私は恐らく、
とても厳しいコーチ
なんだと思う。
厳しいと言っても、
怒鳴ったり
けなしたり
するわけではない。
しかし
ある時ある瞬間に、
躊躇なく
クライアントさんの
「すべて」
を
壊すことがある。
ただし当然だが、
本当に
「すべてを壊す」
のではない。
その時のクライアントさん
ご本人が
「これが私の
すべてである」
と思い込んでいるもの
を壊す
のだ。
しかし
側から観れば
そうなのだが、
クライアントさんご本人に
してみれば、
たまったものではない。
すべてを
完全否定される
以上の
ショックや衝撃、
そして
痛みを感じるだろう。
・・・・・・
これを
中途半端に
相手をフォローしながら
上手くやろうとする
人がいる。
しかし
そのサポートは
逆に危険だ。
やる時は
一気にやる。
のが
実は一番
安全だ。
中途半端に
やれば、
壊れるべきものが
中途半端に
残ったままになる。
それはある意味
ゾンビのような
状態だ。
その状態で
中途半端にまた
生き返ろうと
してしまう。
しかし当然
生き返れない。
で、
その状態で
苦しみ続ける。
これが
一番きついことだと
私は思う。
壊すべき時は
一気に
完全に
壊す。
これが
次に進める
最善のやり方だ。
しかしそのためには、
それをやる側の
「コーチ」の覚悟
がいる。
しかもその覚悟
とは
エイヤッという
気合いや
勢いによるもので
あっては
ならない。
目を瞑って
我を忘れて
行なうものであっては
ならない。
壊すこちらも
「痛み」を一緒に
伴わねばならない。
これがなかなか
できない。
ここまでできる
「コーチ」に
残念ながら
私はまだ出会った
経験がない。
だから
これができる
「コーチ」を
私は育成すると
決めている。
・・・・・・
「壊す」ためには
もう一つ重要な
ことがある。
それは
「タイミング」
だ。
大雑把に言えば、
「もう壊しても
この人は大丈夫だ」
という
タイミングまで
「待つ」
のだ。
壊すことで
その人が本当に
壊れてしまっては
ならない。
その人が
「すべてだと
思い込んでいるもの」
を壊しても、
そのすぐ後に、
「新たなその人」
であり、かつ
「本来のその人」
が
浮上できる、
・・・という
その状態になるのを
待たねばならない。
そこまでに
結構時間が
かかってしまう。
しかも
その状態になれたら、
「すぐさま」
に
壊さねばならない。
その
「新たなその人」
であり
「本来のその人」
は、
すぐに引っ込んで
しまうからだ。
つまり、
「本来のその人」
の
「芽」
が出始めたところで
壊すのだ。
この
「タイミング」
こそが
命かもしれない。
・・・・・・
で、
以上のことを
ぶっちゃけて
一言で表現すれば
こうなる。
「真本音度合いを
高め、
強くなったところで、
その人を壊す」
・・・だ。
まだ弱いうちに
壊してしまうと
本当に壊れてしまう。
だから
強くした上で
壊す。
要するに
そういうことだ。
表現だけ見れば
とても怖い感じだ。
しかし私は
これこそが
「コーチング」の本質
であると
思っている。
人を壊す
覚悟を持っている
人は、
自分を壊す
覚悟をも常に
持ち合わせている
人だ。
そんな人に
私は
「コーチ」を
目指してほしい。
つづく