
龍のような
炎が
蠢いている。
グルグルと
同じ場所であるが、
激しく
動き回っている。
炎は
赤くない。
むしろ
青色だ。
藍色だ。
炎に
焼かれるものは
もう
すべて焼かれて
しまった。
やるべきことを
やり尽くした
炎は、
しかしそれでも
燃え続ける。
孤独に。
私は、
あの炎に
自分の身を
投じるかどうかを
迷っている。
熱そうだな、
と思う。
怖いな、
と思う。
人間だから
当然であるが、
しかし
怖さは私の
行動を決める
判断基準では
ない。
私が
迷っている
のは、
本当に
ここからの私に
あの炎は
必要か?
という
ことと、
本当に
あの炎は
私を必要と
しているか?
だ。
答えはきっと
YESなのだろう。
それは
わかっては
いる、が、
まだ
ほんの0.1%の
迷いがある。
これが
なくなるまでは
行けない。
100%の
決意でなければ、
すべてが
中途半端で
終わってしまう。
それなら
初めから
何もしない方が
いい。
炎は
私を呼んでいる。
私も
炎を呼んでいる。
お互いが
呼び合っている
し、
すでに
共鳴も始まって
いる。
なのに
決めきれない。
焦りは
ない。
ただ、
その時を
タイミングを
待っている。
それだけだ。
炎は
いずれ
尽きる。
その前に
決めなければ。
私は
思考を捨て、
今はただ
じっと
炎を
見つめている。
つづく