タクシーの
中。
近づくに
つれて、
丹田の辺りが
重くなってきた。
黒いモヤの
ような
重いものが
発生している。
なんだ
これは?
これから
お会いする
ある幹部社員さんの
顔が浮かぶ。
あ、あの人の
怒りだ。
それは
とても重い。
具体的な
原因は
もちろんわからないが、
この怒りは、
真本音の怒り
だと
言うことは
わかった。
これは
つらい。
その人は
人生でも屈指の
辛さの中に
いるはずだ。
そんな中でも
必死に
現実に
向かっている。
なんとか
せねば!
と
気負うのだが、
一方で
その人の
実在の声が
聴こえてきた。
私は
自力でここを
乗り越えます。
あなたは
ただ
伴走してくださる
だけで。
ただ
見守るだけで、
お願いします。
わかったよ、
と
小声で答える。
この人も
美しい生き様
だな。
つづく