答えが
わからなければ、
あれこれ無闇に
考え続けるよりも、
全身の力を
抜いて、
世界を
感じて、
ゆったりと、
この世の空気に
身を委ねれば
いい。
自分と
自分以外の
境界を意識せず、
全意識を
ただただ外へ
外へ。
何か
居心地の良い
物体があれば、
それと
一つになる感覚で。
こういう時、
私はよく
外を散歩しながら、
気の合いそうな
樹々と
一つになる。
春の空気の
中で、
少しぼんやりとした
なだらかで
なめらかな
うつろな感じの
樹々の気配が
伝わってくる。
答えが出ない
ことで
ヤキモキしている
のは
どうやら
私だけのようだ。
空気と時間は
ゆっくりと
流れている。
すると私は
「時間」と
歩調を合わせるように
「時間」のみに
意識を向ける。
一つ一つの
時間と
一つ一つの
自分の鼓動が
共鳴し、
落ち着いて
くる。
今、出す必要の
ない答えだな、
と
わかる。
出す必要のない
答えを
考え続けるのは
疲れるだけの
ことだ。
もっと自分の
エネルギーを
大切にしよう。
自分の内側に
篭りきりになって
しまえば、
大事なものを
見失う。
私達は
この世界に
生きている。
つづく