以前、私の母親から
聴いたのですが、
私は生まれたばかりの
赤ん坊の頃、
ほとんど
泣かなかったそうです。
ただ大仏のように
ジーッとしていたそうです。
あんまり泣かないものだから、
心配になって
産婦人科の先生に
相談に行ったそうです。
産婦人科の先生は
「どれどれ・・・」
と言いながら、
私のお尻を思いっきり
つねったそうです。
すると
私は大泣き。
「あっ大丈夫ですね。
これだけ泣けば
健康です」
・・・だって。
「大丈夫ですね」
じゃねーだろうよ。
こっちは落ち着いて
この世に生まれたことを
しみじみと
味わっていたのによぉ。
・・・と私は
思っています。笑
実は、
当時の私は
この世に生まれた悦びを
一人静かに
噛み締めていたのでした。
その記憶が
あります。
というよりも、
いつでもその時点の自分に
戻れるのです。
人生の最初の頃の
自分。
私はたまたま
「実在」をあるがままに
感じ取れるので
それが顕在意識レベルで
できますが、
本当はすべての人が
(当たり前のことですが)
生まれたばかりの頃の
自分をちゃんと
覚えています。
その時の
自分の想い、願い、
そして
強い意志。
この世には、
強い意志がなければ
生まれてくることは
できません。
この世に
生まれてきたということは
もうそれだけで
大変なことですし、
私達は
自分の人生を引き受ける
覚悟が
できているのです。
最初から。
それが、
今ここにいる
すべての
私達です。
・・・・・・
3歳の頃。
私はふと、
青空を見上げ、
自分の体が健康であることを
とてつもなく深く
感謝しました。
健康とは
なんて素敵な
ことなんだ!
と、
とてつもなく深い
悦びを感じました。
6歳の頃。
あれは確か、
小学校の入学式の
直後です。
田んぼに咲く
満開の蓮花の花々を
見ながら、
「あぁここから、
私の人生は本当に
始まるのだな」
と、
感慨にふけっていました。
これから何度も、
春のこの始まりの気持ちを
感じるだろうが、
今この目の前にある
満開の蓮花の花々を
私は一生忘れずにいよう
と思いました。
そして、10歳の頃。
私は、
私の人生の終わりに
想いを馳せました。
死を迎えるというのは
なんと、
恐怖を伴うものだろうか、
と
ある意味びっくり
しながら。
しかし、
私はどのように人生を
終えるのだろうか。
私はその時、
どのような自分に
なれているのだろうか、
と、
何十年も先の自分に
想いを馳せました。
そして
その想いを
「ラストページ」
という名の
詩にしました。
どこでどうなったのかは
まったく覚えていませんが、
その詩が
朝日新聞に掲載される
ことになりました。
それは、
人生の最期が
迫っている人が
人生の最期に
書くような内容の
詩でした。
ませたガキだと
お思いでしょう。
確かに
そうですね。
でも、恐らくそういった
ませた自分が出る
その瞬間の私は
「実在」を
感じ取っていたのだと
思います。
ませているのは
本当にその瞬間だけで
あとは普通の
子供でした。
・・・だったと思います。
「実在」を感じ取る
とは、
過去も未来もすべてを
「今ここ」に
感じ取れるという
ことです。
過去の自分にも
なれますし、
未来の自分にも
なれます。
それは
イメージでも想像でもなく、
本当の
「実在」です。
私はたまたま
それを顕在化できますが、
顕在化できるかどうかは
別として、
すべての人が
本当はそういったことが
できます。
つまり、
過去も未来もすべて
自分の人生を
引き受けて、
「今ここ」における
判断や決断を
下すことができる
ということです。
・・・・・・
私達は、
自分の人生を
自分で
引き受けています。
最初から。
生まれた
その瞬間から。
だから
ここに存在
できています。
にも関わらず、
自分の人生から
逃げる方向の
発想や決断や行動を
し続けてしまう人が
います。
それもまた人間
なのですが、
でも、
なんか、
もったいないですね。
せっかく
人生を引き受けたのですから、
そんな自分を
思い出せるといいなぁ、と
よく思います。
そんな自分を
思い出した方が
よっぽど人生は
楽なんですけどね。
逃げれば逃げるほど
辛くなる。
・・・それが人生。
楽になるために
逃げようとしますが、
それをすればするほど、
苦しみは
増してしまいます。
開き直って、
私の人生は
私のものだ。
私の人生は
私が決める。
となった方が
よほど、
身が軽くなります。
あなたは
あなたです。
他のどこにも
あなたは
いません。
あなたが
あなたなのです。
そして
あなたの人生は
あなたのものです。
その人生を
良くするも
悪くするも
それは
あなたしだいです。
もちろん、
何が良くて
何か悪いのかも
あなたが
決めるのです。
・・・こう言われて
辛さを感じる人は、
もう少し
自分の想いや願いや
意志を
大切にした方が
よいですね。
つづく