垂直に
必死に
壁を攀じ登る。
皆、
初めての
体験だ。
だが、
初めてとは
思えない。
堂々と
したもんだ。
私の時など
へっぴり腰
もいいところだった。
・・・・・・
壁を
攀じ登った
その先のことは
何もわからない。
想像だに
つかない。
なのに
よくもまぁ
こんなにも
迷いなく
進めるものだ。
私の時など
体こそ
前に進むものの、
内面的には
もう
不安どころか
阿鼻叫喚
だった。
・・・・・・
自分を
どれだけ
信じられるか?
どのような
風が
吹こうとも、
どのような
嵐が
来ようとも、
自分の意志
と決断が
揺らぐことは
ない。
少なくとも
傍目には
そう見える。
何よりも
彼らの顔が、
表情が、
とても
楽しそうなのだ。
輝いて
いるのだ。
・・・・・・
鏡を
持ってきて、
彼らに
今の彼ら自身の
姿を映して
見せてあげたい。
自分の姿を
見れば、
さらに
確信は深まる
だろう。
毅然と進む
者は
そこが強い。
自らを
理解すれば
するほど、
確信が
プレゼントされる。
・・・・・・
一見すれば、
もう
私の存在など
要らないように
思える。
が、
安心しては
ならない。
私も
私自身を
みくびっては
ならない。
私の存在が
彼らに与える
影響も
大きいのだろう。
お互いが
お互いに
影響を与え合い、
エネルギーの
循環を
起こしている。
その状態
だからこその
彼らの今の
姿なんだろう。
・・・・・・
そして
その関係こそが
本当の
「仲間」
なのだと思う。
循環する
関係。
どちらが
どちらを
支える、
というのではなく、
それぞれが
ちゃんと
立っているし、
それぞれが
支え合っている。
お互い様、
というやつだ。
打算ではなく
存在そのものの
次元において
それが
成されること。
これが
仲間だ。
そこに
年齢も
人生経験も
関係はない。
・・・・・・
もうすぐ
この
垂直の壁は
終わる。
終わったら
新たな世界が
そこにあるが、
しかし
すぐにでも
彼らは
次の壁に
取り掛かるだろう。
そこに
理由はない。
それが
自分なんだ。
という
説明不要の
実在が
あるだけ。
実在の
仲間達。
つづく