真一文字に
進む
龍がいる。
その龍を
私はいつも遠くから
眺めている
だけだった。
特に何の
感慨もなく。
ただ、
今は、
龍と一つになろう
という気持ちが
起こり、
一つとなって
みた。
それで
わかったことだが、
なるほど
龍は、
最もエネルギーの高い
方向へと
進んでいるのだ。
エネルギーの
波が、
激しい波が、
真正面から
襲いかかってくる
その方向へ。
それはまるで
激しい水流に
逆行するかのようだ。
気を抜けば
進むどころか
押し戻される。
押し戻される
どころか
粉々にされる。
そのような
抵抗に
真正面から
向かい続けているのだ。
確かにこれでは
誰もが
龍のカタチに
ならざるを得ないだろう。
全身を一直線に
伸ばし、
ただ正面突破のように
突進することにのみ、
全神経を
集中させる。
常に
エネルギー最大の
方に向かうので、
それはいつ終わるとも
知れない。
永遠の逆流。
しかし
龍の役目とは
この永遠の流れを
遡ることなのだ。
龍は
もだえる。
しかし
一直線は
崩さない。
まっすぐに
立ち向かい
続ける。
この
エネルギー最大の
方向にしか
「答え」は
ないから。
人は
龍になるために
自分を鍛える。
準備ができれば
龍になる。
垂直に昇る
龍になる。
つづく