後悔した出来事があると、
私達はできれば後悔の念を
「なかったことにしたい」
と思います。
その結果、
その出来事に後から
様々な「解釈」を
つけたりします。
「あれは
しょうがなかったんだ」
「不可避な流れで
自分にはどうしようも
なかった」
「別の選択もあったとは
思うが、
あれはあれでいいのだ」
などなど。
時には、
「あの出来事には
これこれこのような意味が
あったのだ。
だからそれでいいでは
ないか」
「あの出来事によって
自分はこんな成長が
できた。
だから良いではないか」
などのように、
自分の「解釈」によって
その出来事を
肯定的に捉えようと
する場合もあります。
「解釈による肯定化」
・・・は、ダメです。
最も
やってはいけません。
これを
クセのようにいつもいつも
し続けている人がいますが、
そういった人ほど、
心の奥にストレスが
溜まり続け、
気がついた時には
体を壊す寸前、という人も
私はこれまで数多く
出会ってきました。
「解釈」とは
顕在意識レベルで
頭の中での無理な
変換をしているだけの
行為です。
物事の捉え方を
変えてみたり、
別の角度から
物事を見つめること
自体は
大事です。
しかし、
自分を説得するかのように
顕在意識のみで
強引な解釈をし、
それを「答え」とするのは
本当に
やめた方がよいです。
顕在意識のみを
解釈によって
捻じ曲げても、
それ以外の私達の
意識は
納得していません。
しかも
体は正直です。
頭の解釈を
どれだけ変えても
苦しいものは
苦しいのです。
むしろ、
頭の解釈を
強引に変えることで
その苦しみは
倍増します。
「前向きに生きる」
とは、
解釈を変えることでは
ありません。
・・・・・・
『セルフコーチングを使った
良い後悔の仕方』
の続きを行きます。
私達が
私達自身の最も素直な
気持ちを知るためには
体の反応を観るのが
最も簡単です。
後悔した出来事を
ありありと思い出した時、
体のどの部分に
どのような反応が出るか?
をまずは
特定しました。
そしてその反応の出た
場所に
じーっとただただ
意識を向け続けます。
例えば、
両肩が重い、
という反応があった場合、
その両肩にのみ
意識を向けます。
これを続けると、
その両肩に
さらに
何かを観たり、
何かを感じたり
するようになります。
例えば、
両肩に黒い大きな
岩のようなものが
乗っかっているイメージが
自然に観えたりします。
もしくは、
何もイメージは観えなくとも、
両肩に何かが
乗っかっている感覚のみが
ありありと
感じられるかもしれません。
そこまでできたら、
その「イメージ」
もしくは
「感覚」に、
問いかけてみてください。
「君は
何にそんなに
後悔しているの?」
と。
すると、
人によっては
その「答え」が
言葉となって自然に
浮上してくるかも
しれません。
例えば、ですが。
「あの時、私は
あんなことを言うんじゃ
なかった」
というように、
まるで会話をしているかのように
答えが返ってきます。
もし答えが返ってきたら、
さらにその答えを
理解しようとします。
例えば、
「あんなこと、というのは
具体的に
どんなことを
言うんじゃなかったと
思ってるの?」
というように。
その会話は
自分自身と会話をする
というよりも、
誰かそこに別の人がいて
その人の話を
聴いている
という感じで進めると
やりやすいでしょう。
誰かの相談を
聴いているイメージ
です。
これをすることで、
自分自身が
何に最も後悔しているのか?
を特定することが
できます。
この
「特定」が
ポイントです。
実は、
ここがずれている人が
かなり多いです。
「私はあの出来事を
すごく後悔しているんです」
と言いながら、
その後悔のポイントが
ずれているのです。
本当の後悔を
見つめることを
無意識に拒絶するために
このようにポイントを
ずらしてしまっているケースが
多いようです。
ずれたポイントに対して
どれだけ向き合っても
それでその後悔が
解消されたり浄化される
ことはありません。
一つの出来事の中でも、
本当はどのポイントで
私は何を後悔をしているのか?
を
絞り込むことが必須です。
それを頭の解釈で
しようと思っても
無理です。
このように、
体の感覚に
問うことで
初めて観えてくるのです。
しかし
セルフコーチングに
慣れない内は、
すぐにこのような会話には
ならないかもしれません。
その場合は、
問いかけだけを行ない、
あとはただじっと
待つことをします。
待っていると
言葉にはならないけれど、
でも何となく
答えが「わかった」
という感覚になることが
あります。
何となく「わかった」ら、
それを自分なりに
言語化します。
ここは
頭の解釈でも結構です。
大事なのは、
最初から頭で
解釈しないことです。
自分の体や
体の感覚そのものに
まずは
「問う」こと。
そして、答えを
「待つ」こと
です。
つまり、
「問うて、待つ」
というのが、
セルフコーチングの
基本的姿勢です。
たとえ
答えがまったく
わからなくても、
それでも
「問うて、待つ」
ことをしてください。
これを繰り返していると、
だんだんと
答えがわかるように
なります。
今日はここまで
とします。
つづく
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