後ろの私

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後ろから
背を押してくる
自分自身。

よろめく。

転ぶ寸前で
踏ん張り、

負けるかよ!

大股に
足を出す。

何とか
バランスを
取るのだが、

次の瞬間、
また
押される。

何度も
転びそうに
なりながらも、

恐らくは
絶妙の強さでの
“押し”
なのだろう、

結局、
気がつくと、
最大スピードで
進んでいた。

今にして
思うのは、

こんなことなら
最初から
後ろの自分を
信じていれば
良かった、

と。

もっと素直に
委ねていれば
良かった、

と。

しかし
信じようが
信じまいが
変わらずに、

後ろの
私は、
私を押す。

そして、
これまでは
ずっと
なかったことだが、

ついに
後ろの私が
私に
笑いかけた。

そして
こう
話しかけた。

もう
要らんだろ、
俺。

おぅ
そうだな。


応える。

やっと
私も
自律、なのか。

つづく

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