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心が混乱している
時は大概、
心の中で
いろんな「糸」が
絡み合っている場合が
多い。
そんな時は、
「糸」を一本一本丁寧に
見つめると良い。
つまりは、
一つ一つの気持ちを
見つめるといい。
混乱の原因は、
一本の「糸」を見つめる
その途中で、
次の別の「糸」に
意識が移ってしまう
からだ。
意識は
次から次へと
様々な「糸」を渡り歩き、
そのうちに
わけがわからなくなる。
そうならないためには
ちょっと我慢しながら
一本を
しっかりと理解し切るまで
観察する。
あぁなるほど。
この「糸」は
こんな想いがあるの
だな。
こんな願いが
あるのだな。
こんなことを大切に
しているのだな。
こんなことを恐れて
いるのだな。
こんなことが不安
なんだな。
だからこの「糸」は
ここに存在しているのだな。
・・・と、
その存在理由までもが
しっかりわかれば、
「糸」は落ち着く。
落ち着いたら
次の「糸」の観察に
入る。
ちょっと面倒だが
結局は
これをしっかりやることが
最短の道だ。
そして
すべての「糸」を
見つめ終えたら、
たくさんの「糸」達が
もつれるのではなく、
並んで整然と
自分の前にあるのが
わかるだろう。
「糸」と「糸」の
区別がついている
状態だ。
それでOKだ。
あとは「糸」達を
どうこうしようなどとは
思う必要はない。
「糸」達は
そのままに。
その上で純粋に
自分自身に
問えばいい。
「本当は私は
何をしたいのだ?」
と。
すると、
「糸」達に捕われない
純粋な
真本音の答えが
浮上する。
浮上したら
その真本音の気持ちを
「糸」達に
伝えれば良い。
すると「糸」達は
勝手にあなたに
協力してくれる。
それが
「糸」達(=反応本音)と
真本音の
関係だ。
つづく
区別をつける
というのは、
大切なことです。
この世の中には
似て非なるもの
が非常に多いです。
つまりは、
表面上は一見、ほとんど同じに
見えるけれども、
本質はまったく異なるもの
というものが多いです。
本質がまったく異なる
と言った場合、
それは要するに
次元が異なる、
ということになります。
例えば、
ある人がある一言を言ったとして、
その一言が
どの次元から出た言葉か?
によって、
本質は大きく異なります。
「我社はお客様の満足のために
存在します」
・・・と言ったとして、
この言葉がどの次元から
出ているかによって、
まったく同じ言葉でも
まったく本質は異なる
ということですね。
こういった
似て非なるもの
の区別がつくようになると、
生きることは
とても楽になります。
そして私は、
すべての人が、
こういった区別がつくように
なるといいなぁ、と思っております。
私のコーチングサポートは
クライアントさんが
こういった区別をつけられるようになる、
というのも重要な目的の一つです。
区別がつくようになれば、
例えばビジネスで言えば、
誰と協業すれば良いか?
とか、
組織で言えば、
誰を「要」(かなめ)として
育てれば良いか?
など、
重要な方向性が瞬時に
判断できるようになります。
以前にも書かせていただきましたが、
組織というのは
100人いたとしたら、100人全員を
変えようとしても
変わりません。
それには
膨大なエネルギーと時間が
かかります。
お金もかかってしまうでしょう。
しかし、
100人の中の「要」となる人を
見つけ、
その人達を集中的に育てれば、
その人達を中心に
組織はどんどん活性化します。
その方が
時間もお金も労力も
圧倒的に少なくて済みます。
ですので私は
組織活性化戦略としては
まずは、
「要」となる人を抽出する
ことを重要視しています。
では、
どんな人を「要」とするのか?
と言いますと、実は
組織上の立場とか
仕事の能力が高いかどうか、
というよりも
次元で決めることが
多いのです。
つまりは、
意識の次元の高い人を
「要」とするのです。
意識の次元の高い人は、
次元の高いエネルギーを
注げば、
すぐに変化を始めます。
次元の高いエネルギーを注ぐ
というのはつまり、
真本音のメッセージや
真本音による指示を
与える、ということです。
例えば、社長が、
会社の理念やビジョンを
真本音で語ったとします。
「こんな会社にしたい」というお話を
真本音で語ったとします。
するとそれに真っ先に共鳴
するのが、
意識の次元の高い人達です。
しかもそれは、
共鳴だけでなく、
行動の変化としても
現れます。
真本音で語ったり、
真本音で行動したときに、
そこに真っ先に敏感に反応するのは
意識の次元の高い人です。
そういった人達は
たとえ現時点では仕事の能力が
低くても、
すぐに自ら主体的に
能力を高めるようになります。
社長の真本音の想いに
共感し、
自らも「そうしたい!」と
強く思うからです。
これまでも申した通り、
次元が高いということは、
「すべてが一つ」ということですので、
次元の高い人達は
次元の高い社長の言葉を
「社長の想い」ではなく
「自分の想い」として
受け止めることができるのです。
残念ながら現時点においては、
「会社の理念やビジョンの浸透」
という視点で言えば、
真本音ではない理念やビジョンを
創り、
・・・つまりは、次元の低い
理念やビジョンを創り、
それを無理矢理に
次元の高低に関わらずに
すべての社員さん達に
強引に浸透させる、
というやり方を取っている会社が
多いです。
それでは理念は浸透
するかもしれませんが、
その理念は社員さん達を
縛るだけのもの
になってしまいます。
我社はこういうことを大事に
しているから、
しょうがないから
そうするか。
・・・みたいに、
自分を縛るもの、
自分を制御するもの
として理念を認識するように
なります。
よく私は企業研修などで
皆さんにお訊きします。
「皆さんにとって
理念は居心地のよいものですか?
自分をどんどん開放できる
ものですか?
それとも、自分を縛るものですか?」
・・・と。
私の研修は
皆さんが本音で喋れる場を
創りますので、
皆さん、結構本音を教えて
くださいます。
ほとんどの人が、
「我社の理念は、
言葉としては素晴らしいなと
思いますし、共感もできますが、
実は居心地のよいものでは
ありません」
と答えます。
これが、
理念の浸透
の実態です。
しかし私は、
これでは何の意味もない
と思っています。
いや、むしろ
このような浸透の仕方をするくらいなら
理念などない方がよい
とすら思います。
理念やビジョンは
自分事になってこそ
価値のあるものです。
自分事になることで、
「この理念があるからこそ
私は自分らしさを発揮できる」
という状態になります。
理念があるからこそ、
発想が広がり、
理念があるからこそ、
伸び伸びと行動ができる。
・・・という状態になるのが
理念の本来の存在意義です。
そうなるためには、
言葉だけ素晴らしい理念を
創るのではなく、
真本音の理念を
創ることです。
そして、それをまずは
意識の次元の高い人達に向けて
発信することです。
高い次元では、
すべてが自分事になります。
そこに
「浸透」は必要ありません。
それは
「自分のもの」
なのです。
ですから、
次元の高い理念を発信すれば、
次元の高い人は
すぐに自分事として
自らの発想と行動を変えます。
そういった人を
集中的にサポートすることで
その人達は
大きく成長(進化)します。
人の成長(進化)には
高いエネルギーが発生します。
そのエネルギーは
周りに伝播します。
それにより、
周りの人達も成長(進化)を
始めます。
これが、
組織活性化の原則です。
つづく