これまで
全く
気づいていない
方向に
その
突破口は
あった。
あんなにも
大きく口を
開けていたのに、
なんで
気づかなかった
のだろう?
とも
思うが、
そういうものだ。
それを
観るだけの
力が
私には
なかったのだ。
・・・・・・
しかし
今は
はっきり
観える。
観えたら
行くしか
ないではないか。
その突破口の
向こうに
何があるかは
わからないが。
・・・・・・
こういう時、
ついつい
様子を見たく
なってしまう。
その穴から
向こうを
ちょっとだけ
覗き見る
ように。
が、
わかって
いるよ。
それをやれば、
その瞬間に
突破口は
消える。
そして
二度と
現れない、
とね。
だから、
迷っている
暇は
なかった。
躊躇する
一瞬が
命取りだ。
一気に
飛び込む。
自分の命
など
くれてやる!
という
覚悟で。
こういう
時、
捨て身な自分で
良かった
と
思うよ。
いざという時、
私は常に
怖さを
超えてしまう。
・・・・・・
で、
突破口を
越えたのだ。
もう、
向こう側に
出た。
はず
だったのに、
私がいるのは
さっきまでと
同じ場所。
幻影
だったのか?
いや、
違う。
騙され
ないぞ。
ここは、
さっきと同じ
場所、
ではない。
そう
見えるだけで。
あまりに
これまで通りの
この場所だが、
きっと
本当は
全く異なる。
騙され
ないぞ。
・・・・・・
実際、
さっきまでは
八方塞がり
状態
だったのだが、
それは
今も
同じように
見えるが、
いやしかし、
行手を
遮られる感覚は
ない。
そう、
この感覚の
違い。
これが
重要だ。
表面的には
何も
変わっていない
が、
本質が
異なるのだ。
なら、
行こう。
壁など
何もない、
として。
正面突破を
すれば
いい。
・・・・・・
そう
決めた瞬間に
本当に
壁が
消えた。
自分から
消えた。
私は何も
していない
のに。
覚悟の
力。
それが
働いたのだ。
そうか。
突破口を
越えて
変わったのは、
私自身
だったのだ。
つづく