選択肢はないのだ

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地面が

覆いかぶさって

くるのか。

 

それとも、

私自身が

地面に倒れ込もうと

しているのか。

 

せり上がり

迫りくる

地面の、

その荒々しい土のような

砂のような

 

一粒一粒の

表情まで

観えるようだ。

 

ガツン

という衝撃と

共に、

気が遠くなる。

 

やるべきことを

やった上での

これであるなら

しょうがないか、

思った。

 

きっと私は

半身不随のような

大きなダメージを

負うだろう。

 

しかしそれは

自業自得だ。

 

私の選択の

結果だ。

 

しばらく

気を失って

いたのだろう。

 

ハッと

目を覚ますと

私は

大の字だった。

 

目に映るのは

青空のみ。

 

風が

吹いている。

 

首から下の感覚が

ない。

 

そうかきっと

私は

このまま

動けないのだろう。

 

頬に風を感じながら

私は

鎮まったまま。

 

何も考えず、

無心となった。

 

青空だけを

見つめているので、

自分なのか

青空なのか

私の存在が

何なのかわからなく

なった。

 

途端に

体の中心から

力が溢れた。

 

ガバッと

飛び起きる。

 

体が勝手に

動く。

 

私は全力で

ダッシュをしていた。

 

なんだ、

もう復活したのか。

 

ちょいと

早くねーか?

 

少しは思ったが、

私はただ

前だけを向く。

 

一点に意識を

集中し、

余分なことは

考えない。

 

あーこのままでは

また

すっ転ぶだろう。

 

今度こそは

立ち直れない

かも。

 

でも、

私には

選択肢はない。

 

いや、

私は私の選んでいる

この選択肢以外には

 

興味がない。

 

だから

前よりももっと

速く走る。

 

次こそは

ヤバいかもな。

 

呟きながら

笑う。

 

楽しくて

しょうがない。

 

私には

選択肢はないのだ。

 

つづく

 

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