まるで
異空間にいる
ようだ。
見たことも
聞いたことも
ない場所。
ただポツンと
一人で。
孤独は
感じない。
むしろ
繋がりを
感じる。
でもやはり
私は一人だ。
上から下へと
何かが
流れている。
流れ続けて
いる。
その流れは
私に
直撃している。
かといって
ダメージはない。
揺らぐことも
ない。
むしろ
洗われる
感覚だ。
垂直に上を
見れば、
ある一点
がある。
そこから
すべてが始まった
のだとわかる。
私自身も
あそこから
来たのだ、
ここに。
でもやはり
ここは私にとっては
異空間だ。
私の本来いるべき
場所ではない。
だから
どれだけ居心地が
良くても、
もう
離れなければ
ならない。
上から下へ
流れ続けるその
何物かは、
私を必死に
引き止めようと
している。
しかし私は
それにも
揺らされない。
私がここに
いるのは
特別だ。
いつかは必ず
離れなければ
ならない。
であれば、
それは
今だ。
今、私は
ここから離れるよ。
上の一点に
向かって
そう語りかける。
悲しみの
雨みたいなものが
落ちてくる。
それも全身で
浴びる。
充分に味わった
上で、
私は
扉を開いた。
外に出た。
私はもう
ここには
帰ってこない。
しかし
これからはずっと
一緒なんだよ。
つづく