
大地の彼方に
雲間から差す
光が一点、
当たっている
場所が観える。
そこだけ
やたらと
目立っているし、
なんと言っても、
その光の中に
誰か一人
立っている。
立ちはだかる
という言葉が
ピッタリな
感じで。
目立ち過ぎ
だろうが、
と
思わず呟く。
もう少し
ささやかな
登場の仕方を
してほしい
ものだ。
と
笑う。
私は彼を
よく知っている。
のだと
思う。
彼も私を
見つけたようだ。
満面の笑みで
近づいてくる。
私は
冗談めかして
逃げるふりを
する。
・・・・・・
再会を
讃え合った後、
ようやく
落ち着いた
会話となった。
で、
どうだい
その後は?
その後は?
と訊かれても
どこからの
その後なのかは
わからない。
わからない
が、
私の口は
勝手に
答えていた。
まぁまぁ
だよ。
お前がくる
だけの
価値はある
状態には
なったよ。
そうか。
あの状態から
よくぞ
復活できたな。
まぁ、
慣れっこだ。
・・・と、
会話が
進む。
顕在意識の
私には
意味がさっぱり
わからないが、
まぁ、事実を
そのまま
述べている感は
あるので、
私は私を
放っておいた。
では早速、
準備に
かかるよ。
と
彼は言う。
いつでも
どうぞ。
と
私が答える。
その瞬間に
とても
懐かしい感覚が
甦ってきた。
そうそう、
これこれ。
この感覚。
これこそ
彼と私の
タッグの
始まりだ。
・・・・・・
きっと
長年の
パートナー
なのだろう。
今回は、
私が先行して
ここ、
に来た。
一人で
やれるだけの
ことはやり、
これから
本格参入だ。
・・・・・・
さてと。
と
彼が
拳を突き出す。
私は
私の拳を
それに合わせる。
いつもの
合図だ。
さぁ、
始めよう。
つづく