弱々しいが折れない

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暗闇の中で
ある一点のみ、

スポットライト

明かりが
当たる。

そこに
小さな可愛らしい
花が一輪。

青紫色の
見たことのない
花。

弱々しい。

支えて
あげなければ、
すぐにでも
折れてしまいそう。

枯れて
しまいそう。

だからこれを
何としてでも
守らねば
ならない。

と、
訳もなく感じた
のが、
20年前。

その時から
何となく
わかっていた
のだが、

その花は、
私自身。

本来の私
そのものだ。

本来の私が
こんなにも
弱々しく
なっている。

もう一人では
存続し得ない
くらいに、と。

当時は
恐怖と共に
焦る気持ちを
抑えつつ、

いつもその花を
見つめるように
気をつけた。

もう
20年経った。

今もまだ
その花は
ある。

相変わらず
小さいし
弱々しい。

しかしもう
枯れることは
なく、

折れることも
ない。

それは
わかる。

もう、
守る必要も
ない。

ただ、
そこに
あるだけ。

この
弱々しさは
私の個性
なのだろう。

私はどこまで
いっても
私だった。

でも、
決して
折れない存在
だった。

今は
その花を
見つめるたびに

元気を
貰えるんだ。

つづく

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