最後の希望

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夜空に
たった一つだけ
星が
輝いている。

たった
一つだけ。

あとは
何もない。

月もない。

真っ暗闇。

一点だけ
銀色に
輝いている。

あそこは
中心なのか?

とも
思ったのだが、
どうも
そういうことでは
ないらしい。

それよりも

たった一つの
残された
希望

という
感じがした。

あとは全て
消えて
しまった。

かつて
星の数ほど
存在した
希望、達が。

永遠に近い
歳月を
経て、

一つ一つ
それらは
潰えた。

とうとう
最後の
一つ。

最後の
希望。

それを今、
私達は必死に
守っている。

いや、

守るだけでは
弱過ぎる。

あの輝きを
もっと
強めなければ。

より明るく、
より深く、

育てなければ。

もし
あれさえも
消えてしまったら
どうなるか?

は、
考えないで
おこう。

答えはあまりに
明白だから。

だから私達が
集中すべきは、

あれを
育てること。

昨日よりも
今日。
今日よりも
明日。

一歩ずつ
少しずつ
でも
育てること。

そのために
できることは
何でも
行なってきた。

もう
やり直しも
出直しも
できないのだ。

・・・・・・

自分の心臓が
確かに
動いていることを

確認する。

一定のリズムで
鼓動は
続く。

大丈夫。

まだ
行ける。

まだ
続けられる。

私の生命が
もつ限り。

守るべき
ものを
守る。

そのために
ここにきた
のだ。

つづく

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