心の内面
には、
たくさんの自分
がいる。
数え切れない。
彼らが、
必死になって
なんやかんや
言い合いながら、
何か
準備をしている。
暗闇の
中で
一部分だけ
スポットライトが
当たり、
スモークの
ようなものが
立ち込めている。
その中で
踊っているようにも
見える。
皆、
バラバラな踊りだが。
時には
殴り合いに近い
やりとりも
あるようだ。
徹底的に
試行錯誤を
繰り返している。
が、しかし
「何か」は着実に
創られていく。
スポットライト
は
こちら向きに
照らされているので、
彼らの姿と
彼らが
創り上げている
ものは
よくわからない。
すべて
シルエットのみで
確認できること。
そしてついに
歓声が
上がった。
皆で
万歳を
している。
完成した
ようだ。
準備が
整ったのだ。
皆が
私の方を
向いた。
シルエットだが
それはよく
わかる。
私は彼らに
応えなければ
ならない。
その「何か」は
相変わらず
よく見えない。
しかし彼らは
私の答え・応え
を求めている。
ここでいつも
人生の選択
なのだ。
そのよくわからない
「何か」を
きちんと把握してから
答えよう・応えよう
とする選択肢と、
よくわからない
ままで良いから
今ここですぐに
答えよう・応えよう
とする選択肢。
私がこの人生で
取り続けたのは、
常に
後者だった。
一見すると
それは
無謀とも言えた。
しかし私は
彼らを
信じた。
本能的に。
よくわかってから
進むのでは
遅いのだ。
間に合わない
のだ。
今回も
そうだ。
これまで
見たことのない
巨大な
「何か」がある。
正直、
震える。
だが、
今回も
先延ばしには
しまい。
彼らが
自信を持って
私に奨めるならば、
私は
私の意志として
彼らに応え
答えよう。
「やるよ」
と。
つづく