私がここ最近、
とても強く感じることなのですが、
真本音で生きる
という実にシンプルな生き方を
するために、
多くの方に足りないものが
あります。
それは、
「自分の最初の発想を
信じるという意志」
です。
最初の発想を
もっと信じて
進んでみればいいのに。
・・・と、
最近、頻繁に思いました。
最初の発想、
つまりは、
一番初めに浮かんできた
発想。
一番に初めに
顕在化した発想です。
私達の真本音は、
時々、
まったく関係のない
発想を顕在化します。
それは、
前回の記事で
書かせていただいた通りです。
AかBか?
で迷っているのに、
まったく関係のない
Cという発想が浮かんだりします。
その場合、
多くの人がその発想を
「つまらないもの」
「関係のないもの」
「意味のないもの」
として、浮かんだその瞬間に
捨ててしまいます。
しかも、
それを無意識にしている人も
多いです。
ですからコーチングの場では
私はよく、次のように
クライアントさんに言うのです。
「今、何か
発想が浮かびませんでした?」
・・・と。
すると、最初は
「いえ、何も・・・。」
と返ってきます。
でも、
「いやいや、今何か
考えましたでしょ?」
と問うと、
初めて、
「すみません。
まったく関係ないことが
一瞬よぎりまして。」
と返ってくるのです。
「それそれ、それですよ!
どんな発想がよぎったんですか?」
と言って、半ば強引に
それを教えていただくのですが、
その発想がきっかけとなり、
コーチングが思わぬ
すごい展開になることは
日常茶飯事なのです。
例えば私の場合、以前に
次のようなことがありました。
ある年末の話ですが、
私は、クライアント Aさんの
コーチングをしていました。
Aさんは若い経営者で、
次年度の方針を
明確化する内容だったのですが、
それが出来上がり、
スッキリと完了感も覚え、
コーチングを終えようとしました。
で、
席を立とうとした瞬間、
Aさんが私に
「たまには今から忘年会でも
いかがですか?」
と言われたのです。
「おぉ、いいですねぇ」
と私は答えようとしたのですが、
その時、ふと一つの言葉が
頭をよぎったのです。
私はそれを
そのまま口に出しました。
「Aさんって、
子供好きですよね。」
Aさんは、キョトンと
されました。
それはそうです。
「忘年会いかがですか?」
と問うたら、
「子供好きですよね」
と返ってきたんです。
しばらくAさんは
目を白黒されていましたが、
「ええ、好きです。
なんでわかるんですか?」
と返してきました。
実はAさんは独身です。
もちろんお子さんも
いません。
私もなぜそんな一言を
Aさんに言ったのか
自分でもわかりません。
私は答えました。
「いえ、なんとなく、
子供が好きかな?と
思って。
Aさんにお子さんができたら
きっとすごく個性的な子に
なりそうですね。」
と私が笑ったら、
「たけうちさん、
やっぱり忘年会は
後日でもいいですか?」
とAさんが言うのです。
「もちろん、いいですよ。
では、今日は帰りましょうか」
ということで、
私達は別れました。
そして、年明け。
私はAさんから
驚くべき報告を聴きました。
実はAさん、
お付き合いしていた彼女さんが
いました。
その彼女さんに
プロポーズしようと
決めていたそうです。
で、婚約指輪も密かに
購入されていたそうです。
Aさんは私から
「子供が好きですよね」
と言われた瞬間に、
無性にその彼女さんに
会いたくなったそうです。
で、Aさん、
プロポーズするなら今日だ!
と直観したそうなのです。
あの日、
Aさんは私と別れた後、
すぐに彼女さんを呼び出し、
プロポーズされたそうです。
もちろん結果はOK。
「最高の正月でした」
とAさん。
しかも、
「年末年始で彼女と一緒に
旅行をしました。
二人で今後の家族計画の
話をしてたんです。
その時、気づいたんです。
私は、もっと私のやりたい
経営の仕方があるんじゃないか?
って。
で、たけうちさんには申し訳
ないのですが、
年末に決めた計画を
もう一度根底から考え直しました。
その結果、凄い発想が
出てきましたよ。」
そう言われながらも
Aさんは発想された内容を
私に教えてくださいました。
それはかなり
ぶっ飛んだ内容でしたが、
とてもとても魅力的でした。
もともとAさんは
ぶっ飛んだところがありましたから、
Aさんらしいな、
と思えました。
もちろん、
すべてAさんの真本音でした。
そこで私はわかったのです。
プロポーズすることで、
Aさんは
ご自分の次元を一つ
上がったのだな、と。
そして、
次元の上がった意識で
経営計画を立て直したのだな、
と。
そう考えると、
あの時、私が発した
「子供好きですよね」
の一言が
いかに重要だったか。
あれで、ある意味、
Aさんの人生が変わりました。
しかしこれは
私がAさんの人生を変えた
わけではありません。
私はただ、
Aさんと真本音コミュニケーション
しただけのこと。
つまり、
Aさんの真本音をキャッチし、
Aさんが言ってほしい一言を
その時お伝えしただけの
ことなのです。
Aさんの真本音は
私を活用して、
自分の人生を進めたのです。
面白いでしょ?
実はこういったことが
本当に日常茶飯事で
起きています。
ですから私は思うのです。
まったく関係のない発想でも、
何かの問いを受けて、
最初に浮かんだ答えは
宝物かもしれない、と。
真本音度合いの
高い人であればあるほど、
それを大切にしてほしい、と。
本当に、
人のコミュニケーションというのは
面白いですね。
つづく