ある島があった

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空中に
島のようなもの

浮かんでいる。

行く当ての
ないような。

ただ
漂い、彷徨って
いる。

意志は
ないのか?

なさそうだ。

強い風が
吹けば、
すぐにどこかに
飛んで行きそうだ。

幻影かな?


思ったが、

よくよく
目を凝らすと

実在
だった。

実在なのに
意志が
感じられない。

興味を持った
私は
しばらくそれを
観察した。

それが
風に流されれば
私もそれに
ついて行った。

それは
いつになっても
何もしようと
しない。

意志そのものも
やはり
見せない。

ところが、
その島の中に、
たくさんの人々の
存在を
感じるように
なった。

どうやらその
人々は
私の存在を
気にし始めた
ようだ。

躊躇や戸惑い、
そして
ある種の
罪悪感のような
ものを
私は感じ取った。

ははぁ〜、
そういうことか。


少しみえてきた。

彼らはその島に
隠れているのだ。

きっとその島は
安穏とした
場所なのだろう。

何もしなくても
ただ
そこに存在している
もの。

何の苦もなく
咎められることも
ない。

きっと彼らは
自分の人生を
放棄している。

と、すると
この島は
何だろうか?

なるほど。

これは多分、
休憩所のような
場所だ。

自分の人生を
進む者達が、
少しの間、
自身を休め癒す
場所だ。

島自体も
そういった者達
との共生によって
エネルギーを
得ていたのだろう。

そしてきっと
以前には
意志もあった
はずだ。

ところが、
進まぬ者達が
隠れ場所として
使うようになった。

島のエネルギーは
奪われ、
意志も薄れ、
今まさに
消えようとしている
のだ。

だから一見すると
幻影に見えた
わけだ。

これは
いけないな。

私は島に
近づいて行った。

こらっ!

一喝しようと
思ったのだ。

が、
私がそれを
する前に、
彼らは
ピューッと
島から逃げて
行ってしまった。

まったく・・・。

あの俊敏さを
自分の人生を
進める方向に
活用すれば
いいのに。

あとに
残された島。

そこで私は
一休みした。

それによって
島も私も
少しパワーを
高めた。

この感じで
あれば、
この島も復活
できるだろう。

消えなくて
よかったな。

また時々、
寄らせて
もらうよ。

つづく

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