感情

荒れてるんだよ

 

人の感情は

よく荒れる。

 

「いや、私は荒れない」

と言う人も

いるが、

 

いやいや、

 

それは

荒れていることに

気づいていないだけ。

 

・・・と

あえて断言してしまっても

いい。

 

台風が来たら

海が荒れるように、

 

何か出来事があれば

私達の心は

ちゃんと荒れるように

できている。

 

そう。

 

荒れることが

「健康」だ。

 

決して悪い

ことではない。

 

大切なのは

荒れているその心を

自覚していること。

 

ちゃんと

見つめていること

だ。

 

それができれば

私達は

自分を自分で

コントロールできる。

 

コントロールできない

のは

しっかり最後まで

見つめていないからだ。

 

私のクライアントは

社長さんが多い。

 

すると「経営」を

しなければならないので、

そりゃもう

荒れるに荒れる。

 

しかし

その「荒れ具合」を

見つめないままに

先に進もうとする人も

多い。

 

そうすると必ず

どこかで

すっ転ぶ。

 

見つめないから

すっ転ぶ。

 

だから社長さんほど

私は

セルフコーチングを

しっかりとやっていただく。

 

それにより

ほとんどの人が

 

荒れること自体は

なくならないが

 

荒れても大丈夫な

状態となる。

 

どれだけ荒れても

静かに粛々と

進むことができるように

なる。

 

その方が間違いなく

実績につながる。

 

何度もくどいようだが、

 

見つめないから

足を取られる。

 

見つめるから

コントロールできる。

 

この単純明快な

原理を

 

私達はもっと真摯に

受け止めよう。

 

人間として。

 

つづく

 

感情を解放してこそ安定する

 

美しいものを見て、

「美しい!」

と素直に感動できる

心は健康的だ。

言うまでも

ないことだが。

 

真本音度合いが

高まることで、

まず私が変化したのは、

 

涙もろくなった

ということかな。

 

素直に

泣けるようになった。

 

それは

感動だけでなく、

悲しみや

時には怒りや

寂しさや、

 

あらゆる感情が

素直に出るように

なった。

 

とは言え、

人前ではほとんど

泣かないけどね。

 

真本音度合いが

高まれば高まるほど、

私は

感情の起伏が激しく

大きくなった。

 

しかし

だからと言って

不安定にはならない。

 

むしろ

だからこそ

安定できるようになった。

 

感情とは、

自分を不安定にするもの

ではないのだ、

本来は。

 

自分を安定させるために

自分の感情を制御せよ、

というのが

一般的に言われたりするが、

それは逆効果だ。

 

それをとことん

やり尽くした私が

体験的によくわかる。

 

感情は

解放せよ。

 

ただし。

 

その前に

真本音度合いを

上げよ。

 

・・・ということが

大事だ。

 

順番が

大事。

 

真本音度合いが

高まるということは

心の中に「大地」が

出来上がるイメージだ。

 

揺るがない大地。

 

嵐が来ようが

槍が降ろうが

ビクともしない大地。

 

それを常に

実感できるからこそ、

あらゆる感情を

解放しても

まったく揺るがなくなる。

 

むしろ

あらゆる感情の解放は

自分自身の開放となり、

 

オープンとなった自分は

「愛」

というエネルギーを

発するようになる。

 

逆に言えば、

感情をいつも

押し殺している人からは

愛のエネルギーは

発現しない。

 

・・・・・・

 

人の悲しみは

深い。

 

人の苦しみも

深い。

 

まるでブラックホールの

ように。

 

永遠の深みを

感じる。

 

だから怖い。

 

向き合うのも

見るだけでも

怖い。

 

しかし

安定の大地を得て、

常に帰る場所を得れば、

私達は

あらゆる心と

向き合うことができる。

 

そして

その大地は

すべての人の中に

確かに存在している。

 

存在しているものを

自覚する。

 

実感する。

 

これが

本当の自分を生きる

最初のステップだ。

 

つづく

 

自己理解の第一歩は、心の声理解である

「自分の心に意識を向ける」

そのファーストステップは、

「今、自分が感じていること」に

意識を向けるということです。

(→前回記事)

 

「感じていること」とは、

自分の「感情」が生まれる

一歩手前の段階です。

 

私達は、

①何かを感じる

ことによって

②感情が生まれる

のです。

 

①がなければ

②はありません。

 

①も②も両方理解することが

自分を理解する

最も基本となります。

 

どんな①が来れば、

どんな②になるのか?

・・・自分はそこに

どのようなパターンを

持っているのか?

 

それが自己理解の

基本だからです。

 

さて。

 

①に目を向けるようになると、

私達は実に様々なことを

一日の中で感じ取っていることに

驚くでしょう。

 

ほんの些細なことで

私達の心は

まるで風を受けた風船のように

揺れに揺れます。

 

私達の心は

揺れるようにできているのです。

 

それを

揺れていないふりをしたり、

揺れていることに麻痺したり

するのはまったくの

無意味です。

 

揺れをそのまま感じ取ること

こそが健康であり、

自分の心を強くする

一歩にもなります。

 

揺れている自分を

あるがままに見つめる

自分になることで、

直観力も大きく増します。

 

そのためにも、

①に敏感になれたら次は、

②に目を向けましょう。

 

つまり自分の感情と

向き合うのです。

 

ただしその感情とは、

激しいものばかりでは

ありません。

 

激しい感情は

わかりやすいです。

 

ものすごく怒りを感じたら、

誰もが自分は腹が立っている

とわかるでしょう。

 

そういった激しいものだけでなく、

ほんの些細な、

フッと現れては消えていくような

わずかな感情の動きにも

目を向けます。

 

その際に一つ、

重要なポイントがあります。

 

それは

『心の声』

です。

 

私達の感情には必ず

「心の声」が

セットでついてきます。

 

例えば、

Aさんの一言でムッとした場合、

怒りの感情と共に、

必ず何らかの「心の声」を

私達はつぶやいているはずです。

 

「なんてひどいことを言うんだ」

とか

「きつ過ぎる」

とか

「それを言わないでくれーーっ!」

とか。

 

時と場合でまったく異なる

「心の声」が発生するでしょう。

 

しかもその「心の声」は

さらに次の「心の声」を

呼び起こします。

 

例えば、

「Aの馬鹿野郎!」

とか

「こいつは大っ嫌いだ!」

とか

「殴ってやりたい!」

とか。

 

そしてさらに別の

「心の声」も続くかもしれません。

 

このように、

感情を理解するとは、

同時に、

「心の声」を理解することでも

あるのです。

 

逆に言えば、

自分の「心の声」に

意識を向けておけば、

自分の感情を理解することに

つながるケースも多いです。

 

私はよくコーチングの場で

「その時、どのような心の声を

つぶやいていましたか?」

という問いを投げます。

 

それを続けると、クライアントさんは

私がその問いを投げなくても

自分から「心の声」を

口にするようになります。

 

それができるということは

それだけ自分を客観的に

観れるようになってきた

ということでもありますし、

自己理解も進みます。

 

するとさらに私は

次のようなことも

クライアントさんにお勧めします。

 

それは、意図的に

自分で「心の声」をつぶやき、

「心の声」通りに行動する

ということです。

 

実はこれはいつも私達が

無意識にやっていることなのですが、

それを意図的に行なうと、

自己コントロール力が

格段に増すのです。

 

今日もたまたま

それを実践したクライアントさんの

コーチングだったのですが、

その方はそれをやってみて、

 

「すべての行動はこうやって

自分で決めていたんだということが

本当にわかりました。

私はすぐに人のせいにしたり、

辛いことがあると逃げようと

思っていましたが、

なんだ、すべて自分で決めて

行動していたんだ、という

当たり前のことに気づきました」

 

・・・という感想を

言われていました。

 

無意識に行なっていることを

意識化するというのは、

自律性や主体性の一歩にも

なります。

 

では、・・・

 

ここまでのお話を

少しまとめます。

 

『直観力を高めるには』

というテーマで、

ここまで書かせていただいています。

 

直観力を高めるためには、

人間として普通の生き方をすることが大事。

普通の生き方とは、

まずは自分の心に意識を向けること。

意識を向けるとは、観る(観察する)、ということ。

まずは何を観ればよいかと言うと、

それは

・自分が今、感じていること

・それにより引き起こされる感情と心の声

である。

 

・・・ということになります。

 

実はこれは私の言うところの

「セルフコーチング」の基本でもあります。

 

そしてこの基本を実践するだけでも

直観力はアップし始めます。

 

しかし、本題は

まだまだこれからです。

ここまでは序章にしか

すぎません。

 

つづく

あなたは怒るべき人だ

真本音度合いが上がってから、

めっきり怒ることが少なくなった平井さん。

(→前回記事)

 

私は平井さんに訊いてみました。

 

「平井さん、今の平井さんは以前に比べて

かなり気が長くなったように見えますが、

ご自分では変化は感じていますか?」

 

「あっ、やはりそうですか。

自分では特に意識していないのですが、

腹が立たなくなってきたのは事実です。

こんなに腹を立てない自分でよいのだろうか、と

少し不安になるくらいです。

本当はもっと社員に厳しくしないといけないのではないかと。

でも、腹が立たないからしょうがないですね。」

 

「それによる社員さんの変化は?」

 

「そりゃもう、以前に比べれば随分と私に

意見を言うようになりましたよ。

まぁこれは、たけうちさんにコーチングスキルを

教えていただいたのが一番大きいと思いますが、

私が簡単には怒らなくなったのも大きいかな。」

 

「それは良いことだと思いますか?

社員さん達の仕事の質はいかがですか?」

 

「いや、もちろん良いことだと思っていますよ。

昔に比べると、社員の本音はとてもよくわかるように

なりました。

それに、信頼関係も昔とは大違いじゃないかな。

今から振り返ると、昔は信頼関係もどきでしたね。

社員の主体性とか仕事の質は間違いなく

上がってますよ。」

 

「では、怒らない方がいいと?」

 

「いやでもね、たけうちさん。

そうは言っても、私はね、もの凄く腹の立つ瞬間は

今でもあるのですよ。

その時はもう逆に、私は私を抑えられなくなります。

ついつい、思ったことをそのまま相手に

伝えてしまうんですよ。

これはいいのかなぁ?」

 

「伝えた結果、どうなりますか?」

 

「多分ね、その伝え方は以前よりもダイレクトだと

思うんですよ。

だから、以前よりもきついんじゃないかなって。

でも、そんなきつい言い方をしているのに、

社員はちゃんと受け止めてくれます。

それどころか、どれだけ私が怒っていても

意見を言い返してくる社員もいるんです。

これはどういうことでしょうね?

社員が強くなったのかな?」

 

「平井さん、

それを“真本音の怒り”と言うんですよ。」

 

“真本音の怒り”。

 

それは、まったく淀みのない怒り。

 

相手のためだけを純粋に想い、

自然発生する怒り。

 

真本音度合いが高まった人には共通して見られる

一つの現象です。

 

真本音の怒りには、

根底に「あたたかさ」があります。

それは意図をした「あたたかさ」ではありません。

 

「あたたかさ」の土台の上で、

きつい言葉達が相手にダイレクトに向かっていきます。

 

それを受けると、相手の人は

大きく混乱します。ショックを受けます。

頭は真っ白になるケースが多いです。

しかし、決してその言葉達を拒絶することはありません。

 

いえ、一時的には思わず拒絶するかもしれませんが、

その言葉の一つ一つは、その人の胸に

しっかりと宿ります。

 

そして、ジワーッとその人の胸に

沁み込んでいきます。

 

要するにそれは、

愛のある怒り、なのです。

 

ですから私は常に、

真本音度合いの高まった人に対しては、

「自分の怒りを抑えないでください」

とお願いしています。

 

真本音の怒りは、必然的に必要に応じて

発生します。

その怒りを抑えることは、

マイナスにしかなりません。

真本音の怒りは開放してこそ、

すべての物事が進展します。

 

逆に。

真本音度合いがまだあまり高くない状態での怒り

があります。

それは、反応本音の怒りです。

 

反応本音の怒りは、単なる反応です。

そして、自分の思惑とか、自分のストレス解消とか

様々な淀みが含まれています。

一般的に言われる怒りとは、この反応本音の怒り

のことを言います。

 

この怒りを相手にぶつければ、

当然のごとく、相手も反応します。

怒りと怒りのぶつかり合いになります。

もしくは、相手の立場の方が弱い場合は、

相手が我慢し、こちらに迎合します。

 

真本音の怒りと、反応本音の怒りは、

表面上では同じように見えても、

本質はまったく異なるのです。

 

真本音度合いが高まれば、

反応本音の怒りは激減します。

その代わり、真本音の怒りのみが

自然発生するようになります。

 

そしてその真本音の怒りこそが、

人の成長を促したり、組織の活性化につながります。

 

私達は人間。

 

豊かな感情があります。

 

それらの感情を単なる反応として使うのか、

それとも

自分の揺るがぬ願いの一つの表現として

発揮するのか。

 

それにより、

人生は大きく変わってきますね。

 

つづく

 

自分の感情を抑えないことで道が開いた

「たけうちさん、私もう100%自己中心かも

知れません。」

 

中原さんはそう言われました。

(→前回記事)

 

私が少しばかり驚いたのは、

彼女のその安定した雰囲気でした。

少なくとも私が出会ってからは

初めて感じる空気感です。

 

これまでの中原さんは、社長からも社員さんからも

信頼は厚かったのですが、

どことなくいつも自信なさげで、

しかし常に前向きではあるのですが、

その前向きさは、ちょっと力の入ったものでした。

 

少し無理をして「前向さ」を創り出しているという

感じでした。

 

しかし今はどうでしょう。

 

前向きとか自信がないとか、

そういった次元を超えて、ただただ

安定した中原さんがそこにいました。

 

何の力みもない。

しかし、とても毅然としている。

 

「どうしたのですか?」

と思わず私は訊き返していました。

 

「実は・・・」

と中原さんが語るところによると

次のような出来事があったそうです。

 

詳細はここでは書きませんが、

ある社員さんがお客様のもとで、ある一つの問題を

起こしてしまったそうです。

しかしその社員さんは、自己防衛のために

嘘をついてその場を切り抜けようとしてしまったそうです。

 

それに対して中原さんは

堪忍袋の緒が切れてしまいました。

 

「これまではそんなことはありませんでした。

社員がどんな問題を起こしても、自分を抑えて

冷静にその社員に対応してきました。」

しかしそれは、中原さんにとっては非常に

ストレスを生じさせる関わり方でした。

 

ここ何週間か、中原さんは「自己中心でいよう」と

し続けてきました。

恐らくその影響でなのでしょう。

 

「私はその社員を呼んで、1時間もお話をしました。

私は自分の感情を抑えることができずに、

自分の思っていることをそのまま社員にぶつけました。」

 

これまでの彼女には考えられない行動です。

 

すると驚いたことに、その社員さんは

涙を流しながら謝ったそうです。

実はその人は、これまでも何度か、嘘に近い報告をしながら

自己防衛をしてしまう癖があったそうで、

それが治らずに困っていたのだそうです。

 

「表面上はいつも反省するのですが、

それはどう見ても、表面上でしかないな、と

いつも思っていました。

なので、彼の癖はなかなか治らなかったのですが、

今回ばかりは、彼も本当に反省したようです。

次の日から、目の色が変わっているのがわかります。」

 

中原さんはそこで気づかれたそうです。

これまで自分が遠慮したり、変な気の遣い方をしていたからこそ

社員が伸びてこなかったのだ、と。

 

「そこからは私も反省しました。

私は、自己中心になるということは、単にわがままになる

ということだと思い込んでいました。

しかしそれは違うのですね。

自己中心になるからこそ、本当の愛情が出るのだと

知りました。

私は、これから自分の在り方を変えようと思います。

本気で。

なので、今はもう100%自己中心でいようとしています。」

 

そして・・・、

そこからの中原さんは凄かったです。

まるで別人になったかのように、

社員さん達と向き合うようになりました。

 

そしてその中で、彼女の生まれ持った強みが一気に発芽し、

ニョキニョキを芽を伸ばし始めたのです。

 

つづく