何か、来るものへの畏れ

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海の向こうから
何かが
迫ってくる。

得体の知れない
何か。

その何かを
避けるように
生きてきた。

その何かが
来る前に
何とかしなければ
という焦りは
常にあった。

追い立てられる
ような日々。

誰にもその
畏れと焦りを
言うことはなかった。

第一、
言葉として上手く
表現できない。

ひょっとすると
この感覚は
人類共通の
ものかも知れない。

本当は皆、
同じものを
共有し、

それを
避けるように、

かつ、

準備を急ぐように
歴史を
重ねてきたのでは
ないか。

とすら
思うようになったのは
最近のことだ。

人間の
宿命か?

それとも
私個人の
宿命か?

それがよく
わからぬまま
私は今、
ここにいる。

行手の海は
大きく深い。

彼方どころか
目の前の
水面の下にすら

目は届かない。

そのような
自然の摂理と
向かい合わせで
我々は
生きているのだ。

謙虚に
ならざるを得ない。

私は私の
やることを
やる。

今日も
明日も。

それは
変わらない。

畏れと焦りは
まだ続く。

日々、
高まっている。

きっと
もうすぐ
なのだろう。

私は私の
人生と命を
かけて、

今ここに
魂を込める。

つづく

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