向き合えないな

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黒い竜巻の
渦のような
中に
その人はいた。

その竜巻が
私にも
来た。

これは
苦しい。

頭が痛く
なってきた。

これは
辛い。

こんな渦の
中にいては
何も
見えないじゃ
ないか。

何も
わからない
じゃないか。

その人は
まっすぐに
私を
見つめてきた。

側から見れば、
私達は
向き合っている
ように
思えただろう。

しかしそれは
形だけの
ものだ。

その人の
目は
確かに
私に向いている。

しかし、
目しか
向いていない。

激しい
ガード。

自分を
見せまいと
する。

残念だが、
そのガードを
かい潜ってまでも
その人との関係を
深めるだけの
時間もエネルギーも
今はない。

残念だな、

心の中で
深くため息を
つく。

もし私が
少々強引にでも
その人に
近づこうとすれば、

本当の意味で
向き合おうと
すれば、

その人は
渾身の力で
逃げようとする
だろう。

それが
見えているので
あえて今は
もう
そういうことは
しない、
と決めた。

とても
実績のある
人だ。

とても
活動的だし
エネルギッシュな
人だ。

どんどん
自ら道を
切り拓いている。

これまでも、
今も。

しかしそれは
本来の
彼ではない。

本来では
ないのに
これだけの
エネルギーを
出せるとは、

すごい
人だ。

すごい
人だが、
本来のこの人
ではない。

本当は
こういう人ほど
サポートさせて
いただきたいの
だが、

やめた。

今は
無理だな、
と。

この人は
自分をガードする
術を
身につけすぎて
いる。

近づけば
それは壊れる
が、

それを
壊しては、

この人は
自分自身が
壊れてしまう
恐怖を覚えるだろう。

そして
その恐怖と
向き合うだけの
準備が
まだ、
できていない。

覚悟が、
ない。

残念だな。

でも、
ご縁はこれで
できたのだ。

いつか、
できれば
近いうちに、

もっと
近づける日が、

向き合える
日が、

来ます
ように。

つづく

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