怖がらなくていいのに

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あの氷山の
頂上に
光が観える。

あの
尖塔の
ような、

鋭利な
切先に

輝いて
いる。

あれは
何だ?

意識を
向けたら、

その
氷山そのものが
幻影だと
わかった。

しかしその
光は
実在だ。

ということは、
そこには

しかない。

なぜ
あの光は
氷山などという
幻影を
創り出したのか?

すると、
私は
光の目線に
なっていた。

遥か下から
こちらを
見上げる
私の小さな姿が
わかる。

小っぽけな
あの存在が
こちらに
じっと意識を
向けている。

まるで
挑んでくる
かのように。

その目線が
痛く、
私は目を
逸らした。

あいつには
幻影が
効かない。

この巨大な
氷山が
あやつには
観えていない。

いや、
観ようとして
いない。

あいつは
怖いやつ
だ。

私は
消えると
するか。

と、
ふと私は
私の目線に
戻った。

私は
改めて
光に意識を
向ける。

私は
挑んでいる
わけではない。

ただ、
不思議なのだ。

なぜあなたは
氷山を
創り出す?

そのような
幻を。

その意味を
知りたいのだ。

氷山が
あれば、きっと
多くの人は
恐れ慄く。

あなたを
崇めるだろう。

が、
それは
あなたにとって
必要なことなのか?

あなたの
道にとって。

それは
回り道になる
のではないか?

むしろ
遠のくのでは
ないか?

しかしそれは
私の
感覚だ。

私は単に
その氷山の
意味を
知りたいだけだ。

・・・と、
光は
消えた。

消えて
しまった。

消えなくても
いいのに。

逃げなくても
いいのに。

むしろ私は
あなたから
いろいろ
学びたかった
のだ。

一般的に
豪傑と言われる
あなたからこそ。

つづく

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