長い道が
続いている。
視界は
広い。
遠くまで
見渡せる。
遥か先に
陽炎のように
都市が
浮かぶ。
ゆらめいて
いる。
遠いなぁ。
と、
つぶやく。
いったい
どれだけ
歩き続ければ
良いのか?
気が遠くなる。
足元に
目を落とす。
一歩
また一歩
と
確かに進んで
いる。
しかし
陽炎のような
あの
遠い都市は
ちっとも
近づかない。
もう
やめて
しまおうか。
とも
思うのだが、
私の足は
止まることは
ない。
一歩
また一歩
と
進み続ける。
私達には
それをするしか
ないでは
ないか。
止まれば
もう
そこで
終わりさ。
わかって
いる。
だから
止まらないんだ。
私達の
人生は、
間に合うのか?
人生の
終わりまでに
あそこまで
本当に
たどり着けるのか?
わからない。
でも、
今は
一歩を
進むしか
ないではないか。
では、
目はどこを
向く?
一歩先に
向けていようか。
次の一歩のみに
意識を向けて
その一歩一歩を
楽しむように
着実に
進むのが
最も良さそうだ。
確かにね。
だが、
それは
わかるのだが、
でも
私は
やっぱり
あの都市を
見続けるよ。
進んでいる感
は
ないし、
あまりの遠さに
気も遠くなるの
だが、
でも
私の目は
あそこに
向き続ける。
意地っ張り
か?
いや、
その進み方
こそが
私だと
思うから。
つづく