洞窟の中に
いる間は、
それがどれだけ
真っ暗闇でも
私達はそこに
いることが
当たり前になって
しまう。
暗闇に目が
慣れていれば、
そこでもいろいろな
ものが見え、
ちゃんと暮らせる。
もちろん
暗闇の中でも
幸せはある。
むしろ
暗闇の中でしか
見出せないような
幸せもあるだろう。
しかし、
突如として
出口が見え、
光が見え、
それがかなり
大きく近づいて
くると、
自分は
なんと暗い中に
いたのか。
自分は
どうしてあんな中で
満足して
いたのか。
という
気分になる。
もし実際に
出口から
外に出ることができ、
その開放感!
あたたかさ!
すべてが見える
喜び!
世界の広さ!
爽快さ!
を
全身で感じ取った
ならば、
なぜ私は
もっと早く出口に
向かわなかったのだろうか
と
自分自身を
呪うかもしれない。
洞窟の中。
洞窟の外。
どちらも
人生だ。
どちらにいるかも
その人の
選択だ。
もし
洞窟の外に
最初からいれば、
洞窟の中の世界など
知る由もないだろう。
洞窟にわざわざ
入ろうなどとは
一生思わないだろう。
いや、
洞窟の存在すら
知らないままかも
しれない。
洞窟の中の人生。
洞窟の外の人生。
どちらが
素晴らしいか?
などという視点は
私は必要ないし、
それは単なる
その人の解釈に過ぎない
と思う。
ただ一つ
思うのは、
人間である以上、
せっかくなので、
両方知る
と良いのではないか。
せっかく
人間なのだから。
両方知った人が、
私はあえて
洞窟の中で生きよう
と
決めるかもしれない。
実際に
そういう人も
確かにいる。
それはその人の
人生の道だ。
両方知った上で
自分で決める。
ちゃんと
自分で決める。
それが
人間ではないかな。
つづく