表面を観察し、その奥にあるものを理解する

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前芝さんには実は、先天的に

リーダー的要素や、開拓者としての性質が

備わっているにも関わらず、

まったくそれに気づかず、

むしろムードメイカーや縁の下の力持ち、

もしくは、人のサポート役としての彼を

ずっと育てようとしていたことに、

木村さんも弓江さんも少なからず

ショックを受けたようです。

(→前回記事)

 

しかしそれは

本当によくあることなのです。

 

表面にいつも現れる個性が、

その人のすべてではありません。

しかし、

そんなことはわかっているにも関わらず、

私達はついつい、

その人の表面上の振る舞いのみに

目を奪われます。

 

その振る舞いが、その人そのものである、

と勝手に思い込みます。

 

私が、どこの企業様のサポートに入っても

必ず、

『真本音と反応本音』

という概念をお伝えするのは、

その「思い込み」を超える目的が

あるのです。

 

「人の心には、

真本音と反応本音がある。」

・・・これは、視点を

与えているわけです。

 

この視点を持つだけで、

表面上に現れる振る舞いのほとんどは

「反応本音だな」

という見方になります。

すると、その後に必ず、

「では、その人の真本音は何だろう?」

という、一歩理解を深めようとする

眼差しが自然発生します。

 

もしくは、

「今のこの人の振る舞いは、

真本音によるものだろうか?

反応本音によるものだろうか?」

という目線で、

人を見ることもできるようになります。

 

こういった「区別」をしようとする

視点を持つだけで、

物事の見え方は随分と変わります。

 

そして、

真本音と反応本音という言葉自体を

社内の共通言語とすることによって、

ミーティングなどの議論も、

明らかに深まります。

 

例えば、営業ミーティングでも、

お客様の声にそのまま御用聞きのように

お応えするのではなく、

「あのお客様は真本音では

何を望んでいらっしゃるのだろうか?」

ということを徹底的に発想し合います。

すると、

非常にシンプルでかつ、奥の深い

ご提案につながります。

 

ただし、

その人の真本音を理解するためには

その人の反応本音と

反応本音に基づく振る舞いを

あるがままに観察することが重要です。

 

観察によって、

直観的に、その人の真本音を

キャッチすることができるからです。

 

その人の真本音とは、こちらの解釈によって

明らかになるものでは

決してありません。

 

「その人の真本音とは何だろう?」と

考え続けることは大事ですが、

考えながら理屈で導き出すものでは

ありません。

思考と観察を繰り返しながら、

自然に直観として明らかになるものです。

 

こういった、

真本音キャッチの方法も訓練が

必要です。

が、コツさえわかれば、誰もができるように

なります。

 

私は、すべてのビジネスマンが

これができるようになれば、

世の中にはもっともっと

本質的に人が幸せになれるビジネスが

増えるはずだと確信しています。

 

木村さんと弓江さんは

少し自信をなくしてしまったようですが、

こういった一歩一歩も訓練の内です。

 

私たちは、さらに真本音の視点から、

前芝さんについて

発想を続けました。

 

つづく

 

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