果が出たかどうかは別として、

根元がおかしかったということに

今気づきました。」

 

「根元? それは何ですか?」

 

「はい。私は、

私が皆を育ててやる!

と思っていたんです。」

 

「あぁ、なるほど!」

と、今度は弓江さんが言いました。

「それ、すごくわかります。

そこです。私が違和感を感じてたのは。」

 

「そうなんです。

先ほどこのコーチングの場で、

プロジェクトのミーティングの司会を弓江にしてもらう、

ということを決めたじゃないですか。」

 

「はい。」

 

「実は、あの瞬間から、私の頭のどこかでは、

では、どのように弓江を司会者として育てようか?

という思考が始まっていたのです。」

 

「なるほど。それは疲れますね。」

 

「その通りです。

私がすべての人を育てなければならないと

思っていた。

そして私なりにそれをしていた。

そして私なりに、その責任を負おうとしていた。

責任感そのものは大事だと思いますけどね。

で、皆がまずい行動をすると、

・・・いや、まずい行動をとる前から、

火消しに走っていた。

それが私のリーダーシップだったんです。」

 

「なるほど、そういうことですか。」

 

ここで弓江さんが入ります。

「一見、木村リーダーは

みんなを引っ張って行っているように見えますが、

私から見ると、全然進んでいる感じがしなかったんです。

なんか、火消しばっかりしているようで。

問題が起こる前に問題を消す。

それ自体はいいんですけど。

でも、それって本当に木村リーダーのやりたい

チームなのかな?って。

私の知っている、ロックバンドの木村リーダーは

火消しどころか、みんなに油を注いでいる、

というか。笑」

 

「確かに、ロックバンドの時とは

真逆の私ですね。

さっき弓江は、チームメンバーが活きていない理由は

私のリーダーシップとは別の原因があるのでは、

と言ってくれましたが、

やはり私が原因のようですね。」

 

「いや、でも木村さん。

その件に関しては、そうでもないかもしれませんよ。」

 

「どういうことですか?」

 

「木村さんのリーダーシップを根本的に変える

ということよりも、もっと単純で現実的なことを

ちょっとだけ変えるだけで、

一気に好転するような感覚がありますが、

弓江さん、どう思います?」

 

「私も、なんかそう思えます。

答えはわかりませんけど。」

 

「何となく今回のこの二人コーチングは

弓江さんが責め、木村さんが反省する、

みたいな流れが多いですが(笑)、

そんなに深刻にならなくてもいいような

気がしてきましたよ。

木村さんは、メンバーを育てたいのでしょ?」

 

「はい。」

 

「それは大事にしましょうよ。

ただの手法の問題だと思いますよ。」

 

「そういうものですか。」

 

「チームの真本音は、

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

でしょ?」

 

「はい。」

 

「そういった木村さんの想いを

もっともっと成果として結びつけるために

何をどう変えるか?を見つけるだけでは

ありませんか?」

 

「なるほど。」

 

「で、その方策は、

そろそろ弓江さんの中から

出てきそうですよ。」

 

「えぇ? 私からですか?」

 

つづく

 

自律のないところに、調和は生まれない

弓江さんの直観的な問い、

「新規事業プロジェクトチームは、

このまま行けば、成功すると思われますか?」

 

これに私は直観的に

「成功しないですね。」

と答えました。

 

その答えを聴いて、弓江さんも木村さんも

何かが腑に落ちました。

(→前回記事)

 

この瞬間、私達3人は

本当に「一つ」になったと

私は実感しました。

 

実はこういった実感は

よくあることです。

こんな時私はいつも、

「すべては自分である」

という言葉に、とても納得します。

 

これは人数の問題ではありません。

 

クライアントさんが一人であろうと二人であろうと、

10人であろうと、100人であろうと、

「一つ」になるときには、本当に「一つ」になれます。

 

しかし、「一つ」になることで

皆がまったく同じ思考や意見を言うようになる

わけではありません。

 

「一つ」だからこそ、

各々の個性がさらに際立ちます。

そして、様々な意見が出ます。

 

しかしそれらの意見が「反発」や「争い」を生み出すことは

ありません。

すべてが「調和」という結果に繋がるための

意見です。

 

「調和」には、「迎合」や「妥協」は

一切ありません。

 

「強制」も「独裁」もありません。

 

本当に皆が納得する、「最善の答え」が

そこにあります。

 

個人個人から「最善の答え」が生み出されるのと同様に

チームにも「最善の答え」が必ずあります。

 

その答えに行き着くための、

最善の「試行錯誤」と「意見交換」が

「一つ」になることで行われます。

 

これは、各々の真本音度合いが高くないと

決して起きない現象です。

 

私はこの状態を

『自律調和』

と呼んでいます。

 

私がチームコーチングをする目的の一つが

この『自律調和』の状態を創ること

です。

 

そしてこの状態に入ると、

物事はさらに加速して進んでいきます。

しかもその時間は各々にとって

幸福感に満ち足りたものとなります。

 

それは例えば、オーケストラが

「一つ」になって最高の演奏をするときの状態と

本質的には同じでしょう。

 

私は弓江さんに問いました。

 

「なぜこのままでは、

新規事業プロジェクトは成功しないのでしょう?」

 

すぐに答えが返ってきました。

 

「今のチームは、

チームとしてまとまっていますが、

悪いまとまり方をしているからだと思います。」

 

「それは、どういうことですか?」

 

と問うと、今度は木村さんが答えました。

 

「人が活きていない。

誰も、最大のパフォーマンスを発揮していません。

というよりもむしろ、

みんな、死んでます。

お互いの力を打ち消し合っています。」

 

「その原因は?」

 

すると弓江さんが、ハッとしたような表情をされ、

次のように言われました。

 

「私はこれまで、原因をすべて木村リーダーの

リーダーシップにあると決めつけていました。

もちろん広義の意味ではそうだと思いますが、

もっと別の原因がありますね。」

 

その一言は、

私にとても伝わってきました。

 

すると、私の中に、別の視点からの問いが

浮かんできました。

私はそれを投げてみました。

 

「弓江さん、

これまでの木村さんは、リーダーとして

何をし続けてきたと思いますか?」

 

弓江さんは少し考えてから

言いました。

 

「あぁそうか。

木村リーダーは必死に、

火消しをし続けていたのですね。

大火事にならないように。」

 

つづく

 

一つになるからこそ、生まれる展開がある

木村さんは、

西畑さんのエンティティを

簡単に浄化できました。

(→前回記事)

 

それにより木村さんの真本音度合いは

さらにアップし、場の次元も高まったのを

私は感じ取りました。

 

であれば、この場を

さらに活用しよう、と思いました。

 

ただし、

私はもう、二人には何も具体的な問いは

投げません。

その必要はないからです。

 

「西畑さんのエンティティの件が完了したところで、

いかがですか、また何か喋りたくなっていることは

ありませんか?」

 

またしても、

弓江さんから「喋りたい空気感」が

伝わって来ました。

 

「弓江さん、まだ喋りたいことが

ありそうですね。」

 

弓江さんは笑いました。

 

「まだあります?

ちょっと待ってください。」

・・・と、心の中を探っています。

 

「喋りたいこと、というよりも、

たけうちさんにお訊きしたいことがあります。」

 

「何です?」

 

「新規事業プロジェクトチームは、

このまま行けば、成功すると思われますか?」

 

その瞬間、私に直観がありました。

私はそれをそのまま口に出しました。

 

「成功しないですね。」

 

その答えを受けて弓江さんは

言われました。

 

「なぜかすごく納得します。」

 

「弓江さん自身も、まずい、と

思ってるんでしょ?」

 

「はい。どうやら思っているようです。」

 

そこで、木村さんも入って来ました。

 

「実は私も、何となくそう思っていた、

ということに今、気がつきました。」

 

「恐らく、3人ともが本当はそう感じていて、

そのために、今日のこの場があるのでは

ありませんか?

今、自覚しましたけど。」

と私が言うと、

二人とも、大きく頷きました。

 

どうやら、ここまでが準備段階だった

ようです。

 

ここからが本当の本題だったようです。

 

しかし、このような展開になることは

二人はおろか、私も想定していたわけでは

ありません。

 

しかし、このような展開は

よくあることです。

 

お互いがしっかりと向き合い、

真本音度合いを高め合うことによって初めて

「ここにいる」本当の意味がわかるのです。

 

「どうやらここからの話こそが、

今日の目的のようですね。」

 

二人はまた大きく

頷きました。

 

私達はこの時、

完全に「一つ」になっていました。

 

コーチングやチームコーチングの場において

よく私が感じることなのですが、

目の前の二人は、

私そのものでした。

 

姿と個性と人生経験と能力の違う

私そのものでした。

 

3人の私がこれから

対話をするのです。

 

つづく

 

なぜ苦しい? その答えは、進まない、から

「進む人」と「進まない人」。

 

今、私達人間の傾向は、

この二つにクッキリと分かれています。

 

どれだけ意識の次元が高くても、

進まなくなってしまった人がいます。

 

逆に、どれだけ意識の次元が低く未熟でも

前に進もうとする人もいます。

 

今の自分がどのレベルにいるか?

ではなく、

進むか? 進まないか?

それこそが、とてつもなく重要であると

私は最近、強く実感しています。

 

人は、進む生き物です。

 

「進む」ということを一つの形として

現したものが、人であるとも言えます。

 

逆に言えば、

進まなくなった人は、もう人ではない、

人としての本質を捨ててしまっている、

と言っても、本当は言い過ぎではありません。

 

それを最もよく理解しているのが

私達の「本能」です。

 

私達の「本能」は、進むために存在しています。

ところが、

進むことを放棄してしまうことで、

私達は、本能的に、自分自身のことを

嫌います。

 

自分のことを嫌うことで

大量発生するのが

エンティティです。

 

「進む」と言ってもそれは

苦しいことではありません。

 

私達人間は、

川の流れに身を委ねているような

存在です。

 

流れに身を委ねれば、

自然に進んで行くのです。

 

むしろ、進むのを放棄するということは、

川の流れに逆らいながら、

その場に必死に留まろうとする行為です。

その方が間違いなく不自然ですし、

苦しいのです。

 

しかし、にも関わらず

止まってしまう人がいます。

 

本当は、進むことこそが気持ちが良いのに、

今の自分に執着しすぎてしまっているのです。

 

流れに逆らうことによって

大量発生するのが

エンティティです。

 

エンティティを大量発生させてしまった人は

そのエンティティが気持ち悪く、

エンティティを消そうとします。

 

自らのエンティティと戦うのです。

 

しかしエンティティとは、

消そうとしたり、戦おうとすることで

逆に反発するかのように増大します。

 

その負の循環から

抜け出せなくなります。

 

西畑さんはその状態にあり、

その西畑さんのエンティティを

木村さんは受け取ってしまっていました。

 

エンティティから解放されるための手段は

ただ一つ。

そのエンティティを、愛することです。

 

それにより、

エンティティは浄化されます。

 

以前にこのブログでも書かせていただきましたが、

「愛」とは行為ではありません。

 

「愛」とは、エネルギーそのものです。

 

分離しているものが、

一つになろうとするときに自然発生する

エネルギーです。

 

そのエネルギーは誰もが

持ち合わせています。

 

しかしそのエネルギーを実際に

発揮できるかどうかは、

その人が「進む」かどうか?によります。

 

進むのを放棄している人からは

愛というエネルギーは発せられません。

 

進む人は、それだけで

愛のエネルギーは出ます。

そして、

次元を高めれば高めるほど、

そのパワーは2次曲線的に増大します。

 

私は木村さんに、

「木村さん、

その西畑さんのエンティティを

愛せますか?」

と問いました。

(→前々回記事)

 

恐らく、二人コーチングの開始直後の木村さんなら

嫌がっていたでしょう。

 

しかし、弓江さんとの二人コーチングの時間を

過ごすことにより、

木村さんの真本音度合いは一気に

高まっていました。

 

ですから木村さんは何の躊躇もなく

言われました。

「愛せますよ」と。

 

であれば、あとは簡単です。

 

「木村さん、

木村さんの愛は、どこから出やすいと

思いますか?」

 

「・・・そうですね。

右手かな?」

 

「であれば、右手を背中か肩か、

最も苦しい部分に当てることはできますか?」

 

木村さんは左肩の辺りに右手を

当てました。

 

「ここだと思います。」

 

「では、右手から

愛のエネルギーをエンティティに

注いであげてください。」

 

「はい。」

 

ほんの20秒くらいでしょうか、

ふっと、木村さんの全身が軽くなった感覚が

私に伝わって来ました。

と同時に、

「もう終わった気がします」

と木村さん。

 

これでもう、エンティティは

浄化されました。

 

「木村さん、

気分はいかがですか?」

 

「なんか、

すごく全身が軽くなりました。

自由になれた感じがします。」

 

これにより、

木村さんの真本音度合いは

さらにアップしました。

 

つづく

 

今、生まれ変わろうとしている人が、実に多いのです

人生には節目があります。

 

生まれ変わる、という言葉がありますが、

実は私達の人生には、何度も

その「生まれ変わり」の瞬間が訪れます。

 

一度、これまでの自分をすべて「リセット」し、

まったく新たな自分として、

人生を再スタートさせる。

 

そのように、自分自身の真本音が決めている

瞬間であり、

それは人生において、何度もあることではないのですが、

何度かは、必ず訪れます。

 

その節目において、

しっかりと、生まれ変わることができるかどうか?

 

つまりは、

これまでの自分を一度、リセットできるかどうか?

 

それがその後の人生の展開を

大きく左右します。

 

ただしリセットと言っても、

それは現象レベル(現実レベル)の話では

ありません。

 

今の職を辞めなさいとか、

離婚しなさいとか、

友達付き合いを変えなさいとか、

そういった現実レベルのことではありません。

 

あくまでも、心の問題です。

私の言葉で言えば、

「心の中の実在を変える」

ということです。

 

ところが、この生まれ変わる瞬間を

逃してしまう人が多いのです。

 

これまでの自分に執着してしまうのです。

 

これまでの私はこうだった。

このようにすれば上手くいった。

だから、これからもその通りでいたい。

・・・と。

 

せっかく、生まれ変わるチャンスが来ているのに、

それを自覚しないどころか、

執着をすることで、何も変わらない、

という人が多いのです。

 

そうなると、どうなるか?

 

人生の「苦しみ」の度合いが

一気に深まります。

 

そしてそれが、現象化(現実化)します。

 

これまで、何となく上手くいっていたことが、

突然、上手くいかなくなった。

 

これまで、誤魔化し誤魔化しできたことが

まったく通用しなくなった。

 

これまで、後回し後回しにしてきたことが

どうにも逃げ道がなくなった。

 

そのような現実が目の前に現れる場合は、

自分がこれまでの自分に執着してしまい、

生まれ変わりのチャンスを逸しようとしている

わかりやすい合図です。

 

もしそういった現実が目の前に

あるのであれば、

今からでも遅くはありません。

「生まれ変わろう」と決めることが

とても重要です。

 

なぜこのようなことを書くかと言いますと、

今その「生まれ変わり」のチャンスに

恵まれている人が、

かつて私が経験したことのないくらいに

多いからです。

 

みんなが同時に生まれ変わろうとしているのかな、

と強く実感します。

 

恐らくですが、

この2017年の内に生まれ変わり、

2018年から、新たな自分として再出発しようと

真本音レベルで決めている人が

多いのではないでしょうか。

 

ですから、ここのところの私のコーチングは、

生まれ変わろうとしている人が、

きちんとこれまでの自分を手放せるように

サポートすることが主になっています。

 

これまでの自分を

手放すのです。

 

これまでの自分のパターンを

手放すということです。

 

心の中で強く

決めるだけでも良いのです。

 

「私は生まれ変わる」と。

 

そして、

これまでの自分の経験やパターンに捕らわれず、

ただただ、目の前に展開する「現実」に

ありのままに向かい合ってみてください。

 

自分の思考によって

物事の判断をすれば、これまでの自分に

捕らわれてしまいます。

 

そうではなく、

「現実」と向かい合おうと決めた上で、

自分の中から生まれる直観を大事にしてください。

 

その直観は、

「え〜っ? そんなことできないよ」

と思われるものかもしれません。

 

これまでの自分のパターンからは

考えられない行動の取り方かもしれません。

 

でも、その直観に素直に

なってください。

 

それが、生まれ変わる、ということです。

 

今回はちょっと

木村さん、弓江さんの二人コーチングのお話は

お休みです。

 

どうしても今、書かねばと思いましたので、

生まれ変わりについて

書かせていただきました。

 

明日からまた、

木村さんストーリーに戻ります。

 

つづく

 

無理に夢は描かない方がいい

「夢を持つといい」

とよく言われます。

 

「夢を持ち、それに向かう人生が

素晴らしい」と。

 

確かにそうかも知れません。

 

しかしその「夢」とは

真本音であることが重要です。

 

反応本音レベルの「夢」であれば、

それを大事にし、

それに向かう努力をすればするほど、

ストレスが発生します。

 

そして、「夢」に生真面目に

向かう人であればあるほど、

そのストレスは密度を増し、

いつの間にか、エンティティが発生します。

 

つまりその場合、

夢を持つことで、その人は

苦しみの人生を歩むことになるのです。

 

ですから私はいつも

申し上げます。

 

「無理な夢は描かない方がいい」と。

 

「夢」というものは、

真本音で「今日を生きる」ことの連続により、

自然に「顕在化」します。

 

「顕在化」と書いたのには

理由があります。

 

「夢」とは、もともと私達の中に

私達の真本音の中に、

確かに存在しているものだからです。

 

存在しているのに、自分で気づいていない。

・・・それが多くの人の状態です。

 

逆に言えば、

存在しているのだから、

それを掘り起こせばいい、

ということになります。

 

そして、掘り起こすためには、

今この瞬間を、

今日というこの一日を

真本音で生きることです。

 

これをする人は、

普通に、当たり前に、自然に

夢がわかります。

夢に向かう人生となります。

 

それは決して

力こぶを入れるような

「がんばり」を必要とするものではなく、

ただただ単純に、純粋に、淡々と

そこに向かっていくだけのことです。

 

ただし、

そんな毎日に入れば、

人の心は、常に満たされた状態となります。

 

本当の夢とは、

それを実現できたかどうかよりも、

それに向かう一歩一歩こそが

幸せだからです。

 

しかしそれが真本音の夢であるならば、

それは必ず実現しますけどね。

 

真本音で今を生きれば、

真本音の夢が見つかり、

真本音の夢が見つかれば、

今を、満ち足りた自分として

自然に生きることができる。

 

要するに、そういうことになります。

 

私は、

それこそが「普通の人生」であると

思います。

 

「普通の人間の姿」であると

思います。

 

その「普通」を

すべての人がすればいいのに、

と思うのです。

 

そんな「普通」を取り戻すことが

私のコーチングの目的の

重要な一つです。

 

さて、

エンティティのお話に戻りますが、

エンティティとは、

そういった「普通」ではない状態の時に

発生します。

 

ほとんどの人から私はエンティティを

受け取るのですが、

ということは、ほとんどの人が

「普通の人生」を生きていない

ということでもありますね。

 

西畑さんという人は、

そういった意味で、

「普通の人生」の真逆を行っている

のかも知れません。

(→前回記事)

 

そして木村さんも、

真本音度合いが下がってしまう時は、

「普通の人生」の真逆を

行ってしまう傾向にあります。

 

しかもその二人の「傾向」が

似通っていたために、

悪い意味での「共感」をしてしまい、

西畑さんのエンティティが

木村さんに乗り移る、ということが

どうやら起きているようです。

 

以前に西畑さんと面談した時、

彼は木村さんのことを

「同志です」

と言いました。

 

しかし、木村さんに張り付いた

西畑さんのエンティティに意識を向けると、

木村さんは、

「お前を引きずり落としてやる。

そう西畑のエンティティは言っています。」

と言われました。

 

西畑さんが嘘を言っているわけでは

ありません。

彼は、顕在意識では本当に

「同志である」

と思っているのです。

 

しかし、彼自身が「普通ではない生き方」を

してしまっているために、

「普通の生き方をしよう」としている木村さん、

・・・つまりは、真本音度合いを高めている木村さんに対して

「羨ましい」というところから、

「引きずり落としてやる」

というエンティティを生んでしまっているのでしょう。

 

実はこのパターン、

非常に多いです。

 

組織においては、

このパターンのエンティティを除去するだけで、

チームの雰囲気が大きく変わる、

ということが、これまでは何度もありました。

 

さぁ、ではまずは、

木村さんを西畑さんのエンティティから

解放させてあげなければなりません。

 

私は木村さんに言いました。

 

「木村さん、

その西畑さんのエンティティを

愛せますか?」

 

つづく

 

自分のことは決してわからない、・・・それが人間かも

人は、

自分のことを理解していません。

 

それは、本当に多くの人達と向き合い続けた中での

私の現場での実感です。

 

いえ、私だって、自分のことを

理解できていません。

 

私は、「セルフコーチング」というものについて

本当に探究をし続けてきました。

ある意味、毎日24時間、セルフコーチングについて

考え、探究し続けている、と言っても

決して言い過ぎではありません。

 

セルフコーチングとは

自分と向き合うことです。

 

自分としっかり向き合うことによって

自分の中にある「本当の答え」を

見出します。

 

そのセルフコーチング力を、

いかにすれば高めることができるか?

を探究し続けてきました。

 

そんな私でも、

何日も答えの見出せなかったことを、

私以外の別の人と5分くらい話すだけで

えっ?とびっくりするくらい意外な答えを

見つけることが、今だにあります。

 

私自身が見つけられなかった答えを

人から指摘されることもあります。

 

その度に思うのです。

 

本当に人っていうのは、

自分のことがわからないのだな、と。

 

いえ、ひょっとすると

「自分のことをわからないように、

わざと創られている」のが

私達人間ではないか、

それは、私達人間にとって、

とても大事な要素なのではないか、

とさえ思います。

 

ですから私はよくお伝えします。

「自分のことをわかったつもりに

ならない方がよいですよ」

と。

 

「自分のことは自分が一番理解できない」

くらいに思っていた方がいいですよ、

と。

 

しかしそれを受け入れた途端に、

人生は、より楽しいものになります。

 

「自分」という理解不能な存在と

ずっと寄り添い続けるのが人生。

その、面白さを実感できるように

なるのではないでしょうか。

 

エンティティとは、

自分のことを理解できない、という意味では

最後まで理解不能のものの一つ

かも知れません。

 

エンティティは

誰にでも、あります。

 

私はコーチングをしていて、

クライアントさんからエンティティを受け取らない

日は、ほぼありません。

 

例えば、

もの凄く、人を大事にされている人の

コーチングをすると、決まって、

人に対する恨みや憎しみや

人を陥れてやろう、という意図に基づいた

エンティティを受け取ります。

 

かと言って、

その人の「人を大事にする」というのが

嘘である、ということではありません。

その人は、本当に

人を大事にされているのです。

 

でも、エンティティは

その真逆のものが発生したりします。

 

これがある意味、

私達人間の面白さなのかも知れません。

 

木村さんと弓江さんの二人コーチング。

その場で、

木村さんが、西畑さんからもらったエンティティと

向き合っている場面に戻りましょう。

(→前回記事)

 

どうやら、木村さんの肩から背中にかけて

西畑さんのエンティティが

張り付いているようです。

 

そのエンティティに意識を向けた時、

木村さんはそれを

「西畑が私にしがみついている」

と表現しました。

 

「その、しがみついている西畑さんは

何か喋っていますか?」

 

と私が問うと、

木村さんは言われました。

 

「お前を引きずり落としてやる。

そう西畑のエンティティは言っています。」

 

つづく

 

これを「幽霊」と言うのかも知れません

エンティティは、多かれ少なかれ、

必ず誰もが持っています。

まったく持っていないという人は

恐らく1%もいないでしょう。

(→【取り憑いているものとは何か】)

 

しかもエンティティとは、

人から人へ伝染する、まるで

風邪のウィルスのようなものです。

「物質である」と言ってもよいでしょう。

 

霊感の強い人は、

これを「幽霊である」と認識するかもしれません。

 

でもその「幽霊」は、

どこかしこに、存在しています。

あって当たり前のものです。

 

そして、何かの「共鳴」が起こることで、

かなり強烈なエンティティが

人から人に乗り移ります。

 

西畑さんから木村さんには

何か強烈なエンティティが移動しやすい、

という傾向にあるわけです。

(→前回記事)

 

その「共鳴」とは恐らく、

反応本音レベルでの二人の共通の

パターンによって引き起こされています。

 

私は以前に西畑さんと一度、

面談をしました。

(→【この人のことは、あきらめよう】)

 

そこで感じたのは、

西畑さんの心の中にある強烈な

「面倒臭い」という反応本音の塊です。

 

それは、

「人生は面倒臭い」とか

「生きることが面倒臭い」という

かなり根本的な面倒臭さでした。

 

こういった人は、

無意識レベルで、「現実逃避」に入ります。

 

常に、「現実逃避」した状態で

生き続けます。

 

それにより、真本音度合いを著しく

減退させます。

 

西畑さんと面談した時、

私はその傾向があまりに強く感じられたので、

西畑さんそのものを何とかしようという方向性を

あきらめたのです。

それよりも、

木村さんをもっと強くすることで結果として

西畑さんに好影響を与えようと

判断しました。

 

一方の木村さんも、

彼の反応本音レベルのクセが強く出ると、

彼は、イケイケどんどんになるか、

逆に、ウジウジした引きこもり的になるか、

その両極端を行き来していました。

そうなっている時の彼は

「現実逃避」の塊であると言ってもよいでしょう。

 

つまりその「現実逃避」の生き方に関して

西畑さんと木村さんは「共鳴」をしてしまい、

西畑さんの生み出したエンティティは

木村さんに乗り移っていく、

という現実を引き起こしていたのでしょう。

 

私はこういったこともすべて

この二人コーチングの場で、

木村さんにご説明しました。

 

「かなり納得します」

と木村さんは言われました。

 

西畑さんの「現実逃避ぶり」を

ある意味最もよくわかっていたのは、

木村さんだったかも知れません。

 

そして今、

木村さんの背中に、わずかですが

西畑さんから移ってきたエンティティが

張り付いているようです。

 

彼はそこに意識を向けました。

 

「どうですか?

そこに意識を向けると、

何か見えますか?」

 

しばらく木村さんは黙っていましたが、

「なんか、西畑が私に

しがみついている姿が見えます」

と答えました。

 

それはかなり的確な表現でした。

 

実は私にも、

西畑さんが木村さんにしがみついているような

感覚が伝わってきていたからです。

 

「その、しがみついている西畑さんは

何か喋っていますか?」

 

と私が問うと、

木村さんは恐ろしい一言を

言いました。

 

つづく

 

「一つ」になれば、質問すら要らなくなる

これからは弓江さんが

新規事業プロジェクトチームのミーティングの司会を

「コーチ」として行なうことが決まりました。

(→前回記事)

 

木村さんと弓江さんの二人コーチングは

さらに続きます。

 

もうこの頃になると、

私達3人は完全に「一つ」になっています。

 

もちろんそれは感覚的なものです。

 

でも私は、二人の呼吸が

手に取るようにわかるようになっていました。

 

そんな時、私はいつも

あえて私が「問い」を創ることをやめてしまいます。

そして、

次のように言葉をかけたりします。

 

「ここまでの流れとまったく関係なくてもよいので、

何か喋りたいことはありますか?」

 

・・・と、二人に投げます。

 

すると、自然に「喋りたい空気感」が

どちらかから伝わってきます。

 

今回は弓江さんから伝わってきました。

 

「弓江さん、

何か喋りたいことがあるのでは?」

 

そう言われて弓江さんは最初、

「え〜、何か私、喋りたがってます?」

と言いましたが、ふと、思い出したように、

「あっ、あります!」

と答えました。

 

「全然関係のないことなのですが、

それでもいいですか?」

 

「はい、大丈夫ですよ。」

 

「木村リーダーって、西畑さんとお話しすると、

いつも何かおかしくなりません?

何かに取り憑かれたようになる、というか・・・。」

 

そうでした。

 

私が、木村さんと弓江さんの二人コーチングを

しようと思った直接のきっかけは、

西畑さんからの「エンティティ」でした。

(→【取り憑かれるのは普通のこと】)

 

どうやら木村さんが西畑さんから

強烈なエンティティを受け取っているらしい、ということを

弓江さんの「観察」によって私は知ったのです。

 

私は、エンティティについて、

二人に詳しく説明をしました。

 

その話を聴いて木村さんは、

「とてもよくわかります」

と言われました。

 

「西畑と喋った後は、なぜがいつも

すごく疲れるんです。

私は彼とは仲がいいし、気も合うと思っているのですが、

なぜか時々、すごく疲れるんです。

まぁ、何かの偶然なんだろうな、と思っていました。」

 

「いつも、体のどの辺りが

疲れますか?」

 

「・・・そうですね。

肩から背中にかけて、ドーンと重くなると言うか。

鉛が乗っかっていると言うか。」

 

「今はどうですか?

その感覚はあります?」

 

木村さんは、ジーッと肩や背中に

意識を向けているようでした。

 

「何となくですが、

ちょっとだけ重い感じがします。」

 

「あぁじゃあ、今も少しだけ

エンティティが憑いているかも知れませんね。」

 

「ホントですか?」

 

「はい、ちょっと見てみますか?」

 

つづく

 

確信を持った指示は、押しつけでもいい

木村さんは、新規事業プロジェクトチームの

真本音を「理念」として言語化することが

できました。

 

それが、

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

です。

(→前回記事)

 

言語化することで、

自分自身がこの理念に外れる行動をとっていたことを

木村さんは自覚しました。

 

彼は、とても清々しい表情で

「自分は間違っていた」

と言いました。

自分が正しいとか間違っているとか、そんなことよりも

真本音の理念を見つけ出した喜びの方が

大きかったのでしょう。

 

もちろん、弓江さんも喜びました。

 

木村さんが「間違っていた」と言った時、

弓江さんは、「そうでしょう!」と相づち。

そして二人で笑い合いました。

 

いい感じです。

 

すかさず私は次の問いを投げました。

 

「弓江さん、

弓江さんは木村さんをサポートするために

何をすればよいですか?」

 

「えっ?」

 

「今ならわかるのではありませんか?」

 

弓江さんは少し目を瞑って考えました。

 

そしてこう言ったのです。

 

「木村リーダー、

私は木村リーダーに何をすれば

サポートになりますか?」

 

この一言。

 

これは本当に木村さんには嬉しかった

ようです。

 

「えっ、そう言われてもなぁ・・・。」

と言いながら、とても嬉しそうな表情。

 

「木村さん、

ここはしっかり考えて、弓江さんに

指示を出してください。

真本音の指示を。」

 

しばらく木村さんは考え、

言いました。

 

「私と一緒にミーティングの場を

創ってください。

弓江さんにミーティングの司会を

お願いします。」

 

これには弓江さんが驚きました。

 

「えっ? 私が司会ですか?

いや、私は司会の経験はありませんし、

向いていないと思います。」

 

「いや、私は弓江さんに司会をしてもらいたい。

それが、とてもいい気がする。

たけうちさん、どうです?」

 

私は大賛成でした。

 

「実はね、木村さん。

弓江さんにはコーチの才能があるんですよ。」

 

「そうですか!

実は今、私も何となくそんな気がして。

私は以前、自分がプロのコーチになるなんてことを

言っていましたが、私なんかよりも

弓江の方がいいかな、って思ったんです。」

 

さすが木村さんです。

 

「弓江さん、私が弓江さんに司会のやり方を

教えますので、やってみませんか?

司会というよりも、チームコーチングのコーチ役

ですよ。」

 

最初、弓江さんは「え〜っ?」と言いながら

拒んでいましたが、

木村さんが、「これはリーダーとしての指示です」

の一言で、あきらめました。笑

 

「そのかわり、しっかりと事前準備をしましょう。

ミーティングの目的と、

そこでどのような問いを投げるか?を

しっかり準備しましょう。

その上で、あとはアドリブでやればいいんです。

コツはすべて私が教えます。」

 

ということで、弓江さんは司会をやることに

なりました。

 

今思えば、これが本当に

運命の分かれ道でした。

 

司会をすることで弓江さんは、

本来彼女が持っていた天性の力を

ぐんぐん発揮することになります。

 

彼女こそ、

プロのコーチと言ってもよいくらいの

力を持っていたのです。

 

つづく

 

チームの理念は、できあがってから言語化する

「たけうちさん、

私はどうやら間違っていたようです。」

 

木村さんは、そう言われました。

(→前回記事)

そう言いながらも、その彼のあまりの清々しい表情に

一瞬私は惹き込まれました。

 

彼は続けました。

 

「弓江はいつも、このチームの真本音の視点から

意見を言い続けてくれていたんです。

それがようやく今、わかりました。」

 

チームの真本音

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

 

弓江さんは常に、この視点を持ち続けた

唯一のチーム員であると、

木村さんは言われたのです。

 

これには弓江さんも納得されました。

 

「そうです。

言われてみれば、私はいつも

それを大切にしていました。

このチームの真本音と別の行動を見る度に

苛立っている自分がいました。

特に、木村リーダーが外れた行動をとると

イライラが止まりませんでした。」

 

このチームの真本音は木村さんが

表現した言葉です。

しかしそれは木村さんの「解釈」の言葉

ではありません。

 

つまり、木村さんの言葉でありながら、

木村さん一人の言葉ではありません。

 

こういったことが、真本音度合いが高まりますと

当たり前のように起こります。

 

チームの真本音というのは、

そのチーム員全員が自然に生み出します。

それは最初は言葉にはなりません。

しかしチームが真本音度合いを高めながら

一つになっていくと、自然にそれが

言語化されるようになります。

 

それこそが、そのチームにとっての

本当の「理念」です。

 

木村さんのチームには、その理念が

言葉ではなく、すでに「何となく」できあがっていました。

それはそれだけチームが一体化した証拠です。

 

その「何となく」できあがっていた理念を

木村さんは、あるがままにキャッチし

言語化したのです。

それが

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

ということでした。

 

ですので、これは木村さん一人のものでは

ありません。

「みんなのもの」を木村さんがキャッチしただけ

ですので、弓江さんが共感するのは当然なのです。

 

今回は、木村さんのチームを例にして

お話しさせていただいていますが、

私は常に、このような理念の創り方を

大切にしています。

 

チームに理念が醸成される前に無理に

理念を言語化して創るのではなく、

無意識レベルで、チームに真本音の理念が

醸成されるのを促し、

それができた時点で言語化する、という

ステップです。

 

それをすれば、本物の理念になります。

皆の魂が入ります。

 

そして、やはり私は

チーム(組織)の理念は、言語化することを

お勧めします。

 

なぜなら、

言語化することで、簡単に意識を向けることが

できるからです。

そして言語化することで、

それが、本当に真本音によるものならば、

私達の心は非常にスッキリします。

これまでの迷いやモヤモヤが

払拭されるからです。

 

この時の木村さんが

まさしくそうでした。

 

チームの理念を言語化することで、

彼は、自分の中の淀みに気づいたのです。

 

そして、チーム員の中で、

最も理念に対して淀みない心で向き合っていのが

弓江さんであるということに気づいたのです。

 

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

 

「私はこれと真逆のことをしていたかも

知れません。」

 

と木村さんは呟きました。

 

つづく

 

覚悟を持てば、すべてが観える

「覚悟」という言葉があります。

 

辞書をひきますと、

いろんな意味が書かれていますが、その中に

 

「迷いを脱し、真理を悟ること」

 

とあります。

 

私はこれまでコーチングの場面で、

クライアントさんの「覚悟の目線」というのを

数多く拝見してきました。

 

その人が覚悟を持った瞬間に現れる

独特の目線です。

 

独特の目の輝きもあります。

 

覚悟を持った目(目線)は非常に清々しく、

私は、その目(目線)と向き合うたびに、

人の本質的な強さと素晴らしさを

体感します。

 

そういった意味で言えば、

毎日当たり前のように

覚悟の目(目線)を持ちながら生きている人も

います。

 

そんな人とは

一緒にいるだけで、癒されます。

 

人は、「覚悟」を持つと

楽になります。

人生を生きることそのものの根源的な

「楽」を得るのです。

 

逆に言えば、覚悟を持たないからこそ

悩み苦しむと言ってもよいでしょう。

 

覚悟を持てない状態から、

覚悟を持てる状態へ。

それが、私のコーチングの重要な一つの

目的です。

 

木村さんと弓江さんの二人コーチング。

(→前回記事)

 

その中で、ついに木村さんが

覚悟の目(目線)を見せました。

 

新規事業プロジェクトチームの真本音は

 

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

 

・・・と、木村さん自らが見出した瞬間にです。

 

その時の彼の目を見たときに、私は

彼を覆っていた何物かが壊れた、

もしくは、取り払われたことを知りました。

 

木村さんの発する空気感と言いますか、

エネルギーと言いますか。

そういったものがグワッと私に向かってきました。

 

それはとても心地良いものでした。

 

と、次の瞬間、

木村さんは、フッと肩の力を抜きました。

 

彼は、微笑みました。

 

そして言ったのです。

 

「なるほど。弓江の言う通りです。

弓江さん、君はやっぱり凄いよ。

君の凄さが今、ようやくわかったよ。」

 

弓江さんは、目を白黒させました。

 

「たけうちさん、

私はどうやら間違っていたようです。」

 

そう言って彼は

びっくりするような素敵な笑顔を見せました。

 

あぁ、本当の木村さんが開放されたな、と

私は直観しました。

 

つづく

 

次元を高めなければ、見出せないものがある

皆さんは、「次元が上がる」という体験を

されたことがあるでしょうか?

 

企業現場でも

「なんか、今回の会議、いつもと次元が

違ったよな」

とか

「この事業部は絶対次元が高いよな」

とか、

本当に時折ですが、社員さん達が自然に

「次元」という言葉を使っているのを

聴くことがあります。

 

チームコーチングをやっていますと、

実は、毎度のように私は次元の高まる瞬間を

体験しています。

 

あまりにも急激な高まりの場合は、

私の体全体がフワッと無重力状態のように

浮き上がる感じさえします。

 

実際にある時の研修では、

私は講義中に一瞬倒れそうになりました。

それくらいに、

一気にそこにいる皆さんの次元が

上がったのです。

 

次元が上がると、

心が開放されるのと同時に、

そこにいる他の皆さんとの繋がり感が

一気に深まります。

 

わかりやすい体験で言えば、

コンサートやライブで

演奏者(ミュージシャン)とお客さんとが

一つになることがあります。

演奏者同士が完全に一つに繋がってしまうことも

あるそうです。

 

それに近いです。

 

が、そのような特殊な空間や、何かに熱狂しないと

訪れないもの、でもありません。

 

単純に言えば、

真本音度合いの高い人と向き合っていると

自然に次元は上がって行きます。

 

次元が上がれば、

発想が変わります。

 

それにより、これまでずっと答えの出なかった難問の

答えが突然見出せたりします。

 

例えば、

AかBか?で悩んでいたことがあったとしても、

次元が高まると、

「そんなのはどちらでもいいじゃん」

という気持ちになり、

AかBか?から解放され、

その結果、これまででは及びもつかなかった答えに

行き着きます。

 

迷いが迷いではなくなります。

葛藤がなくなります。

 

真本音度合いの高まりは、

自然に次元を高め、

それにより、これまでとは全く別次元の

発想と行動を生み出します。

 

それを組織やチームで起こしていくのが

チームコーチングの本質です。

 

ちなみに、

次元にはいくつかの階層があります。

その具体的な解説も、いつかこのブログで

書かせていただくつもりです。

 

さて。

 

木村さんと弓江さんの二人コーチング。

 

弓江さんが真本音の想いを

静かに語ったことで、

場の次元が一気に高まりました。

(→前回記事)

 

ここからがチームコーチングの

本番です。

 

弓江さんが言われた想いについて、

私はあえて木村さんにその返事を

促しませんでした。

 

あれだけの想いを弓江さんは語ったのですから、

それについてしっかりと返事をすることが

礼儀であり、かつ、誠実さであると

「一般的には」

思いますが、

次元の高まった状態では、それよりも

大切なことがあるのです。

 

弓江さんの言葉により、

明らかに木村さんの心の扉が開きました。

それを感じ取った私は、

すかさず、木村さんに問うたのです。

 

「木村さん、

新規事業プロジェクトチームの真本音

は何だと思いますか?」

 

「チームの真本音、ですか?

それは、チームの方針ということですか?」

 

「いえ、すでに決まったいる方針のことを

今は言っているのではありません。

一人一人の個人と同じように、

チームや組織そのものにも、真本音はあります。

正確に言えば、

個人の真本音は最初からありますが、

チームの真本音は、最初はありません。

しかしそのチームを構成する人達が

自然発生的に生み出すことができるのです。

どうでしょうか?

もう新規事業プロジェクトチームには

真本音が生み出されたのではありませんか?」

 

すると木村さんは

直観的に答えました。

この直観が、ほしかったのです。

 

「いえ、もうすぐ生み出せると思いますが、

まだその直前にいます。

まだ、このチームに真本音はできあがっていません。」

 

「でも、それが何か?はわかるのでは?

チームの真本音を言語化すると、どうなりますか?」

 

木村さんは少し目をつぶりました。

そしておもむろに開け、

 

『全員がチームの代表として

お客様と向き合う』

です。

 

と答えました。

 

その瞬間、木村さんは私をまっすぐに見つめました。

その彼の目の輝きを見て、

危うく私は涙をこぼしそうになりました。

 

つづく

 

心を開き合うだけでは足りません

木村さんと弓江さんの二人コーチング。

(→前回記事)

 

二人とも短時間でオープンマインドと

なりました。

場の空気があたたかくなってきました。

 

ここで私は一気に場の次元を上げることを

しました。

普通では、なかなか投げない質問を

あえて弓江さんに投げました。

弓江さんの真本音の高まりを感じ取った

からです。

 

「弓江さんの人生の目的は何ですか?」

 

虚を衝かれた弓江さんは

一瞬、フリーズしました。

 

しかしさすが弓江さんです。

これまでの私のやりとりの中で、

私の無茶振りに慣れてきていたようです。

こういった時は何も考えず

ただ口を動かせばいい、というコツを

すでに掴んでいました。

 

彼女はとっさに答えたのです。

 

「リーダーのサポートです。」

 

答えながらも、弓江さん自身が

その答えに驚いていたようでした。

 

「どんな意味かわかります?」

 

と私が問うと、

 

「私はずっと探してるんです。

自分が全力でサポートしようとするリーダーを。

それは仕事の上、だけでもない気がします。

例えば私の人生のパートナーとなる人とか。

私は、自分がサポートしたい人を見つけ、

その人を全力でサポートしたいのだと思います。」

 

考えて言葉にしているわけではありません。

言葉が溢れ出ている感じです。

自分で答えながら、自分で驚いている、

という状態です。

 

実はこれは日常茶飯事です。

特別なことではありません。

自分自身が抑えていた想いや願いは、

ほんのちょっとしたきっかけでフタを開け、

一気に溢れ出ることがあるのです。

 

ただしそれができるのは、

真本音度合いが高まっている時に

限ります。

 

「弓江さん、

目の前にいる木村リーダーは、

弓江さんが全力でサポートしたいリーダーですか?」

 

私は単刀直入に訊きました。

 

「はい、そうです。」

 

と答えながら、

弓江さんは目に涙を浮かべました。

 

「でも、今の私には、それをするだけの力が

ありません。」

 

木村さんは茫然とその様子を

見ていました。

 

「木村さん、

実はこれが、弓江さんの真本音です。

弓江さんは真本音で木村さんをサポートしたいと

思ってるんですよ。」

 

「は、はぁ・・・。」

 

「でもね、弓江さん。

木村さんに言いたいことがあるのでしょ?

せっかくなので、全部言っちゃいましょうよ。」

 

弓江さんは、肚を決めたように

喋り出しました。

 

「今の木村リーダーは、全然木村リーダーらしく

ないんです。

私は、木村リーダーがロックバンドをしているのを

ライブで見たことがあります。

あぁこれが、この人の本当の姿なんだと感動しました。

でもそれが全く仕事では出ていません。

特に、新規事業プロジェクトが始まってからは。

いい子ちゃんリーダーになってしまっている感じが

するんです。

でも、私は木村リーダーを尊敬しています。

木村リーダーがあのロックバンドのような姿を見せれば、

みんなついてくると思うんです。

私は、そんな木村リーダーになってほしい。

そのために私ができることがあるなら、

何でもしたいと思ってるんです。」

 

涙を流しながら、

しかし静かに彼女は語りました。

 

その瞬間、

私は、その場の次元が一気に高まったのを

感じました。

 

これは私独自の感覚なのかも知れませんが、

次元が一気に高まると、

私はその場全体がまるで霧がかかったように

真っ白に見えるのです。

と同時に、何かが開放された感覚がします。

 

弓江さんの顔も、木村さんの顔も

何か憑き物が落ちたような自然さが

漂いました。

 

さぁ、実はここまでが準備段階です。

 

私はこの状態にしたいのです。

 

次元が高まることで、

私だけでなく、その場にいる全員が

真本音コミュニケーションを

自然にできる状態です。

 

ここからが

チームコーチングの本当の意味での

スタートなのです。

 

つづく

 

素直になるだけで、物事はどんどん進みます

木村さんと弓江さんの二人コーチングを

しています。

(→前回記事)

 

私が木村さんに、

最近の新規事業プロジェクトの様子を訊くと、

彼は

「実績が上がって来たのは順調だと思いますが、

本当に真剣な人とそうでない人の差が

出始めていますね」

と答えました。

 

これは非常に面白い視点です。

 

私はさらに木村さんに問いました。

「例えば、真剣な人はどなたですか?」

 

すぐさま彼が答えました。

「弓江です。」

 

目の前の弓江さんが

びっくりしたような表情をされました。

 

この素直さ。

 

ここまでの段階で結構、

弓江さんから責められていた木村さんでしたが、

素直に彼の答えが、ポンっと出ました。

 

間違っても、これは彼のその場しのぎの答え

ではありません。

本当に素直に出たのです。

これが、

真本音度合いの高まった人同士の会話の

特徴です。

 

「弓江さんの、どんなところが真剣ですか?」

 

「目的を忘れないところです。

何のために今、これをしているのか?をいつも

大事にしています。

そしてそのための意見を私に言ってくれます。」

 

どうやらこれは、弓江さん自身が本当に

大事にされていたことのようです。

彼女の表情が一気に柔らかくなったのが

わかりました。

 

何度も言いますが、

もしこの言葉を木村さんが建前で言っていたとしたら、

それはすぐに感覚としてわかってしまいます。

二人コーチングの場は、

「向き合っている場」だからです。

 

木村さんの素直な言葉であるからこそ、

弓江さんの表情は柔らかくなりました。

 

「では、木村さんの言われる真剣さ、というのを

別の言葉で表現するとどうなりますか?」

 

「主体的であることです。

自分で考え、自分で行動する、ということです。」

 

「弓江さんは主体的なんだ。」

 

「そうです。ですから、ありがたいです。

弓江の存在は。」

 

これも本当に心の底からのつぶやきでした。

 

もともと、私が弓江さんのコーチングを行なうきっかけと

なったのは、木村さんが弓江さんの存在を

「疎ましい」と思い、いっそのこと自分がリーダーを辞めよう

とまで思ったのがきっかけでした。

 

そんな木村さんだったのに、真本音状態になれば

まったく別の顔を覗かせます。

 

実はこれもよくあることです。

 

「弓江さん以外の人は、

その点、どうですか?」

 

「はい。人によって主体性は異なります。

主体性の高い人はいます。

でも残念ながら、そうでない人も出てきました。

私は、悩みました。

主体性のない人に主体性を取り戻してもらうために

どうすればいいか?と。」

 

「もともとは主体性のある人達だったんですよね?」

 

「はい。そういったメンバーが集まってますから。

でも恐らく、プロジェクトが発想段階から実行段階に

移ることで、未経験なことに向かうことに対して

恐怖感が出てしまっているのでしょうね。」

 

「なるほど。」

 

「そこで私が私なりに出した答えが、

まずは、皆が自信を持てるようにすることでした。

そのために、自分が指示を出し、実践してもらい、

何らかの成果を上げる。

そういった経験が彼らに必要だと思いました。」

 

「あぁそれで、木村さんがすべてを決めて

皆を動かしているわけですね。」

 

「実はそうなんです。」

 

ここで、弓江さんに振ります。

 

「弓江さん、

この木村さんのお話を聴いていかがですか?」

 

「本当に失礼な言い方になってしまいますが、

あぁそこまで考えていらしたんだ、と思い

ちょっと嬉しくなりました。」

 

この言葉は、言葉だけを見ると

かなり上から目線の失礼な言い回しなのですが、

これを口にしている弓江さんは

本当に嬉しそうな表情でしたので、

思わず場はホッコリとしました。

 

しかし弓江さんは続けます。

 

「木村リーダーの意図はわかりました。

ある意味、私もそれが大事かな、とも思います。

でも本当に、それだけで良いでしょうか?

私は、一度受け身になってしまった人は

そのクセが抜けなくなってしまうと思うんです。」

 

「なるほど。

では、どうでしょう?

弓江さんには、何か良いアイデアはありますか?」

 

「う〜ん。

それがわかればいいんですが。

私は木村にはいつも文句を言うのですが、

だからと言って対策を提案できるわけではないんです。

ただの評論家になっています。

それが、もどかしいんです。」

 

今度は、弓江さんが少し素直になってきました。

 

木村さんの表情が柔らかくなりました。

 

場が良くなってきました。

二人ともがオープンマインド状態です。

真本音度合いが高い人同士ですと、

この状態になるまでが早いのです。

 

ですから私は、まずは

一人一人の真本音度合いを高めることを

大切にしています。

あくまでもその上での

チームコーチングです。

 

さて、ここからが本番です。

 

場が良くなってきたところで、

私は、少し強めの刺激を二人に与えることにました。

 

ここからが

本当のコーチの腕の見せ所です。

 

つづく

 

その二人でしかできないコーチングがある

木村さんと弓江さんの

二人コーチング。

(→前回記事)

 

一人のコーチ(つまり私)が、

二人を同時にコーチングします。

 

これがチームコーチングの

基本です。

 

私はまず、あえて弓江さんに問いました。

 

「弓江さん、

最近の新規事業プロジェクトの様子は

いかがですか?」

 

思った通り、即座に答えが返って来ました。

 

「止まってます。」

 

えっ?という意外な表情を

木村さんがされました。

 

スタートから面白い展開になりました。

 

面白いので私はあえて

木村さんに振りました。

 

「止まってるんですか?」

 

「えっ? いや、あの・・・。」

 

木村さんは動揺を隠しませんでした。

 

実は、新規事業プロジェクト自体は

順調に進んでいることは私も聴いていました。

 

ですが、弓江さんがそのように答えるということは

それとはまた違った視点からの

見え方があるのでしょう。

 

それをそのまま弓江さんに質問すればよいのですが、

ここがチームコーチングの面白いところ。

あえて、木村さんに振ったのです。

 

それにより、

一人一人の個別コーチングとはまた違った

展開が生まれます。

その展開こそが、

個別コーチングでは決してたどり着けない

何らかの気づきや答えに行き着きます。

 

「私は止まっているように思えないのですが、

なに、・・・今止まってるの? どこが?」

と木村さんは弓江さんに問いました。

 

すでに二人の会話が始まりました。

 

弓江:「えっ? 止まってますよぉ。」

 

木村:「どこが?」

 

弓江:「わからないんですか?」

 

木村:「・・・わからないよ。進んでるでしょ。」

 

弓江:「じゃあ逆に訊きますが、

何が進んでいるのですか?」

 

木村:「実績も出始めているし、

決めたことはみんなやるし。」

 

弓江:「誰が決めてるんですか?」

 

木村:「えっ? そりゃ俺が決めてるよ。」

 

弓江:「でしょ?

木村リーダーが決めていることを

みんなやってるだけじゃないですか。

それのどこが進んでるんですか?」

 

木村:「どこって・・・。」

 

やはり予想通り、

弓江さんが木村さんを責める状態となりました。

 

恐らく、木村さんが最も嫌な展開なのでしょう。

 

ここで私が割って入りました。

 

「弓江さん、

弓江さんにとって、進まない、というのは

どういうことですか?」

 

「進歩がない、ということです。

同じレベルのことを、ただダラダラとやり続けることです。」

 

「今は、そう見えると?」

 

「はい。

みんな、木村が言う通りのことしか行なっていません。」

 

ここで木村さんが何かを話そうとされましたが、

あえて私はそれを止めました。

 

「もう少し、詳しく教えていただけますか?」

 

「はい。以前はみんなでいろいろな意見を

出し合ってたんです。

もちろんすべてが手探り状態でしたから、

意見を出し合わなければ進めないという

ところもありました。

でも今は、いろんなことが軌道に乗り始めて、

会議をしても、木村リーダーがほぼすべてを決めて、

メンバーはそれを実行するだけ、になっています。」

 

「それはあまり良いことではないと?」

 

「だって、木村さんはそういうチームを創りたいのでは

ないでしょう?

みんなが主役になって引っ張っていくチームにしたいって

言われていたじゃありませんか。

今はみんな受け身です。」

 

ここで木村さんに振りました。

 

「木村さん、いかがですか?

今の弓江さんの見方については?」

 

「う〜ん、確かにそうかもしれないが、

今はみんなで発想するよりも、

決めたことを確実に実行することが

大事だと思っていますし・・・。」

 

どうも木村さんは、弓江さんを前にすると

発言が弱腰になります。

 

この弓江さんからの発言は、恐らく

今の木村さんや新規事業プロジェクトにとって

本質的な提言でしょう。

テーマとしては重要だと感じました。

 

が、あえてここで、

展開を大きく変えます。

 

「では、この件はとても重要そうなので、

後でゆっくり話し合ってみましょう。

もう一度、最初の質問に戻りますが、

木村さん、

木村さんから見た最近の新規事業プロジェクトの

様子はいかがですか?」

 

「はい。

実績が上がって来たのは順調だと思いますが、

本当に真剣な人とそうでない人の差が

出始めていますね。」

 

この言葉を聴いて、

これは面白い! と私は思いました。

 

恐らく、ここまでの弓江さんとのやりとりがなければ

出てこなかった発言かもしれません。

 

しかもこの彼の着眼点は、

弓江さんの提言と後々に統合しそうです。

 

これこそ、チームコーチングの

醍醐味です。

 

つづく

 

それは本当に必要な厳しさなの?

厳しさ、

とは何でしょうか?

 

学生の頃、私は登山をやっており、

一人の登山仲間にこの質問を投げてみました。

 

彼は答えました。

 

厳しさとは、

やさしさである。

 

これは今でもかなり

本質をついた答えだなぁ、と

私は思います。

 

本当の厳しさを自分に向けることは、

自分自身への本当のやさしさです。

 

しかし、

本当の厳しさを自分に向けている人が

どれだけいるでしょうか?

 

自己満足の厳しさ

の人はたくさんいます。

 

つまり、

厳しくする必要のないところで自分に厳しくし、

それを乗り越えることで

自己満足しています。

 

そういった人は、

真本音度合いが著しく減少します。

 

こんなに厳しくしているのだから

いいじゃないか。

・・・そんな言い訳をしながら生きています。

 

自分を誤魔化しています。

 

だから人とも向き合えなくなります。

 

自己満足の厳しさを自分に与えているうちは

どんな人と向き合っても

調和は起こりません。

 

ですから私は

本当の厳しさを自分自身に向けることが

できる状態になるまでを、

まずは一人一人サポートします。

 

本当の厳しさとは、

「本当は今、自分は、どんな現実(課題)に

向き合えばいいか?」

をきちんと明確にすること。

 

そして、自分の状態がどのようなものであっても

毎日真摯にその現実(課題)に

立ち向かうことです。

 

こうやって書くと、

それは本当に厳しい感じがするでしょうが、

実は、これをすると私達人間の心は

明らかにパワーが溢れます。

 

内側から力が湧いてきて、

いつも満ち足りた状態になります。

つまり、

幸せなのです。

 

ですから、

本当の厳しさを自分に与えることのできる人は

本当に純粋に

「楽しい」

と実感します。

 

それこそが、自分にやさしくする

ということではないでしょうか。

 

厳しさとは

気持ちよいものなのです。

 

これが、

真本音で生きる、ということでもあります。

(→前回記事)

 

木村さんは最初、

本当の厳しさと自己満足の厳しさの区別が

ついていませんでした。

ですから、

「プロコーチになる」などという

自己満足のビジョンに向かったりしました。

 

でも徐々に

「自己満足は気持ち悪い」

ということが、感覚としてわかるようになりました。

 

そこまで来れば、

充分に人と調和することができます。

 

一方の弓江さん。

彼女が今、向き合うべき現実(課題)は

木村さんだったのです。

 

彼をサポートすること。

それが弓江さんの最重要課題です。

 

ようやくこの二人が

向き合える状態となりました。

 

私はワクワクしながら、

二人コーチングの場に臨みました。

 

つづく

 

人は愚かだ、ということを受け入れよう

時々、私は

「たけうちさんは性善説ですよね?」

と訊かれます。

 

私がいつも真本音の話ばかりを

しているからでしょう。

 

いえ、私は性善説では

ありません。

 

人は、愚かです。

 

私は断言します。

 

人は、愚かです。

 

自分自身を含めて、私は人の愚かさを

嫌というほど、見たり、体験してきました。

 

愚かさということで言えば、

私ほど愚かな人間はいないのではないか、と

本気で思ってもいます。

 

しかしそれは

「すべて」ではない。

 

それは、自分の一部です。

 

人の一部です。

 

人には、素晴らしい部分も

愚かな部分も、

あらゆるものが詰まっています。

 

それらをすべて、あるがままに

受け取ることのできる人こそが、

真の強さを手に入れることができます。

 

いえ、「強さ」と言うと

だいぶ本質から離れてしまうかな。

 

自分がどうであろうと、

環境がどうであろうと、

希望を持とうが、

絶望に打ち拉がれようが、

関係なく、

次の一歩を淡々と、

自分の本当にすべきことを、

し続ける。

 

自分の本当にしたいことを、

し続ける。

 

それが、

真本音で生きる

ということです。

 

愚かでもいいではないか。

 

私には私のすることがある。

 

だからそれをする。

 

・・・このシンプルさ。

 

これが、

真本音で生きる

ということです。

 

すべての人が悲しみを

抱えています。

 

すべての人が怒りを

抱えています。

 

それをそのまま人にぶつけてしまう、

そんな生き方もあります。

 

でもそういった悲しみや怒りを

そのまま受け止めて、

何も否定せずに受け止めて、

しかしそれに捕らわれることもなく

次にすべきことをする、

という生き方もできるのです、

我々人間は。

 

それができている人は、

常に、心も魂も満たされています。

 

そういった生き方ができるといいな、

そういった生き方をサポートしたいな、

・・・それが私の想いです。

 

人はもっともっと

人間らしく生きられるはずです。

 

人間らしく生きる、とは

真本音で生きる、ということです。

 

真本音で生きる、とは

特別な人生を生きることではありません。

真に自分らしく

真に人間らしく

生きるということです。

 

それができれば、

すべてが調和します。

 

組織は調和し、

社会も調和します。

 

「調和させよう」と思いながら生きても

調和はしません。

 

「真の自分として生きよう」

とすることで、調和は

自然発生するのです。

 

私は、「チームコーチング」というサポート手法を

使います。

 

それは、これまでの企業現場の中で

自然に培われてきた手法です。

 

私にとっては当たり前のように使ってきた

手法なのですが、

どうも、世の中にはそういった手法が存在していないのだ、

ということに気づき始めました。

 

なぜこの当たり前のやり方が

世の中には存在していないのか?が

不思議でなりません。

 

しかし存在していないのであれば、

多くの人にお伝えした方がよいですね。

 

単純に今は、そう考えています。

 

チームコーチングの基本は、

「二人コーチング」

です。

(→前回記事)

 

二人を同時にコーチングする

のです。

 

これができるようになれば、

もっと多勢でのチームコーチングも

可能になります。

 

ただし、

二人コーチングは、いつでもどこでも

できるわけではありません。

 

二人の準備が

必要です。

 

つまりは、二人がそれぞれ

自分の真本音の人生を歩み始めること。

それがなければ

本当の調和は訪れないからです。

 

木村さんと弓江さんの話に戻せば、

私は二人の調和性は抜群であると、

認識していました。

 

しかし、それは二人共の

準備ができる

ことが前提です。

 

準備ができる前に二人を同時にコーチングしても

二人ともを打ち消し合ってしまうでしょう。

 

ですからチームコーチングとは

「始めるタイミング」

が命です。

 

ここが、コーチとしての腕の

見せ所です。

 

私は、「今」が

木村さんと弓江さんの「二人コーチング」の

始まりの時だと確信しました。

 

私は二人を呼び出しました。

 

木村さん、

弓江さん、

私。

 

3人でテーブルを囲みました。

 

「準備完了」。

二人の真本音からは

そんなメッセージを受け取った

気がしました。

 

つづく