とてつもなく
高いところから
見降ろしている
感覚だ。
しかし
イメージで
言えば、
雲しか
観えない。
果てしなく
つづく
雲海しか。
あとは
宇宙へと続く
青空のみ。
こんなところに
一人で
いて、
何を
どうしようと
言うのだ?
・・・・・・
全体を俯瞰する
視点、
と言っても、
全体が
観えなければ
意味がない。
ちょっと
高く昇り過ぎ
だと思う。
高過ぎて
何も
観えない。
・・・・・・
ここは、
とても強い風が
吹いている
はずだし、
実際
そのように体は
感じ取っている
のだが、
まるで
その影響を
受けない。
無風状態の
ように
一点に私は
留まり、
ただただ
全体を
見渡している。
観えるものは
雲海と青空
だけなのに。
・・・・・・
きっと
今の私には
わからぬ意味が
あるのだろう。
そう思いながら
身を
委ねている。
だが、
時間のみが
刻々と
過ぎていく。
もう、
決断の時は
迫っている。
何が
どうあろうと、
答えを
出さねば
ならない。
私が、
答えを。
・・・・・・
私は
常に
決断者だった。
私の後に
私の決断を
フォローしてくれる
人は
いない。
私の決断で
すべてが
決まる。
決まって
しまう。
その
あまりの重さ
にも
いつの間にか
慣れてしまったが。
・・・・・・
さぁ、
答えを。
決断の
時だ。
でも
答えが
わからない。
・・・・・・
わからない
まま、
私は
スーッと
下降を始めた。
雲の中を
くぐり、
すると
下界が観えた。
しかし
それでも
答えは
わからない。
下界は
これまでと
全く同じ
現実の世界だ。
あそこに
降りれば
また同じ
時間の流れに
入ることに
なる。
はっきり
言えば、
それは
苦痛だ。
苦痛以外の
何ものでも
ない。
が、
今はそこで
生きると
決めて、
ここまで
来たのだから。
・・・・・・
目を
開ける。
皆が
私の答えを
待っている。
あぁ
そうか。
そういう
ことか。
やっと
この瞬間に
わかった。
私は
皆を見つめ
ながら
答えた。
「わからないよ」
皆が
どよめいた。
・・・・・・
なぜ今まで
これが
できなかった
のだろう。
わからない。
私では
わからない。
ここから
すべてが
始まるのに。
つづく