落ちていく

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凄い勢いで
落ちていく。

垂直落下で
落ち続ける。

底がない。

終わりがない。

落ちる。
堕ちる。

あまりの凄さに
むしろ
笑いがこみ上がる。

ジェットコースター
のように
スリルを味わう
などというレベルでは
ないのに。

開き直り、か。

諦め、か。

しかしそのうちに
妙に
心が鎮まってきた。

流れゆく
ものたち。

過ぎ去る
ものたち。

凄い速さで。

めくるめく
せかい。

人の人生の
旅路とは、

魂の旅路とは
このような
ものかもしれない。

落ちる旅。
堕ちる旅。

もう何度も
経験した。

無限の落下の
その中でこそ
現れる
潔さ。

それが完全に
目を覚まして
ようやく
止まる。

止まるが、
ほぼほぼ
無限に落ちた。

ゼロでも
原点でもない。

こんなところから
また
改めて
這い上がらねば
ならないのか。

いったいどれだけ
無限に近い
時間が必要か。

気が遠くなる
のだが、

心は鎮まったまま。

一歩を出す。

一歩、進んだ
ことになる。

これを
無限に繰り返して
いくだけさ。

つづく

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