
魚は海を
泳ぐものだが、
時々、
空を飛ぶような
変態がいる。
自分が
魚であることは
よく
自覚している。
だから
自分が空を
飛ぶのは
おかしいことだと
よく
わかっている。
わかっては
いるが、
飛ばずには
いられない。
だから、
飛ぶ。
もちろん、
飛べない。
飛べるような
体のつくりを
していないから。
翼も
ないしね。
しかし、
ジャンプくらいは
できたりする。
で、
何度も
ジャンプする。
何度も
何度も。
そのうちに
ジャンプがとても
大きくなってくる。
しかも
美しくなって
くる。
鳥にも
表現できない、
その変態魚でしか
成し得ない
ジャンプを
実現するようになる。
そうなった
時に初めて、
その変態魚も
自覚する。
あぁなるほど、
私は
このジャンプを
実現したかった
のだ、と。
これこそ
唯一無二、
私の
在り方なのだ、
と。
私は魚だから
飛べない。
という決めつけ
があれば、
そもそも
このジャンプは
実現できなかった。
鳥を目指した
からこそ。
そう。
だから、
荒唐無稽でも
いい。
自分の中から
自然に
湧き上がってくる
想いや願いが
あれば、
それに
真剣に
向かうといい。
どう転ぶか
わからんよ。
特に
これからの
時代では。
つづく