土砂降りの雨が
降っているのが
わかっているのに、
その中に
出て行かねばならない
時がある。
晴れていれば
そりゃ
格好いい自分で
いられるさ。
でも
これだけの土砂降り
ではどうかな。
さすがに
倒れるかも・・・。
まぁでも
そん時はそん時だ。
と
開き直って
出る。
わざと
上を向いて
歩く。
雨粒が
顔に降り注ぐ。
痛い。
あれ?
これ土砂降り
というよりも
滝じゃないか。
後悔すれど
遅し。
そうか。
私の範疇を
超えているんだな。
じゃあ、
抗っても無駄だ。
と
身を預ける。
普通に
前を向いて
立つ。
雨、・・・いや、滝?
が痛い。
いつの間にか
自分が
滝になっている。
ドドドッという
轟音が
しだいに静かに
なり・・・。
いつの間にか
私は
歩き始めていた。
嫌な人生だな、
と
思っていたが、
結局、
これを望んでいるのは
他でもない
自分だったな、
と
わかる。
なぜなら私は
ここでこそ、
楽しんでいる。
充実を
覚えている。
多分、
この雨がやめば、
雨を怖がる私が
また出てくるのだろう。
でもそれでも
私は
その中に。
きっとその中に
自ら入り、
そこでまた
喜びを感じる。
違う私になる
わけではない。
本来の私を
思い出すだけだ。
雨なんて
嫌だ。
でも、
雨の中に出れば、
本来の私に
戻る。
なんだよ、
それ。
どんな人生だ?
ふと見ると、
遠くにうっすら
人影が。
結構、たくさん。
あぁそうか。
私を待ってる
人達だ。
やっと
見えてきた。
とりあえず
あそこまで
がんばろう。
つづく