ちょうど
「境目」
にいるとき、
私達は
独特の緊張と共に
独特の静けさを
得る。
何が終わるかも
わからず、
何が始まるかも
わからない。
しかし
「境目」にいるのは
わかる。
ここは
ずっと来たかった
場所であり、
かつ
ずっと怖れ続けた
場所でもある。
ここには
過去も今も未来も
なく、
分離しておらず、
時すらも
静かに一つのままに
私達と同じように
ここにいる。
「境目」なのに
なぜかここに
「中心」もあり、
その「中心」は
私達自身が
大事に抱いている。
そのうちに
「自分」と「世界」の
区別すら
なくなるのだろう。
すると
この緊張感も
消失し、
区別のなくなった
私達は
区別のなくなった
新たな「自分」として
ようやくにして
この「境目」を離れ、
先に進むのだろう。
まるで
夜が明けるように、
先に進むのだろう。
つづく