生きる、ということに対して、
人が幸せを感じるか、感じないか?
それを左右する最もシンプルな「境目」は、
「自分の望む生き方(在り方)ができているかどうか?」
です。
それは、あるべき論ではありません。
つまり、私はこうあるべき、こう生きるべき、
ということではありません。
自分は本当は、どんな生き方(在り方)をしたいか?
そこに素直であること。
「今、この瞬間」に素直であること。
まずは、それに尽きます。
どれだけ実績を上げても、
どれだけ経験を積んでも、
自分が本来望む生き方(在り方)ができていない人は
間違いなく疲弊していきます。
するとその人は、
「疲弊することで実績を上げられるのだ」
と勘違いします。
「実績とは、疲弊しなければ上がらないものだ」
と勘違いするのです。
それは苦しみの人生です。
そういった苦しみの人生ではなく、
人はある意味、もっと「楽な人生」を
生きることができます。
「楽な人生」にするために最も基本的な必要条件が
「自分が望む生き方(在り方)」を実践することなのです。
しかも、その生き方(在り方)が
真本音で望むものであるならば、
それは、周りとの「調和」を高めます。
自分の望む生き方(在り方)ができればできるほど、
周りにもより良い影響を与えます。
ですから、
自分の幸せ=周りの幸せ
となります。
ですから、
現実が開かれます。
真本音で望む生き方(在り方)のことを私は、
『人生理念』
と呼んでいます。
ビジネスでも、それ以外のコーチングでも、
組織(チーム)コーチングにおいても、
あらゆるサポートにおいて、私はまずは必ず、
その人の『人生理念』を掘り起こすことを第一歩としています。
それをするのとしないのとでは、
その後の物事の進展の仕方の次元が変わるからです。
サポートそのものも非常に楽になります。
木村さんは、
“生まれたばかりの無邪気”
という人生理念を掘り起こすことができました。
その理念を日々、大事にすることで、
明らかに雰囲気と行動に変化が起こり始めました。
それを上司である平井さんは
非常に喜ばれました。
(→前回記事)
しかし本当のサポートはここからです。
私達の「心と行動」には、
これまでの経験で培ったパターンがあります。
それは、「心と行動のクセ」と
言ってもよいでしょう。
「クセ」とは、
私達人間の持つ大いなる力の一つです。
もし「クセ」というものがなければ、
私達は、生きることが非常に困難になります。
例えば、
「クセ」があるからこそ、
私達は、お箸を使うことができるようになります。
自転車に乗ることもできるようになります。
パソコンを使うことも、新たな能力を身につけることも
できるようになります。
すべては「クセ付け」と言ってもよいでしょう。
私達が自分の経験を通じて能力向上を図る時に
最も必要となる力が「クセ」ということです。
ですので「クセ」は
それだけ強いのです。
「心と行動のクセ」は
自分にとってメリットが高いからこそ、
身についたものです。
一度身についた「クセ」は
そんなに簡単には壊れません。
もし壊そうとするのであれば、
何度も何度も、その「クセ」が出るのを自ら
止めなれければなりません。
「クセ」を止めて、その上で「新たなパターン」で行動する、
ということを意図的に行なう必要があります。
お箸の持ち方が間違っていた場合に、
正しい持ち方に直すためには、
何度も何度も意図的に、お箸の持ち方を変えなければならない、
というのと同じです。
しかし何度も意図的に行なううちに、
いつの間にか自然に意図せずに
正しい持ち方ができるようになります。
大切なのは、何度も何度もそれをし続けること。
継続することです。
それはある意味、
「新たなクセをつける」
ということになりますが、
その「新たなクセ」が
「真本音で望むクセ」であることが大切です。
「真本音で望むクセ」がつけば、
その人自身が幸せを感じ、
しかも、周りにも好影響と調和をもたらすからです。
結局、私が行なっているサポートは
ここに尽きるかな、と思う時があります。
真本音で望んでいないクセを持っている人が
真本音で望んでいるクセに変えていく。
それをサポートするのが
私のコーチング、と言えるのかなと。
それ以上のことは
私はしていないのかも知れません。
なぜなら、
真本音で望むクセがつけば、
あとはもうその人の自力で、
望む現実をその人自身が創り出していくからです。
そういった意味で、
私が木村さんに対して注意して見ていたのは、
木村さんの「これまでのクセ」が
どのような形で「再発」するか?
ということでした。
人生理念を明確にすることで、
木村さんの雰囲気も行動も変化を始めました。
しかしまだ、彼の「これまでのクセ」は
残っているはずです。
それがどのように現れ、
どのように影響するのか?
それを見つめ、
彼が本当に真本音から望むクセをつけるための
有効なサポートをすること。
それが私の次の役割でした。
そして案の定、
彼のクセは、現れたのです。
つづく