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余分な力は
入れない方が
いい。
いつも
肩の力は
抜いておけば
いい。
この3次元の
世界においては、
「結果」は
とても大事。
「結果」が
出なければ
何の意味もない、
と
私は常々
言っている。
しかし。
「結果」を求める
あまりに
余分な力が
入っては、
出る結果も
出なくなる。
大切なのは
「決める」
こと。
真本音で
「決める」
こと。
これをする。
こういった
結果を出す。
と
完全に決める
こと。
決めたら
後は、
「今この瞬間の現実」
に身を委ねる。
「身を委ねる」
と言うと、
「何もしなくていい」
と思われがちだが、
そうではない。
「身を委ねる」
とは
目の前の現実を
あるがままに
見つめること。
意図せずに
見つめること。
そして
ちゃんと
「ここにいる」
こと。
変に力を入れて、
あれをせねば、
これをせねば、
と焦るのではなく、
「今ここにいる幸せ」
を感じながら、
しっかりと
「今ここにいる」
こと。
そうすれば、
自然に
「これをしよう」
と
思いつくことが
ある。
それが
初めの一歩
となる。
思いついたら
すぐに
やればいい。
そこでまた
肩に力を入れて
しまう人もいるが、
ただ
思ったことを
そのまま
やればいい。
「それが難しいんだ」
と言う人も
いるかもしれないが、
そう言っている
時間があれば
やればいい。
ほんのちょっとでも
やり始めれば、
ほんの1mmでも
動き始めれば、
ちゃんと私達は
活性化する。
真本音で決めた
ことを
わずかでも行動に
移すことで
私達は活性化するように
できている。
肩に力を入れて、
気合いを込めて
進まねば!
は
必要ない。
ほんのちょっと
動けばいい。
そうすれば、
勝手に加速する。
せっかくの
加速を
肩に力を入れることで
止めてしまう人も
いるが、
自分を自分に
委ねてしまおう。
次々に湧き上がる
「これをしよう」
を
一つずつ
淡々とやればいい。
一つ一つは
そんな大したことは
ないはずだ。
たまには
勇気の要ることも
あるだろうが。
それも
慣れ、だ。
だから、
動けよ。
肩に力を
入れるのだったら、
その力を
足に移して、
一歩を
踏み出せよ。
つづく
「あぁ、お二人とも
だいぶ不安定になっていますね。
それでは、良い判断が
できないでしょう。」
木村さんと弓江さんの2回目の
二人コーチングの冒頭で、
私はそのようにお伝えしました。
(→前回記事)
二人にとっては
予想外の一言だったようです。
少しの間、二人は無言でした。
私の言葉に戸惑っていたのでしょう。
冷静な口調で弓江さんが
言いました。
「私達は今、不安定ですか?
私にはその自覚がありませんでした。」
木村さんも口を開きました。
「むしろ、いい状態だと
思っていましたが・・・。」
「いい状態、だと感じていた
理由はわかります?」
「すごくエネルギーが湧いてきています。
モチベーションが高いです。
集中力もあります。
前向きですし、絶対にやってやろうという
意志が高いです。
今日のこのコーチングも楽しみで
しょうがなかったです。」
「弓江さんはいかがですか?」
「そうですね。木村リーダーとほぼ同じです。
これまでとは少し違うレイヤーの意識に
自分はいるという気がしていました。」
「なるほど。
では、一つ今から問いをお二人に投げますので、
直観的にお答えいただけますか?」
「はい。」
「お二人の真本音は今、
どこにいますか?」
最初に弓江さんが答えました。
「あっ、なんか、私から離れている
気がします。
私の後ろの上の方、3mくらいの
ところにいるような気がします。」
「木村さんはいかがですか?」
「私も離れている気がします。
私は50mくらい後ろの方にいます。」
「では、その真本音の位置から、
今ここにいるご自分自身を
観察してみてください。」
二人は言われた通りにしました。
「どうです?
どのように見えますか?」
最初に木村さんが
言いました。
「なんか、自分の全身から炎が
上がっています。
その炎の中にいます。
でも、炎の中なので、外の世界がきちんと
見えていない気がします。
自己満足的な・・・。」
次に弓江さん。
「何でしょうか。
自分は、自分の内側のみを見ている
ような気がします。
外に意識を向けていません。
自分のエネルギーを楽しんでいますが、
それだけのようです。
私も自己満足しているのでしょうか。」
「お二人は、
新規事業プロジェクトのメンバーが
減ったことが、本当に嬉しいのですね。
なぜなら、直観的に
これで調和性の高いチームになると
思えたから。
そして、これで実績も上がるはずだと
思えたから。
さらに、人数が減らされたのに、
計画以上の実績を上げることができれば、
我ながら凄い!と思えたのではないですか?」
「その通りです。」
と木村さん。
「それはそれで、問題はありません。
でも、その直観が嬉しくて、
逆に意識が自己満足的な方向に
向かってしまった。
と同時に、
言った以上は、必ず実績を上げなければ!
と気合いを入れた。
気合いを入れること自体は大事ですが、
それは自己満足的な気合いですね。」
二人の心がギュギュッと
固くこわばったのがわかりました。
「まぁでもそれも人間でね。
そういった心になることをやめてください、
と言う話ではないのですよ。
大事なのは、
そういったご自分を真本音の視点から
客観的に見て、どうしたいか?ですね。」
「いやぁ、自己満足は嫌ですね。」
と木村さん。
「私は自己満足をするような人間ではないと
これまで思っていましたが、
結構しちゃうのですね。」
と弓江さん。
「自己満足するご自分を責める必要もありませんし、
否定することもありません。
それをあるがままに見つめることが大事です。
では、そういった自己満足的な自分に対して
どうしてあげたいですか?」
木村さんが言いました。
「私は自己満足な自分も可愛らしいと
思います。
ただ、その自分の中に閉じこもっているのは
嫌ですね。
そこから出たいです。」
次に弓江さん。
「私もなんか、こういう自分がいたのだと
思うと、ちょっと自分を可愛らしく思います。
でも、その中にはいたくないですね。」
「じゃあ、どうしましょうか?
その真本音の視点から、今の自分自身に
声をかけてあげてください。」
「まぁそんなに力まずに。
やるべきことをしっかりと見出して、
一歩ずつ着実に進もうよ。」
と木村さんが自分自身にメッセージしました。
弓江さんは、
「気合い入れ過ぎじゃない?
そんなことでは、本質を外してしまうよ。
もっと楽に力を抜いて進もうよ。」
とメッセージ。
その瞬間、お二人から一気に
肩の力が抜けた感覚が伝わってきました。
「気合い」が抜けたのです。
「では、お二人とも、
真本音を自分の体の中に
戻してあげてください。」
二人がそうすると、
その瞬間に、場の空気感が
一変しました。
二人の目が「自然体」に
戻りました。
そして、まっすぐに私を
見つめてきました。
見つめていますが、それは
とても軽やかです。
心地よい風が吹いてくるようです。
この瞬間、前回の二人コーチングと同じく、
私達は、「一つ」になっていました。
「ようやく元に戻れましたね。
では、コーチングを始めましょう。」
つづく
「進化」には
「揺らぎ」がつきものです。
太陽に黒点があるように、
あらゆる物事に「完成」はありません。
なぜなら
「完成」とは
「衰退」の始まりだからです。
「完成」した途端に、
それは「進むこと」を止めます。
「完成」なので、
当然そうなります。
しかし私達人間の本能は、
止まることを極度に嫌がります。
「進むこと」こそが人間の本質であり、
人間の存在する意味なのですから
当然です。
ですから私達は本能的に
「完成」を最も嫌います。
必ずどこかに「綻び」を残しておき、
その綻びの不安定さを原動力に
次の進化へとつなげます。
それが私達人間のみならず、
すべての自然の摂理です。
ところが、その一方で
私達は「完成」を望みますから、
(「完成」を望まなければ「進化」はしませんから)
ある時ある瞬間に、
「完成できた」
と思い込むことがあります。
それにより、
これまでの歩みが一気に止まり、
急速に「停滞」から「衰退」に向かう、
ということが頻繁に起きてしまいます。
「完成した」と思い込むことを私は
「傲慢」
と表現することがありますが、
急速に「進化」することで逆に
「傲慢」になってしまうというものも、
私達人間の性の一つであると思っています。
ですから、コーチの役割の一つは、
「傲慢」からの開放です。
「傲慢」ではなく、「真摯」に進化に向かうこと。
それこそが、私達人間の本能レベルでの
喜びであるということ。
それを日常の取り組みにおいて
実感していただくこと。
そのためのサポートが
コーチングであると私は考えています。
木村さんと弓江さんの
二人コーチングを私は再び
行ないました。
(→前回記事)
それは、
私の側から見れば、
「チームの活性化戦略を見出す」
という目的がありましたが、
お二人から見れば、
「さらなる進化のための
綻び(揺らぎ)を見出す」
という目的もありました。
お二人は今、
急速な「進化」を望んでいます。
今こそ、大きくブレイクスルーする時。
今こそ、脱皮する時。
・・・そうお考えです。
ですから、その脱皮の端緒としての
二人コーチングでもありました。
前回の二人コーチングから
約1ヶ月ぶり。
お二人はかなり、
気合いが入っていました。
それはとても
素晴らしいことです。
しかし、気合いが入っている場合、
私はそれを「抜く」ことを
大切にしています。
気合いは大切ですが、
気合いは時には
「脱皮」を妨げます。
気合いとは
「意図」だからです。
私達は「意図」を持つことで、
自分の「意図」の範疇でしか
成長できなくなります。
私達の「進化」とはもっと
ドラスティックです。
意図を超えたところで、
真の「進化」は行われます。
まずは二人を
二人の「気合」から解放
しなければなりません。
私はあえて、お二人に
二人コーチングの冒頭で
強烈な一言をお伝えしました。
「あぁ、お二人とも
だいぶ不安定になっていますね。
それでは、良い判断が
できないでしょう。」
嘘ではありません。
本当にそうだったので、
その通りに申し上げたのです。
つづく