
祝福。
もうすぐ
祝福の
時が来る。
皆の
大きく開いた
笑顔が
浮かぶ。
気を抜けば、
ウキウキと
私はもう
笑顔になりそうだ。
慌てては
ならない。
動いても
ならない。
ここは自分を
抑え、
じっと
していよう。
・・・・・・
足元に
滝がある。
あえて私は
ここから
飛び降りて
おこう。
人知れず。
あの
滝壺の奥深くに
何か
あるはずだ。
今後、
どうしても
必要となるものか、
もしくは
逆に、
今後は
破壊せねばならない
ものか。
その正体は
わからない。
が、
祝福のさらに
先で、
それは
多大なる影響を
及ぼす。
今のうちに
正体を
観ておこう。
・・・・・・
それ、は
私に
語りかけてくる。
私は彼らの
敵では
ありません。
かといって、
味方とも
言えません。
彼らが
私を
どう扱うか?
それにより
私の存在は
大きく
変貌します。
ある意味、
彼らの鏡が
私です。
・・・・・・
私は問う。
君が
彼らの敵にせよ
味方にせよ、
それ以外に
せよ、
君が本来の
役割を
全うするために
必要なことは
なんだ?
彼らが
どうこうではなく、
君自身の
存在としての
意味を
果たすために、
それのみの
視点で
答えてほしい。
・・・・・・
彼は
答えたよ。
私には
確信が
ありません。
この状態の
まま、
彼らの前に
出ることに
意味があるのかも
しれません。
しかし、
たった一つで
良いので、
私は
確信がほしい。
それさえ
あれば、
私は
揺るがずに
彼らと
向き合える。
鏡として。
・・・・・・
なるほど。
よく
わかったよ。
君の確信は
私が
与えよう。
どうやら
それが私の
役割のようだ。
というか、
これだけだよ、
私が
ここですることは。
彼らのために
すべきことは。
・・・・・・
確信。
それは
簡単なことだ。
君は
揺れていい。
いや、
正確に言えば、
揺れること。
それこそが
君だ。
君という
存在だ。
揺れなきゃ
いけない。
制御しては
ならない。
自分で自分を
制御できない
状態を、
むしろ
保ちなさい。
それが、
鏡
ということだよ。
どうかな?
確信
できたかな?
・・・・・・
はい、
おかげで
すっきりしました。
私は
私という存在を
確信できました。
これで
準備完了です。
いつでも
大丈夫。
ありがとう。
・・・・・・
それは
良かった。
さぁ、
祝福の時が
来たようだ。
このまま
一緒に
この滝壺から、
彼らの
祝福の時を
眺め、
楽しもう。
彼らと一緒に
味わおう。
つづく