何もない
がらんどうの
世界に
翼の感覚も
繋がりの感覚も
忘れた状態で
まるで
ツルンとした
何の引っ掛かりもない
裸の姿で
私達は
生まれてきたのだ。
あまりの
手応えのなさ。
その最初の
虚無の
感じが
言いようのない
孤独感を
心に刻む。
それが
人生の始まり
だ。
誰もが
辛さから
始まった。
そして
辛さと共に
生きる。
自我として。
だから
悲しいのも
寂しいのも
当たり前だろう。
それを
抑え込む必要が
どこにある。
心が震えるのは
普通ではないか。
だから
太陽の暖かさが
身に沁みる。
特に
寒い日の
陽だまりは。
目を瞑り、
光を感じ、
暖かさに委ねる。
その感覚は
本来は私達が
当たり前のように
持ち合わせていた
もの。
だから
身に沁みる。
その光に
頼ればよいでは
ないか。
あらゆるものが
私達を
支えようとして
くれている。
本来の感覚を
失った
私達を。
もっと
甘えればよい
ではないか。
心を
何とかしようと
するな。
感覚を
ごまかそうと
するな。
そのままの
自分が
そのままの
自分だ。
そのままの
世界が
そのままの
世界だ。
そのままで
いい。
私達は
そのまま
進めるのだ。
つづく