約束

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一本の道を

歩いている。

 

ずっとまっすぐ

続いている。

 

この道を

歩き続けたら、

 

一緒に歩く人が

自然に増えた。

 

私は常に

前を向いていた。

 

あまり

横は向かなかった。

 

なのに、

ふと気がつくと

一緒に前を向いて

隣を歩いてくれる

人達がいた。

 

あぁ俺は

幸せなことだなぁ。

 

呟きながら

さらにスピードを

上げた。

 

すると途端に、

道を外れる人が

出てきた。

 

えっ、えっ、えっ!?

 

君、外れちゃうの?

 

一緒にまっすぐ

進もうと

約束してたのに。

 

そこ、

曲がっちゃうの?

 

必死に声をかける

のだけど、

私は無視された。

 

あんたとは

もともと道が

違うのだよ、という

感じで

 

平気で

無視された。

 

本当に

言葉もなかった。

 

その度に

私は泣いた。

 

泣くけども、

それでもその道を

進むことは

止めなかった。

 

むしろ

スピードアップした。

 

反撥していた

わけではない。

 

君がいなくなるなら、

もっと俺は

頑張らねば・・・、

 

という気持ち

からだ。

 

でもそれを

やっているうちに、

その新たなスピード

だからこそ

だろうな、

 

また自然に

隣に

一緒に進む人が

集まってきた。

 

そしてさらに

スピードアップ。

 

するとまた

何人か外れていく。

 

ずっと

その連続だった。

 

何度も泣き、

何度も喜んだ。

 

気をつけた

こと。

 

それは決して

横を向き過ぎないこと。

 

横を一緒に

進んでいる人のために、

ならないこと。

 

あくまでも

私は前を向き、

自分のこの限られた人生で

 

進めるところまで

進む。

 

私にはどうしても

達成せねばならぬ

ことがあるのだ。

 

そのために

進む。

 

そこは揺るがぬ

こと。

 

こういうのを

頑固

と言うのだと思う。

 

融通が利かないなぁ

と思う。

 

でもそれが

という人間だ。

 

この道を進むのが

私であり、

 

この道が

私だ。

 

これからも

悲しむことは

あるのかな。

 

なきゃない方が

良いけれど、

 

悲しまないために

どう進むか、

ということも

きっと私はまったく

考えず、

 

さらに

スピードアップを

続けるのだと思う。

 

私自身との

約束だから。

 

つづく

 

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