何も成していない

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聳え立つ
巨大な
未来がある。

垂直に
視界を
塞いでいる。

その
巨大さに
圧倒されながらも、

何とか
負けずに
その垂直の壁に
取りつこう
取りつこう

もがいてきた。

しかし
何をどうやっても
1cmも登れず。

という具合の
これまでの
私の人生
だったように
思うのだ。

そう。

私はまだ
何も
成していない。

たった一つ
でも、

本当に
成し遂げた!


思えることは
一つもないのだ。

この言い方は
大いに
誤解を招きそう
なのだが。

それでも
私の中では
そうなのだ。

この人生で
本当に
成すべきことは
まだ
一つも
成果が上がって
いない。

その準備段階
としての
成果は
あるにせよ。

という
ことだったの
だが、

ここにきて
ようやく、

メリッメリッと
ほんの僅かずつ、

垂直の壁を
登り始めた
ようなのだ。

その実感が
今は
ある。
確かに。

この、
難易度の
最も高い
登り口を
ようやく越える
ことができるか?

珍しくも、
私の
奥の方では、

もう
越えたよ

という
声すら
響いている。

いい気に
なっては
ならないが、

しかし
すでにもう
それが
成されたかの
ような、

それが
当たり前の
真実かの
ような、

そのような
根拠のない
実感。

これを
確信と呼んでも
罪には
ならないだろう。

ようやく
手に入れたよ。

この感覚。

55年以上
待ち続けた
感覚。

つづく

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