未知の人間

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視界の全くない
道を
歩いている。

いや、
これは道と
言えるのか?

もちろん
自分が今
どこにいて、

どこに向かって
いるのかは
わからない。

しかし、
導かれる
ように
歩いていく。

先に何が
待っているのか?

という
恐れによって
足がすくむことは

もう既に
なくなった。

人間とは
慣れるもの。

凄いものだ。

先に
待っているものが
天国か
地獄か。

そんなことにも
頓着しない
自分が
もう既にここに
いる。

だから
導かれる感覚に
素直に
従うのみ。

何が
導くのか?

誰が
導くのか?


もちろん
わからないままに。

先の方に
何らかの気配が
強まってきているの
ことは
少し前から
感じていた。

この気配は
これまで
経験したことのない
ものだ。

きっと私は
もう
未知の領域に
入っているのだろう。

私の長い
旅路の
記憶にはない
こと。

そこに
分け入ることは
それ自体が
悦びのようだ。

一言で言えば
ウキウキ
している。

やはり、

道は
見えない方が
いい。

見えることで
何かが大きく
失われる。

逆に
見えないことで
得られるものは
多い。

そのように
人間は
創られている。

人とは個。

人間とは場。

私はもう
新たな人間
となっている。

つづく

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