虚無の向こうに

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この世の中
は、
儚く消えてゆく
もの
ばかりだ。

どれだけ
強く
見えたとしても。

それらの
ほとんどは
本当は
脆弱だ。

しかも
脆弱なもの
ほど、
強く見せようと
する。

皆、
騙される。

私も随分と
騙されたものだ。

騙されながら
世の中を
知っていった。

虚無。

心が
そんな状態に
何度も
なった。

でも一方で
人間は
虚無には
なりきれない。

徹底的に
虚無に落ちる
ことで、

底に
たどり着いて
しまう。

するともう
浮上するしか
ない。

浮上しても
現実は
変わらない。

でも
現実への
対し方は
変わる。

虚無によっても
絶望
しなくなって
しまった
自分。

麻痺か?

いや
違う。

ちゃんと
痛いし、
悲しいし、
虚しい、
から。

幻滅の人生。

私の人生は
そうだったとも
言えるんだよ、
ある視点から
見れば、ね。

もう
強がりは
よそう。

そのまま

いいじゃないか。

消えるものは
消え、
しかしそれでも
残るものは
残る。

虚無そのもの

そのうちに
儚く消える。

その後に
残るものは・・・?

あとは
本質だけが
残っているだろ。

それはここに
実在
しているだろ。

きっと
これだけは
ずっと
ここにある。

つづく

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