人々との時間

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雑踏の中で
ただ、
座る。

カフェとか
駅の構内とか。

周りでは
人々が
溢れている。

会話を
したり、
一方向に
流れたり、

流れが
混在して
混乱状態に
なったり。

この
まとまりのない

雑踏

というものが
結構、好きだ。

椅子に座り、
私はただ
その雑踏と
この世界を
感じる。

感じられる
全体に
意識を向け、

味わう。

昔は
こんなことを
自分がするなんて
夢にも
思わなかった。

私は人が
嫌いだったから。

こんなことを
するなら
一人で
山に登った。

誰もいない
自然の中で
一人で
座り、自然を
味わっていた。

今の私は
人を
味わう。

人の創り出して
いる
この場を
味わう。

この世界を
味わっている。

意識的に
こうして
椅子に座って
じっくり味わうことも
あるが、

本当は
24時間ずっと
味わい続けている
気がする。

こうやって
味わうだけで
生まれてきた
甲斐があったな、
とも
思うのだ。

・・・・・・

これをして
いると、

たまにであるが、

とてつもない
調和を
感じることが
ある。

調和のとれて
いる人、
もしくは
人達が、

近くにいる
のだ。

そうなるともう
私は
砂漠の中で
宝石を見つけた
ような
嬉しさを感じる。

逆に、
不調和な人は
多い。

澱んだ空気が
すぐ隣を
通り過ぎる。

すると
その人の孤独や
悲しみを
受け取ってしまう
こともある。

こちらも
悲しくなる。

だが、
こういったことも
全て含めて、

私はこの場を、
人を
味わっている。

・・・・・・

調和性の
高い人がいると、

思わず
目が合ってしまう
ことがある。

見ず知らずの
人。

だから
一瞬で目は
逸らすが、

その一瞬は
まるで
永遠のようだ。

知らない人
なのに
深く知っている
ような。

人間というのは
不思議な
存在だ。

つづく

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