「肚が据わる」という言葉があります。
肚が据わっている人は
精神的に非常に強い人である、という印象がありますが、
実は、そうではありません。
本当に肚が据わっている人は、
自分の弱さをすべて知っている人です。
自分の弱さをあるがままに見つめることができる人です。
自分の弱さにフタをして、イキがって勢いだけで進むのは、
「肚が据わる」とは真逆の状態です。
それは「ごまかし」です。
人は弱い。
自分は弱い。
そういった「事実」をあるがままに受け止められる人こそが
「肚が据わった」判断ができます。
「現実」とは、
想定外のことがいくつも起きます。
「想定外のことが起きること」
それが現実だと定義しても良いくらいです。
イキがって、「それは想定内のことだから」と言っているうちは
本質的には、現実逃避と変わりません。
想定外のことが起きた。
うわーっ、どうしよう?
混乱だ。混沌だ。自分を見失う!
というすべての現象をあるがままに受け取ることで、
私達は「肚が据わった」状態に入れます。
それは「覚悟を持った状態」であり、
人としての「自然体」です。
「自然体」に戻れば、
人は「最善の選択」ができます。
心配をしなくても、
「想定外のことがわざと起こるように出来上がっている」
のが「現実」なので、
それらをすべて楽しんで進みましょう。
さて、平井さんの話に戻ります。
私が平井さんに対して「すごいなぁ」と思えることの一つは、
「想定外のことを楽しむ」力です。
平井さんは言われます。
「私は、人が好きです。
なぜなら、人は、想定外だからです。
人は、予測できないからです。
あぁこの人のことはよくわかった、と思った瞬間に必ず、
その人は想定外のことをします。笑
それが、人の面白さではないでしょうか。
だから私は、人をコントロールすることをあきらめました。
想定外のことをするのが人である、というように
自分の中で定義づけることで、初めて
本当のマネジメントができるようになった気がします。」
そしてさらに続けられます。
「私にできることは、
人と人を結ぶことです。
今は、誰と誰を結べば、想定外に面白いことが起こるだろうか?
という観点から、マネジメントをしています。」
それが平井さん流のリーダーシップでもあるんですね。
しかし私こそ、平井さんに対して「想定外の面白さ」を
感じます。
あれだけ、自分を失くしていた人が、
今は自分を取り戻すどころか、人の可能性を
想定外に引き出しています。
「想定外の人生を楽しむ」平井さんの姿は
私の想定外でした。
私は平井さんから随分と
勇気をいただきました。
人生は、想定外だからこそ素晴らしい。
人は、想定外だからこそ素晴らしい。
想定外である人生を、
想定外である人を、
どのように活かすか?
それこそが、本来のマネジメントである、と。
マネジメントとは「管理」であると
一般的には言われていますが、
私は思います。
マネジメントとは、「自由」であると。
いかに人本来の「自由」を引き出すか?
それがマネジメントであると。
そしてそれが中途半端ではなく、
本当に成されることで、「調和」が起こると。
本当の自由は、調和を起こす。
その「調和」を起こすことこそが
マネジメントであると。
今の私の組織活性化サポートの核になる部分を
私は平井さんから随分と学ばせていただいたのです。
つづく