木村さんは、
西畑さんのエンティティを
簡単に浄化できました。
それにより木村さんの真本音度合いは
さらにアップし、場の次元も高まったのを
私は感じ取りました。
であれば、この場を
さらに活用しよう、と思いました。
ただし、
私はもう、二人には何も具体的な問いは
投げません。
その必要はないからです。
「西畑さんのエンティティの件が完了したところで、
いかがですか、また何か喋りたくなっていることは
ありませんか?」
またしても、
弓江さんから「喋りたい空気感」が
伝わって来ました。
「弓江さん、まだ喋りたいことが
ありそうですね。」
弓江さんは笑いました。
「まだあります?
ちょっと待ってください。」
・・・と、心の中を探っています。
「喋りたいこと、というよりも、
たけうちさんにお訊きしたいことがあります。」
「何です?」
「新規事業プロジェクトチームは、
このまま行けば、成功すると思われますか?」
その瞬間、私に直観がありました。
私はそれをそのまま口に出しました。
「成功しないですね。」
その答えを受けて弓江さんは
言われました。
「なぜかすごく納得します。」
「弓江さん自身も、まずい、と
思ってるんでしょ?」
「はい。どうやら思っているようです。」
そこで、木村さんも入って来ました。
「実は私も、何となくそう思っていた、
ということに今、気がつきました。」
「恐らく、3人ともが本当はそう感じていて、
そのために、今日のこの場があるのでは
ありませんか?
今、自覚しましたけど。」
と私が言うと、
二人とも、大きく頷きました。
どうやら、ここまでが準備段階だった
ようです。
ここからが本当の本題だったようです。
しかし、このような展開になることは
二人はおろか、私も想定していたわけでは
ありません。
しかし、このような展開は
よくあることです。
お互いがしっかりと向き合い、
真本音度合いを高め合うことによって初めて
「ここにいる」本当の意味がわかるのです。
「どうやらここからの話こそが、
今日の目的のようですね。」
二人はまた大きく
頷きました。
私達はこの時、
完全に「一つ」になっていました。
コーチングやチームコーチングの場において
よく私が感じることなのですが、
目の前の二人は、
私そのものでした。
姿と個性と人生経験と能力の違う
私そのものでした。
3人の私がこれから
対話をするのです。
つづく
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