砂の山
だと
よくわかって
いるよ。
どれだけ
大きかろうが、
一瞬で
崩れてしまう
ことくらい。
しかし
それでも
守らねば
ならない時が
ある。
守りきれない
と
知っていも。
・・・・・・
私はずっと
守るべき
ものを
放置し、
守らなくても
良いものを
守り続けて
きた。
そんな自分
に
ある時本当に
嫌気が
さしたんだ。
呆れ
果てたんだ。
・・・・・・
行く道の
彼方から
ブルドーザーの
ようなものが
くる。
あんなもの
に
対抗できる
はずがない。
私の
創り上げた
山は、
その風圧だけで
崩れてしまう。
しかし
それでも
守らねばならぬ
ものはある。
・・・・・・
だから
ブルドーザーに
対峙した。
戦おうと
したわけでは
ない。
ただ、
向かい合った
んだ。
儚い山
だが、
その山が
崩れるくらい
なら、
私自身が
崩れれば
いい。
私しか
あれを
守れる存在は
いないから。
弱いくせに
立ちはだかった。
すると
ブルドーザーは
止まり、
方向を変え、
避けて
くれた。
私は
あの儚い山を
守ることが
できた。
・・・・・・
だからこそ、
壊したんだ。
自らの
手で。
この山は
私自身でしか
崩しては
ならない。
だから
守った。
だから
壊した。
守り
きった。
だから
壊し
きった。
これで
ようやく
次に
進める。
つづく