コトリ
と
何かが
落ちる気配。
本当に
小さな
何かだ、それは。
にも関わらず、
その気配の
ほんの次の
瞬間、
すべてが
変わって
しまった。
正確に言えば、
すべてが変わった
ような
圧倒的な感覚が
あった。
すると、
つい先程まで
当たり前のように
目指してきた
ものが、
急にどうでも
よくなった。
つい先程まで
大切に守り続けて
きたもの達が、
急に意味を
成さなくなった。
スーッと
自分が消えて
いく。
何もわからなく
なる。
大地が
消える感覚。
何もなくなる
感覚。
ただ
喪失感のみ
残った。
・・・
これは決して
怖いことでは
ない。
一気に
次のステージに
ジャンプした
までのこと。
何も失って
いないし、
何も加わっても
いない。
ただ、
ステージが
変わったのだ。
今はまだ
何もない感覚
だろう。
すべてを
失った喪失感
だろう。
でも
それ自体を
そのままに。
あるがままに。
そうするのが
一番の
早道。
見せかけの
やりがいや、
見せかけの
夢や、
見せかけの
喜びを
持ってくる必要は
ない。
「私」
である必要も
ないのだ。
そのままで。
あるがままで。
何もない
ままで。
つづく