私は夜の
静かな森の中に
いる。
周りは暗く、
鬱蒼とした木々が
さらに黒く
私を囲っている。
ただしそこに
怖さや不安はない。
ただ、
やすらぎがある。
私は地べたに
胡座をかき、
静かに上を
眺めている。
私の頭上には
満点の星々。
私を囲っている
木々の合間で
煌めいている。
星々を見つめながら、
私は無心になり、
星々の声を
受け取っている。
星々は
語る。
「だいぶ明るく
なれたけど、
我々はここからさらに
さらに
明るくなっていくよ」
と。
やっと
その気に
なれたのかい?
と私が返すと、
「最初から
その気だよ」
と
笑い返す。
「ただ、
時機を窺って
たんだよ」
と。
もう時機は
来たのかい?
と問うと、
「まぁ、
2020年にも
なれたしな」
と。
そうか。
と私は
何かを合点した。
私が
新たにすべきことは
あるだろうか?
とさらに
問うと、
「あなたはそのままで
いいよ」
と。
じゃあやっぱり
このまま行くか。
と
私は深呼吸した。
間違いない。
星々はもうすぐ、
このまま
明るさを増して行く。
そして
そのままこの世界は
昼になる。
新たな陽が
昇るのではない。
あの星々の
一つ一つが
太陽としての
明るさを発する。
今は暗いこの森も
すぐに
明るくなるのだろう。
私はあえて
ここを動かず、
このまま
明るくなるのを
待っていよう。
私自身は
もう
準備はできている。
とっくにね。
いつ
昼になっても
大丈夫だよ。
つづく