愛というエネルギーを止めることはない

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人と人は

わかり合えないものでしょうか?

 

そう問われた時、私はいつも

「そうです。わかり合えません」

と答えることにしています。

 

「この人とわかり合えたな」

と思ったとしたら、

それは「傲慢」の始まりかも知れません。

 

「自己満足」の始まりかも知れません。

 

人と人は、そんなに簡単には

わかり合えない。

だからこそ、

真摯に向き合おうとする。

だからこそ、

真剣に理解しようとする。

 

その姿勢こそが大切で、

その姿勢を取り続けているうちは、

「お互いにわかり合おう」

という関わり方ができます。

 

それが、阿吽の呼吸を生み出したり、

共振・共鳴を生み出します。

 

「わかり合おう」という姿勢は

実在レベルでは

「一つになろう」というエネルギーを

生み出します。

 

「一つになろう」というエネルギーのことを

『愛』

と言います。

 

愛とは、行動そのものではなく、

エネルギーです。

 

木村さんは、

真本音状態でいるときは、そのエネルギーが

非常に高いです。

しかし、

反応本音のクセが前面に出てしまうと、

途端にそのエネルギーが枯渇します。

 

それが非常にわかりやすく、

周りの人達との関係性に現れます。

 

これは木村さんだけに言えることではなく、

すべての人に言えます。

 

愛のエネルギーの高い人は

あらゆる物事がスムーズに進展します。

すべてが調和します。

 

愛のエネルギーの低い人は

あらゆる障害が周りから襲ってきます。

その結果、その人は上手くいかない原因を

周りのせい

にします。

 

違うのです。

 

すべては、自分の発するものの影響です。

 

良いものを発すれば

良いものが返ってくる。

 

良くないものを発すれば、

良くないものが返ってくる。

 

それは、あまりにもシンプルな

物事の原理です。

 

木村さんは、

新規事業プロジェクトリーダーを辞めたい

と言いました。

(→前回記事)

 

が、もちろんそれは本気ではありません。

ひょっとして半分は本気だったかも知れませんが、

半分は愚痴を言っただけです。

 

コーチングの場であえて愚痴を言い、

反応本音を出し切ることで、

真本音の判断をしよう、という意思も

あったようです。

 

一通り木村さんの話が終わり、

木村さんの気持ちが落ち着いたところで

私は彼に訊きました。

 

「木村さん、ここは自力で突破しますか?

それとも、私が何か側面からサポート

した方がよいですか?」

 

彼はしばらく考えましたが、

「プロジェクトも佳境に入っています。

今の流れを止めるわけには行きません。

本当は自力で何とかしたい気持ちもありますが、

ここは一つ、サポートをいただけませんか」

と返しました。

 

私はそれを「逃げ」ではなく

彼の「真本音の判断」であると認識しました。

 

私は念のために、平井さんにこの件を

お話ししました。

状況をお伝えした後で、

「木村さんの側面サポートをするために、

弓江さんと面談をしようと思いますが、

いかがですか?」

と。

 

平井さんは言われました。

「実は、たけうちさんに弓江のコーチングも

お願いしようと思っていたところです。

良い機会なので、ぜひお願いします。」

 

そこで私は弓江さんと

最初の面談をすることになりました。

 

もちろん私は弓江さんのことは

存じ上げていたのですが、

1対1でしっかりと向き合うのは

初めてでした。

 

向き合った瞬間に、

あぁこの人は、とても面白い人だ、

と直観しました。

 

まず、真本音度合いが普通の人よりも

明らかに高い。

しかし、その自分の特性を

まったく活かしきれていない。

 

そう思ったのです。

 

こういった人には、

通常のコーチングとはまったく違ったアプローチの

問いを投げると面白くなります。

 

私は内心、ワクワクしながら

弓江さんに問いました。

 

「弓江さん、

木村さんのこと、嫌いですか?」

 

「はい、嫌いです」

と、まっすぐに返ってきました。

 

思わず私は笑い出しそうになりました。

 

つづく

 

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