その時、
風が吹いて
きたな。
一見、涼しい
けれど、
しかし
とてもあたたかい。
あたたかい
けれど、
ねっとりしている
わけではなく、
さらさら。
風に吹かれて
いるうちに、
意識がなくなる
ようだった。
ひょっとすると
眠っていたか。
会話に
あまり記憶が
ない。
それくらい
懐かしい感じ。
ずっと初めから
一緒にいた
感じ。
生まれた時
からね。
あまりに
自然だと
いるのかいないのか
よくわからなくなる。
その人も
私も。
別の存在
なのか、
実は、一つ
なのか、
よくわからなく
なる。
そのうちに
眠ってしまう。
もちろん
魂は起きている
のだが。
心が居心地
良過ぎてね。
いや、
逆か。
魂が
眠ってしまった
のかな。
風の波長は
よく知っている
それだ。
いつもの
それ。
ずっと
吹いていたよ。
この出会いの
前からね。
ずっと一緒に
いたよ。
ようやく
出会えたけどね。
つづく