暗闇に
どんどん
沈んでいく。
底がない。
足元がない。
永遠に
沈んでいく。
虚無の
恐ろしさ。
しかし一方で、
とてつもなく
濃縮された
マグマの窮屈さも
感じるのだ。
押し潰される
感覚と、
何もなくなる
感覚。
一見すると
真逆な感覚が
同時に
私を襲う。
ひょっとすると
死
というのは
このようなものか?
と
脳裏をよぎる。
ザーッという
激しい音。
何かが
崩れるような。
根底から
砕け散るような。
あーこのままでは
私は無になる、
と
全身を強張らせた
のだが、
もはや力が
入らない。
完全に諦め
かけたところで、
ハッと
我に返った。
幻影ではなく
間違いなく
今のは
実在、だった。
なぜこのような
体験を?
と
自分に問う。
すると
いつの間にか
私は
自分自身の背後に
まわり、
私の背中を
見つめていた。
ただの体験じゃ
なくて、
マジで危なかった
のだぞ。
お前、いつも言うが、
本当にもう
無茶はやめろよな。
と、
私が私の背中に
伝えた。
同時に、
悲しみのような
心配のような
父親のような気持ちが
湧き上がる。
あぁそうか、
こんな気持ちに
させてしまったのか。
悪いことを
したな、
と
反省した。
戒めている
つもりなのだが、
ついつい
無理をしてしまう。
猛省。
もっと命を
大切にせねば。
つづく